毎週金曜日にB級映画のレビューを1本更新する連載企画!絶叫B級主義!
今週も超サマーウォーズ級の映画を紹介するぞ!
クモが支配する世界へようこそ!
クイーン・スパイダー!
過去紹介した2本の映画はどちらもパッケージは凝っていたんだが、
これはパッケージの段階であふれ出る手抜き臭!
クモが出てくるモンスター映画らしいがさあこれはどうかッ!
シカゴの廃墟ビルの電力異常の調査に来た4人の電気技師。
地下を調べていると図面には無い謎の扉を発見する。
その向こうは何かの研究室になっており、小型の核融合炉と共に謎の装置が。
放射能マークを華麗に無視してスイッチをいじくってると装置が起動。
その装置は別に世界に通じる扉を開く装置、ポータルだったのだ。
4人はパラレルワールドのシカゴに飛ばされてしまう。
そこは巨大クモとその手下であるクモ人間が支配する恐ろしい世界だった!
そんなお話。
この映画は導入のテンポが良くて助かるね。
電気技師4人組がパラレルワールドに飛ばされるまで5分とかかんねえ。
ポータルが壊れてて元の世界に戻れなくなってしまったので、
クモ人間達と戦っている生き残りの人間達、
そして先にこの世界に飛ばされてきたポータルの設計者である博士と協力して、
クモと戦いながら元の世界に帰れるように頑張る展開なんだけど……。
なんていうか、予算が無いのに
「クモの支配するパラレルワールドのシカゴ」
とか金のかかる設定にしたのがすべての失敗だったねこの映画。
素直に街を巨大クモが襲った!とかにすればいいものを
変にスケールを大きくしたせいで根本部分が滅茶苦茶ムリのある話になってる。
博士によると、
ポータルの制御が不安定なのが原因でさらに別の空間から巨大なクモがやってきて、
そいつらは人間を噛む事でクモ人間に変身させて自分の支配下に置くことが出来る。
人類は必死の抵抗をしたが、クモ人間の増える速度があまりにも多く、
ついに人類の弾薬がつきて(本当にこういうセリフがある)しまった。
クイーンも数を減らして最後の1匹になっているがとても適わない。
ポータルも自分だけでは作れなかったが、
電気技師である主人公が来てくれたから希望が持てる!
……らしいんだけど、まず生き残りの人間達は
クモ人間に世界が支配されているのに食料とかどうしてるの?
最初に博士が飛ばされたのが30年前で、
それからずっと戦い続けているみたいだけど一体どこから。
生き残りの人間達は銃の存在自体を知らないような素振りだったけど
技術レベルはどうなってるんだ?普通に高層ビルが立ち並んでたぞ?
生き残りの人間のアジトが見つからない理由に
「地下深くのアジトだから振動や匂いを感知出来るクモ人間にも見つからない」
とか行ってたけどアジトは普通にビルの地下2階くらいに見える。
火を使うと匂いで気付かれるから食料は全部生って描写があったけど、
そんなに敏感ならちょっと深い程度のアジトなんてすぐに発見されるような。
ここら辺の設定もぜーんぶセリフで説明しちゃってるし、
話が基本的にビルの中だけで進むから世界が云々言われてもねぇ。
これがセカイ系か……。
そもそもクモ人間は普通の人間にツメとキバが生えただけでほとんど人間のまま。
クイーンなんてサイズが人間よりちょっと大きいぐらいだったぞ!?
なんでこんなのに負けるんだよ人類!パラレルワールド軟弱過ぎだろ!
クモ人間は足こそ速いもののクモらしさはカケラも無く、どう見てもただのゾンビ。
クイーンの出番は全部で1分も無いため、クモ映画というよりはゾンビ映画。
やめてくれないか!詐欺パッケージと詐欺タイトルは!
クイーンは顔とケツと手足はクモなんだけど、
胴体だけは人間の女と同じで乳首もあるっていうちょっと面白いデザイン。
この映画唯一のお色気担当でもあるのに1分も出番ないとかひどいよ!
クモも設定も適当なら描写も適当過ぎる……。
ポータルを起動させようとするシーンが何回も挟まるんだが、
むき出しの配線を2本持ってくっつけたり離したりしながら
「くっ……どうだっ……くそっ!繋がってくれ!」
って顔をしかめながら叫ぶだけというひどさ!ポータル関連のシーンは全部これ!
アジトをクモ人間が襲撃に来た!
もうそこまで来てる!早くポータルを起動させて逃げないと!
みたいなシーンでもあせりながら配線をくっつけたり離したり!
ハンダ付けしろ!
クモ人間に博士と仲間がさらわれてしまって、
ポータルを完成させるためにも敵の巣に乗り込むべきだ!倒そう!
でもクイーンの居場所が分からない……ってシーン。
唐突に仲間の一人が「俺が知ってる!」とか言い出して解決。
知っていたのにこれまで教えなかった理由としては、
戦うのが怖かったから的なセリフで説明はあるんだけど……。
巣になっているビルの場所も、進入経路も、
クイーンの居場所がそのビルの4階であることも全部知っているのに
何故そんなに詳しいのかという点は説明なし!おかしいだろ!なんで知ってるんだよ!
ビルもアジトの近くっぽかったし!
ていうか、クイーンを倒せばクモ人間は全員元に戻るって設定なんだから
全力で戦うべきだろどう考えても!複線かと思ったら何も無かった!
登場人物もこれに劣らずみんなバカで、
冒頭の放射線マークをガン無視するのを皮切りに、
怪しげな世界に飛ばされたのにフラフラ歩き回って現金輸送車で金見つけて
「イイイイイイイヤッホーーーーウ!」とか大喜びしたり、
クモ人間との戦いの時に音立てると見つかるって言われてるのに
ショットガンの弾を取りに行きながら
「俺だーーーーー!弾取りに来たーーーーー!」とか叫んで見つかったり、
いつの間にかカップル成立したりでみんな頭悪い。
俺のお気に入りはクレインさんだな。クモ世界で戦っている人間の一人で、
主人公のことを疫病神扱いしてたんだけど段々と信頼するようになって、
最後は主人公をポータルのある部屋に逃がした後に
ナイフ2本持ってクモ人間の前にカッコよく仁王立ち!
そして「かわいがってやるぜ、化け物共!」って啖呵切った1秒後に刺される。
おいしすぎる……。その後も頑張って戦って死ぬ。
「クイーンのアジト俺知ってる!」とか言い出したのもこの人です。
ラストは仲間がバタバタ死んで主人公のディーンと
いつの間にかその彼女になったエレナの二人だけの状況になり、
またしてもむき出しの配線をパチパチやって
「ダメだ!ポータルが起動しない!」とかやってる所にクイーンが登場。
ヤケクソになったディーンがクイーンに配線を突っ込んだら
クイーンが感電爆発死した上にポータルが偶然オープン!
飛び込んでみたら元のシカゴじゃなくて南国の浜辺みたいな場所。
とりあえず二人がチューしてたら
その上をプテラノドンの影みたいなのがよぎって鳴き声が響いて……。
スタッフロール!えぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーー?!
不安定なポータルがさらに別の世界への入り口を開いたってことなんだろうけど
えぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーー?!
またしてもひでぇ映画だったわ!見事な投げっぱなし!
アクションはそこそこ多いんだけど悪い意味での突っ込みどころが多すぎて、
テンポは悪くないんだけどサッパリ盛り上がらない映画だったなぁ。
クモ映画じゃなくてゾンビ映画だしそこでもガッカリ。
結論としてはむき出しの配線は最強ということで。
この映画をセカイ系配線映画と名付けよう。
さて、洋画が3本続いたので来週は趣向を買えて邦画を紹介。
次回予告!
来週も、仁義無き映画レビューに付き合ってもらうぜ!
シーユー!
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