8月1日にXBOXLIVEアーケードで配信されたDeadlightのレビュー行くぜ!
Deadlight - Xbox.com
価格は1200MSP。
サマーアーケードの1本として配信されたソフトだ。
謎の疫病に感染した人々が次々に凶暴になって暴れだしている1980年代のアメリカが舞台。
感染した人々は「影」と呼ばれ、この現象のせいで世界中が壊滅状態となっている。
主人公のランダルは離れ離れになってしまった家族を探すために
無事な人々が集まっているという噂のセーフポイントを目指して歩き始める。
「影」という表現になっているが「ゾンビ」のことね。

スクショからは想像し辛いが完全な2Dの横スクロールアクションゲーム。
左から右へとどんどん進めばクリアだ。
逆光で主人公や敵の姿がシルエットのような表現になっているのが特徴で、
「ゾンビ」ではなく「影」という表現にしてあるのもこの辺から来てると思われる。
グラフィックは非常にいい雰囲気で、
荒廃した街の作りこみや、見ているだけで押し潰されそうになる暗い空、
心まで冷え切ってしまいそうな冷たい雨は世界観をじつによく表現できている。
これはゾンビの影響深刻だわ……って心から思える。
タイトルが登場する最初のシーンもいいね。
ゲームとしては「よっこいしょ」という感じのジャンプであちこちに掴まったり、
ハシゴを下ろして登ったり、軽くパズルっぽい仕掛けを解いて足場や掴まれる物を開放したり
崩れそうなガレキからガレキに飛び移ったりしていくので、
一応2Dのジャンプアクションに分類されるのかな。
例えば工場でプレス機を作動させてその上に乗っかって進んだり、
作動させるついでにプレス機でゾンビを潰したり、なんてシーンもある。
「お前の身体能力どうなってんだよ?!」
「そんな都合よく崩れる建物がどこにあるんだよ!コントか!」
なんてツッコミつつ進むのも楽しい。
シルエットっぽいグラフィックに
ジャンプと掴まりでパズル的な仕掛けを切り開いていく構成は
同じくXBOXLIVEアーケードの「LINBO」の影響が濃いね。あれはいいゲームだった。
ゾンビとのバトルもあり、ある程度進めば斧や銃で応戦が可能。
銃は右スティックで狙いをつけてヘッドショットを決めないと敵を倒せない。
斧は連続で使うとスタミナが切れて動きが鈍るからゾンビが多い場面では使い辛い。
終盤は銃弾が結構手に入るからバンバン撃ちまくれるね。
ヘッドショットも簡単なのでそれなりに爽快。なんせ2Dだから照準合わせがカンタン。
2Dだから横にしか進めないのに「画面奥」からゾンビがやってくるシーンも多く
その上複数のゾンビに掴まって攻撃されると即死する。
なので、ゾンビの群れを画面左に誘導してからダッシュとジャンプで飛び越えて右に逃げるなど、
デキる大人のゾンビ回避術が求められる。

ステージのあちこちには遺留品やランダルの日記のページが落ちている。
日記は結構な分量があってランダルの心情が細かく書かれているし、
遺留品もなかなか想像力を刺激されるものが多い。

1回クリアしたチャプターはメニューからリトライ可能で
未回収のアイテムの数までバッチリ書いてある新設設計だから回収も難しくないぜ。
そんなわけで良い感じのゲームではあるんだけど欠点もかなり多い。
このゲーム、落下したら死亡、トラップに引っかかったら死亡、
ゾンビに掴まったら死亡と結構な即死ゲー&死に覚えゲー。
それ自体は別にいいし死んだらすぐ手前から再開できるんだけど
その度にロードが4~6秒挟まる。
中盤から初見殺しがどんどん増えていくので大分イラッとさせられる。
死に覚えゲーはリトライのストレスを極限まで削ぎ落とさないといけないのに!
ボリュームも少なめでクリアタイム2時間。
リトライした時間はカウントされないがそれ含めても4~5時間でクリア可能で、
難易度変更もないし、繰り返し遊びたくなる要素もあんまり無い。
収集品も1回クリアすれば9割以上集まるから、
コンプする気でもチャプターセレクトからすぐ残りを回収できる。
まあ、ゾンビ映画1本分って感覚で遊んだので個人的にはそんなに気にならなかったな。
それよりゲームの構成やシナリオに不満がある。

ゲームの構成としてはact2が実に良くない。
ゾンビのほとんどいない地下水路ダンジョンで
即死トラップとパズルを相手にジャンプしまくるエピソード。
画像はスイッチをパチンコで狙い撃って足場を出現させようとしてるシーンだ。
ゼルダだこれ……。
何が良くないってゲームの主人公から見たストーリー上の展開も
遊んでるプレイヤーからの視点でも
「なんだかよく分からないが地下で即死トラップとパズルを相手にすることになった」だということで
スイッチで作動するトゲや電動ノコギリといった人工的な即死トラップを掻い潜っていくのは
ゲーム全体の流れから見ると大分浮いてる。
他のステージは
「崩れた建物や壊れた設備がトラップやギミック的な仕組みになっている」って感じなんだけど、
ここは「トラップやギミックとして作られたトラップやギミックが相手」でどうも興ざめ。
地下水路の雰囲気や壊れた電車にあちこちから漏れている水の表現はいいんだけど、
足場が分かりにくかったりと難易度も少々高く
「なんで俺はゾンビゲーでこんなことやらされてるんだ……」って気持ちになるのにそう時間は掛からない。
ていうかストーリー的にも来る必然性ないよなあここ。
にも関わらずこの地下がゲーム全体の半分以上を占めております。
ギミックも全体的に初見殺しに頼りすぎな印象。
いくらなんでも多すぎるって初見殺し。
どっかで見たようなのが多くて遊んでて感心するようなギミックもほとんど無かったなあ。
この辺はLIMBOと比較すると大分見劣りがする。
ストーリーもオチはゾンビモノらしくて気に入ってるけど、
主人公と家族と仲間以外の登場人物が完全に不要。
ほとんどの伏線が投げっぱなしのまま進むこともあって、
「最初に主人公の話を考えたけどそれだけじゃ1本のゲームにならないから
それっぽいキャラや設定追加して水増ししたんじゃないの?」って思ってしまう。
グラフィックの凝りっぷりは特筆モノで最初こそ雰囲気に浸りながらどんどん進めるが、
すぐにダレてきてそれなりに楽しめつつも「うーん?」という感じで終了。
システム的にもストーリー的にも何かのツギハギっぽくて個々の練りも甘く、
「サクッとクリア出来る雰囲気ゲー」と割り切るにしても色々と物足りない。
それなりに爽快ではあるけど、個人的にゾンビとのバトルはいらなかったと思うなあ。
ジャンプとかで障害を乗り越えて先に進んでいくゲームなんだから、
完全に逃げるだけにしてゾンビ相手の立ち回りに悩ませる作りにした方が面白いと思う。
もしくは、逆にもっとバトルメインの作りにして、
画面内の仕掛けを使ってゾンビをどんどん潰していく内容にするかさ。
昔ながらの2Dアクションに最新の技術やシステムで肉付けしたような発想は良かったし、
つまらなかったわけじゃないだけに色々と勿体無かったぜ。
ちなみにこのゲーム。
特定の遺留品を見つけるとミニゲームをプレイすることが出来る。
全部で3種類あって往年のゲーム&ウォッチを彷彿とさせる内容になっているぞ。
場所は前にまとめた
こちら。1本ずつ見ていこう。

1個目は「レイブン サンダーズ ロック レジェンド」
このわざとらしい実写!
上から音符が降りてくるので、キャラを操作して接触した瞬間にボタンを押すと得点が入る。

2個目はスポーツデイジー。
インストラクターの動きを真似して両手両足に対応したボタンを押すゲーム。
インストラクターが両足を上げたら
右足と左足に対応したボタンを同時に押す、とかそんな感じ。
本体に描かれた鳥山明風味の女の子の可愛さが絶妙過ぎる!
ちなみにミスすると上に表示されている3人のキャラクターが1人ずつ消失していく。
彼らは一体どこへ……。
一定得点取るとインストラクターが突然マッチョになるのもどういうことなの。

3個目はついにデュアルスクリーン&カラー化となったマッドネスマンション。
幽霊がロウソクをつける前に懐中電灯で照らして追い払うゲーム。
ロウソクが一定回数ついてしまうとクトゥルフめいた怪物が出てきてミス。
発色がそれっぽくて綺麗。
3本とも単純なゲームで面白くはないが、
説明文や本体汚れの細かさに内容のそれっぽさは実に素晴らしいぜ。
……ていうか本編と関係ないところに力入れすぎだろこれっ!
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