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「スコット・ピルグリムvsザ・ワールド:ザ・ゲーム」のレビュー!
俺がやったのは360版ね。
SCOTT PILGRIM VS. THE WORLD: THE GAME翻訳版の最終巻が発売されたばかりで、実写映画も公開中の海外コミック
「SCOTT PILGRIM VS. THE WORLD」のゲームだ。
原作では主人公のスコットがヒロインのラモーナと付き合うために、
ラモーナの「7人の邪悪な元カレ」を全員ぶちのめすという話だったが、
ゲームではスコット、ラモーナ、キム、スティーブンの4人が使用可能。
ナイブスは残念ながらDLC。まあ、値段は良心的だけどね。
全7ステージで邪悪な元カレを一人ずつ倒していく構成は原作と一緒。
原作はゲームネタの多い作品だったので、
本作もそれに倣って2Dのグラフィックでどこか昔懐かしい雰囲気となっている。
価格は360版が800ポイントでPS3版が1200円。
ジャンルは4人でのオフラインCOOPも可能な横スクロールのアクションゲーム。
所謂ベルトスクロールアクションというヤツですな。
落ちているパイロンやらバットやら箱やらギターやらを武器にして戦ったり、
経験値によるレベルアップや、敵を倒した時に手に入るコインで
アイテムを購入することでの回復&ステータス強化要素もある。
ボタンによるガードがあるのがこの手のゲームではちょっと珍しいくらいで
よくあるというかオーソドックスな内容ではある。
が、レスポンスは良く、スピーディーな連続コンボがガシガシ決まるし、
レベルを上げて新しい技を覚えると緊急回避が可能になったり
ジャンプからの連続急降下アタックで敵をまとめて吹き飛ばしたり、
武器での高速攻撃が可能になったりもする。
敵をぶん殴ったときの効果音も気持ち良くて爽快。
フルHDの画面の中を生き生きと動き回る2Dのキャラや、
書き込まれた背景グラフィックも見事の一言。
じっくり見るとかなり書き込まれてるんだけど凄く懐かしい。
キャラは3頭身のSDだけどとにかく可愛くてよく動くし、
モブキャラ含めてしっかり乳揺れしてるのにこだわりを感じる。
ベルトスクロールアクションって割と1ステージが長いものが多いんだけど、
これに関しては長さそのものも丁度良いし、
敵キャラとステージがとにかく個性的で、
色んな仕掛けもあったりするのでとにかく遊んでて飽きさせない。
いきなり映画撮影が始まったり、
後ろから追いかけてくるボスから逃げつつ壁を壊しまくったり、
変な謎解き要素とかは無くて、純粋にアクション!な仕掛けが多いのがいいね。

制限時間以内に車を壊せ!とかさ。
ステージはストリート、和風、ハイテク、地下鉄など色々で、
洋ゲーのお約束のゾンビステージもあるぞ。
いやスコット・ピルグリムの原作にゾンビとか出てこねーから!

じっくり見るとグロいけど可愛いゾンビ。
ゾンビ退治がメインのモードもあったりする。ホント外人はゾンビ好きね。

敵キャラでは和風ステージに出てくるぽっちゃりクノイチがお気に入り。
頭の上の肉まんと一緒に表情を変化させるのが可愛い。
原作がゲームパロ満載の作品だったこともあり、
このゲームも原作以上にシステム、演出共にレトロゲームのパロディ満載で
8bit時代からゲームをやってるとそこでニヤニヤしっぱなし。

基本システムやショップ画面や
アイテムの挙動なんかはまんまダウンタウン熱血物語。
ショップもひどいけど最初に箱蹴った時は思わず吹いた。そのまんまじゃねーか!
技でもダブルドラゴンの「肘打ち」や、
ダウンタウン熱血物語の「マッハたたき」そのまんまのものがあったりする。
他にもロックマンだったりストIIだったりと枚挙に暇がない。
アニメネタも色々あるし、背景もじっくり見ると小ネタが満載。

このわざとらしいマップ画面!
前述した通り、単なるパロディではなく
アクションゲームとして気持ち良さをしっかり考えられた作りになっていて、
溢れんばかりの「愛」を感じさせる。
そしてBGM。
レトロゲームらしいチップチューンに
聴き応えのあるドラムやベースを織り交ぜたBGMは絶品。
聴いてる俺の耳から1UPキノコが3つくらい飛び出しそうになるくらい素晴らしい。
これだけで完璧に値段分は元取れたと言い切れるくらいにイイね。
お気に入りはステージ1・ステージ3・ステージ7かな。
コミックのファンにも文句無しにオススメ出来る一品。
原作だと割とあっさり負けちゃった元カレも出番が増えてるし、
オリジナルステージはどれも雰囲気にあっていて
カッコいい演出が盛り沢山。
それでいて細かいところで原作再現や小ネタをちゃんとやっている。
モブキャラもちゃんと原作に登場したキャラになっているし、
レンタルビデオショップに入ると延滞金を請求されたり、
「ツインドラゴン」の実績が原作と同じだったり、
ボーナスステージ&ワープゾーンがサブ スペースハイウェイだったりと
とにかく細かいところまで原作愛が素晴らしい。

キタキター!
個人的には原作よりもゲームの雰囲気と演出の方が好きだなあ。
原作は原作で好きなんだけどゲームがそれ以上に良すぎる……。
原作はゲームネタ多いけどそれがメインのマンガでは無いし、
俺の場合ゲームからスコット・ピルグリムに入ったので余計に。
色々技があるとはいえ強い技がある程度決まってるし、
ゲームとして新鮮味が無いと言ってしまえば新鮮味は無い。
敵の配置やボスなどでやや大味な部分が感じられるなど欠点はあるが
レトロゲームへの愛が圧倒されるくらいギュウギュウに詰まっていて、
ベルトスクロールアクションとしても十分面白い内容だし、
スコット・ピルグリムのキャラゲーとしても素晴らしい。
オリジナルの世界観と魅力を壊すことなく、
より良いゲーム版として見事に昇華してる。
原作を読んで無くても楽しめるし、
ゲームの後に原作を読むとネタが分かってさらに楽しい。
原作ファンならもちろん最高。
原作は結構クセがあるんで合わなかったなーって人も多いと思うけど
ゲームは体験版だけでもやって欲しい!いやもうPVだけでも見て欲しい!
YouTube - Scott Pilgrim Vs. The World Game Trailer (E3 2010)青春をゲームに燃やした大バカ野郎が
「大好きだったゲーム達」に対して全力全開の超ド真ん中ストレートで宛てたラブレター。
受け止めたぜ。
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