仮面ライダーバトライド・ウォー発売記念企画!平成ライダーゲーム16作品連続レビュー! 11本目は!
「この世界は誰の世界だ?」
仮面ライダーガンバライド カードバトル大戦!
2010年の7月29日に発売されたDS初の仮面ライダーゲーム。
内容はアーケードで稼動している「仮面ライダーガンバライド」の移植だ。
封入特典もガンバライドで使用可能な
「11人の仮面ライダーが登場して全員でライダーキックをする11ライダーカード」という、
こんなの絶対欲しいに決まってるじゃん!というシロモノ。
開発はナツメで、ストーリーモードのシナリオ担当は遠藤正二朗。
遠藤正二朗といえば代表作はあのSIMPLE DSシリーズTHE裁判員!
古くは魔法の少女シルキーリップやAランクサンダー、メタモルVやマリカ~真実の世界~が有名だし、
最近だとヒーローズファンタジアなんかもやってるね。
仮面ライダーガンバライドは現在もアーケードで稼動しているカード筐体のゲーム。
1プレイ100円で、100円につきカード1枚が排出される。
最初にライダーカードを2枚、シリーズによっては3枚スキャンして遊ぶ。
スキャンしたカードのライダーを操作して他のライダーと戦っていく内容だ。
ゲーム自体は数字の書かれたスロットを止めて
大きい数字を先に出した方が先に攻撃する流れを繰り返す単純なもので運の要素も強く、
どちらかというと必殺技などの演出を楽しむ内容に近い
カード同士のスキルや相性の組み合わせや属性など、戦略性も無いわけじゃないけどね。
必殺技演出は年々磨きがかかり、最近のはクライマックスヒーローズより上だと思う。
稼動したのは仮面ライダーキバの放送当時だが、ブレイクしたのは次の仮面ライダーディケイド。
ディケイドはこのガンバライドで出てくるライダーカードをそのまま使って戦う仮面ライダーで、
そりゃそんなのを放送したらヒットするわ。
最初のシリーズはキバ~ダブル放送時で11弾まで続き、
オーズ放送開始時に「001弾」という今見ても紛らわしい名称に一新して006弾まで続く。
フォーゼ放送開始時にまた名前を一新して6弾まで。
ウィザード開始時に「シャバドゥビ○○弾」と名前を一新して現在は5弾まで続いている。
サブライダーはまだまだだが、長く続いてるだけあって昭和~平成の主役ライダーは全員参戦済みだ。
仮面ライダーシンやJやZOもいるぞ!
まあJは最新弾でやっと参戦したんですがね。
ライダーカードとは別にスペシャルカードも存在。
こちらはスキャンするとイラストが表示されて書かれた効果が発動するだけなので、
ポリゴンモデルの有無に縛られない幅広いキャラクターがラインナップされている。
オルタナティブ・ゼロにアナザーアギトにオーガといったコアな人気のあるサブライダーに、
昭和、平成含めた数多くの敵怪人が集結。
ミニ電王や仮面ライダーエターナルレッドフレアといったマイナーライダーや、
地獄兄弟が食べていた兄弟ラーメンなんてカードもあったりする。
シャバドゥビになってからスペシャルカードの概念自体が廃止されちまいましたがね!
本作は2009年に発売されたソフトなのでさすがに今見ると見劣りはするが、
それでも1~9弾までのカードをすべて網羅した上で
玩具付属カードとジャンボカードダスも収録し、ゲームオリジナルカードも10枚登場。
実に700枚以上のカードが収録されているのだ。
ゲームはストーリーにそって進むストーリーモードがメイン。
これでポイントを稼いでガンバライドをプレイしてカードをゲットしていくのだ。
ストーリーを進めることで手に入るカードもある。
ストーリーは謎の少女セラフから
ライダーカードを実体化することの出来るギアを受け取った主人公が、
ギアとライダーカードを使って悪事を働く相手を倒していくもの。
主人公はガンバライド知識もライダー知識も無いので、
友人であるケンジさんから色々と教えてもらいながら悪と戦っていく。
なんという玩具マンガの王道的な設定と展開!
主人公を初心者にして経験者の友人からゲームルールなどの説明をさせるってのは
プレイヤーへの説明もしやすいからこの手の話だと鉄板的な構図よね。
主人公は男の子と女の子が選択可能。
女の子のシナリオで遊んでも所々で口調が男の子っぽくなったりで少々雑だが……。
ストーリーは全9章。収録されているガンバライドも全9弾。
1章終わる毎にガンバライドの新しい弾が解禁されていくという構成だ。
舞台はサイキョウシティ。
ライダーカードを実体化させて戦うという設定の都合で、
さいたまスーパーアリーナそっくりなスタジアムや
首都圏外郭放水路そっくりな放水路が密集して存在しているという、
ホントにあったら東映の撮影スタッフが大助かりな街である。
基本的にはマップから行きたい場所を選ぶのを繰り返すだけの内容で、
ストーリーの進む目的地に行くか、ザコのいる場所で戦って経験値やカードやポイントを稼ぐか、
ゲームセンターでガンバライドをプレイするかのどれかだね。
行ける場所がなくなったら研究所に戻って時間を進めればイベントが進行する。
「どうやら、 こんしゅうはもう行くひつようのあるばしょはないようだ」というナレーションで教えてくれるのでこれをゲーム中に何十回も見ることになるぞ!
マップでザコ敵のいる場所に行っても敵が居ない場合があって、
その時は仮面ライダーの残留エネルギーを撮影するミニゲームが発生。
ボタンと方向キーでズームして動き回るライダーのシルエットを撮影!
成功すると撮影したライダーのポリゴンデモを鑑賞出来るようになる!というもの。
これが単純だけど結構楽しい。
失敗した時は「この世界はオレに撮られたがっていないようだ」とでも呟こう。
登場キャラはなかなか濃いキャラが揃っている。
こちらは主人公の知り合いで土門超常現象研究所「DOLL」という非常に胡散臭い組織の所長。
オカルトネタを叫ぶ役回り。
このゲームは
「不可解な事件が発生する」
↓
「所長がUMAだポルターガイストだマリーセレスト事件だのとオカルトと関連付けて騒ぐ」
↓
「実は悪用されたギアで実体化したライダーが犯人」の繰り返しになります。
おかげでライダーネタと同じくらいオカルトネタが多い。
登場キャラの中で一番お気に入りなのはスガさん。
最近の仮面ライダーには疎い大人の人で、
「仮面ライダークウガライジングアルティメット(ダークアイ)だ!」ってセリフに
「凄い名前だね……」って突っ込み入れたり、
仮面ライダー響鬼を見て「これも仮面ライダー?!」「オニみたいだ!」って驚いてたら
鬼火で焼き殺されそうになったり。
ケンジさんから「クウガの一条さんみてーだな!」って言われたり、見ていて楽しい人だ。
でも子供に戦わせるわけにはいかない!と自分でギアを使って戦おうとしたりと、
まっとうな大人で非常に好感度高い。
結局ダメなんだけど、
そのシーンで「わたしにも分かるのは…」と1号と2号をチョイスするとこもいいね。
どうでもいいけどケンジさん、
中学生なのにクウガの一条さん知ってるってなかなか気合入ったライダーファンだな。
ギアの力で仮面ライダーの力を悪用する敵は
仮面ライダー電王の力で時を越えて、学校のテストの答えを手に入れてカンニングしてた女の子や、
仮面ライダー龍騎の力で裁判に不利な証人をミラーワールドに閉じ込めていた弁護士。
仮面ライダーストロンガーの力で街の施設を破壊する女テロリストなど。
実にバラエティ豊かな面子が待ち受ける。
もしカードバトルじゃなかったら絶対勝てないようなライダータッグが敵の回もあるぜ。
ちなみにこの2人は迷惑な暴走族を止めるために使われました。
オーバーキルってレベルじゃねぇ……。
その程度の事でこの2人を呼び出すなんてとても迷惑な奴なのだ。
ストーリーは子供向けマンガのノリではあるものの、
「正義と悪」をテーマにしたシナリオはしっかりと芯が通っていて、
伏線やちょっとした描写も丁寧で手を抜いてない作りだ。
「正義のために戦う」リョウコのエピソードは
最後のテキストも含めて特に作家性の強い作りでお気に入り。
カンニングの女の子も一見すると完全にギャグなんだが、
掛け算が出来ないレベルのバカで、
成績のことで両親がいつも喧嘩していたって話がさりげなくあったり。
そういう展開ばかりじゃなくて、基本はドタバタのギャグで進むので子供向けであることも忘れてない。
それだけにエンディングが打ち切りマンガみたいなバタバタした終わり方なのは大分残念。
ちゃんと完結もしているし、最後のカードの演出は凄くいいんだけど、
肝心の部分がハッキリ描写されないままあっさり終わってるんでね。
あと、序盤こそ電王や龍騎などライダーの個性を生かしたシナリオ展開になってるんだけど、
中盤からは別にどのライダーでもいいような話がほとんどになってしまう。
ライダーもカタコトで「トオリスガリノ カメンライダーダ!」とか
原作のセリフをしゃべるだけの意思の無い存在で味気ない。
ストロンガーとリョウコのやり取りは、だからこそのカッコ良さだったとは思うけどね。
ゲーム自体はガンバライド9弾とまったく同じルール。
元が3Dのリアル等身キャラなのでさすがにDSとなるとかなり荒くなっていて、
手がグーのままのライダーも多いんだけど、キャラのモーションや演出などは完全再現に近い。
が、音質はさすがにムリがあったのかヘッドホンで聞いても音割れまくり……。
仮面ライダーキバが本人ボイスの貴重なゲームなのに!
ストーリーモードのイベント戦闘では
スキャンしたライダーが二画面ブチ抜きで登場するシーンもあり、なかなかの迫力。
この演出はゴーカイジャーDSやゴーバスターズDSでも使われてたね。
ガンバライド部分以外のバランスやUIの作りは今一つだ。
必殺技ビューアーが搭載されているので必殺技だけを見れるのはとても素晴らしいし、
カードのお気に入り登録はできるのでよく使うカードは登録しておけるんだけど、
カードを選ぶ時にいちいち画面を切り替えないとステータスが確認できない上に、
スキルの確認は「スキルせつめい」のボタンを押さないと見れないのがもたつく。
DSのカードゲームなら、カードにカーソルを合わせた瞬間に
上画面に詳細がバッと表示するようにして欲しい……。
ちなみにこれは仮面ライダーカイザのカード。
「乾巧って奴の仕業なんだ」ってライダー関連のネットスラングではよく使われるけど
ホントは本編で一度も言ってないセリフじゃないですかー!
ガンバライドはこういう大人にしか分からないネタや、
歌詞ネタなんかをスキル名で入れてくるから侮れない。
仮面ライダーギャレンのスキルに「シュルトケスナー藻」とかね。
他にも属性別や能力別のソートはあっても登場作品別のソートが無い。ソートの切り替えが遅い。
筐体からカードを買うときは1枚買うたびに筐体選択画面に戻るので、
もう一度カードを買う時は2回ボタンを押さないといけないのも地味にテンポ悪い。
ちょっとした事だけど何十枚、何百枚とカードを買うゲームだからね。
ていうか原作のガンバライドは5枚までは連続で買えたんですけど!!!
ストーリーモードは本筋と関係ないサブシナリオみたいなのは一切ないし、
いらないガンバライドのカードを売ったり買ったりするショップも無い。
強いカードが2枚手に入ればそれで勝ち続けられるしかなり単調。
2週目でもメッセージが一切スキップ出来ないのもかなり痛い欠点だ。
クリア後はひたすらシナリオモードを繰り返し遊んで
カードを集めるくらいしかやることが無いのにこれは辛い。
色んなキャラと色んなルールで戦える隠しシナリオとかも用意して欲しかった。
クリアしても能力とカード引き継いで最初からやり直せるだけで、
追加されるモードや隠しシナリオなども無し。
ストーリーモードで最高クラスのレアカードが必ず手に入るイベントが沢山あったり、
筐体からレアカードを引いた時に何も演出が無かったり、
「レアカードを手に入れるワクワク感」を大事にしてない作りなのも気になった。
レジェンドレアがあんなにイベントでガンガン手に入ったらありがたみが無いって。
当時のガンバライドとの連動パスワードを入力した上で
何回も戦わないと手に入らないカードが大量にあるため、コンプを目指すのもかなり大変だ。
面白いしDSってことを考えればグラフィックもかなり頑張ってるんだが、
作りの荒い点も多く、クリア後にコンプ目指すと一気にダルくなってしまう。
何百種類もあるカードを自由に使ってガンバライドを遊べるのは楽しいし、
シナリオ含めて悪いゲームじゃないだけに本当に惜しい。
欠点を改善した続編出して欲しかったんだけどこの1本だけで音沙汰ないんだよねえ。
3DSにガンバライドと同じカード筐体のドラゴンボールアルティメットヒーローズが移植されて
かなりのヒットを飛ばしてるとこだし、そろそろガンバライドもまた出しませんかね?
NEXT
「仮面ライダークライマックスヒーローズ オーズ」
俺が変身する!
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台詞聞き取るのが困難なレベルのも多かったし
3DS辺りで出してくれれば改善されそうなんでまた出して欲しい…