先日購入したヱヴァンゲリヲン新劇場版 サウンドインパクトのレビュー!
ヱヴァンゲリヲン新劇場版?サウンドインパクト-
バンダイナムコゲームス公式サイトエヴァ新劇場版2作を題材にしたリズムゲー。
エヴァのリズムゲーってのはなかなか珍しくて面白そうだったし、
開発がグラスホッパーだから尖った内容になることも期待出来そうだったんだが
なんかちょっとひどかったな……。
6種類のリズムゲームと30曲のアレンジBGMを収録した内容。
プレイヤーはトラック1から30までの全30ステージに挑戦する。
難易度はノーマルとハードの2種類。ノーマルをクリアするとハードが解禁だ。
俺の場合はノーマルクリアするだけなら1時間50分。
ハードまでクリアして5時間程度だった。コンプ目指せばもっとかかる。
6種類のリズムゲームの内容は以下の通り。
・使徒セッション国防軍を操作して迫り来る使徒を食い止めるゲーム。
BGMに合わせてアイコンが流れてくるので、
アイコンとマーカーが重なった瞬間に対応したボタンを押して行く
使うのは○×△□ボタンのみ。
最初に使徒が攻撃をしながら次に流れてくるアイコンを見せてくれるので、
この「お手本」を見た上でリズムに乗って対応する。
ゲームとしてはパラッパラッパーに近いか。
ノリノリで体を揺らしながらリズムよく攻撃してくる使徒がなかなかイカス。
BGMもノリが良いし、システム的に一切斬新さは無いものの、
サウンドインパクトの収録ゲームの中では一番音ゲーらしくてなかなか楽しい。
最後には国防軍の攻撃パートがアリ。
○×△□ボタンのどれかを押すと対応した兵器で国防軍が攻撃。
ダメージでボーナス得点が入る。
ハードクリアした今でもこのパートがよく分からないんだが、
基本的にただ連打してバシバシ弾を発射していればOKなのかな?
ミサイルや砲撃もあるが、何故か拳銃が混ざっていてそれでダメージも与えられる。
使徒に効くんだから神経断裂弾とかそんな銃弾だと思う。
・Call of Fouteen画面左から右に流れてくる波形をアナログパッドで操作し、
画面に表示されているターゲットへとうまく導いて、
重なった瞬間にタイミングよくボタンを押すゲーム。針の糸通しのような内容。
シンジ・アスカ・レイ・マリ・カヲルそれぞれの個別ステージとなっており、
ボタン押しに成功するたびに鼓動の音と共にそのキャラのセリフが再生される。
背景は映画本編映像そのまま。
終盤のマリステージはややリズム要素があるものの、
BGMは環境音楽みたいな味気ないもので、リズム要素も何もあったもんじゃない
映像、音声共にただの本編の垂れ流し。
おまけにカヲルはセリフが少ないせいで途中からセリフがループし始める。
単調な針の糸通し作業でまったく面白くない。
・ATエヴァvs使徒のバトルをリズムゲーム化したもの。
相手のATフィールドを無効化してコアを破壊すればクリア。
画面に次々とサークル状のATフィールドが表示されていくので、
サークル内側の波紋と、サークル外側が重なった瞬間にタイミング良くボタンを押す。
画面左部分のATフィールドは方向キー左。
画面右部分のATフィールドは○ボタン。
虹色のATフィールドは方向キー左と○ボタンの同時押しで対応。
音楽に合わせてリズム良くボタンを押していく単純なリズムゲーだが、
音がショボいせいであまりリズムに乗っている感じがせず、
映像は本編映像の使い回しな上にエフェクト過多で全然映像が見えない。
難易度ハードだと同時押しがやたら多いのでやや操作も辛い。
曲の最後にはエヴァのパンチ連打でコアを破壊するシーンが挟まる。
操作は方向キー左と○ボタンの連打!ガガガガガガッと連続エヴァパンチが炸裂!
連打数でボーナス!
エヴァパンチでフィニッシュは全使徒共通。
以前出たアクションゲームのエヴァンゲリオンバトルオーケストラは
エヴァの初期武装が素手というもので、ヤシマ作戦の内容も
ステゴロの初号機と零号機の2人が正面からラミエルに殴りかかる作戦だったので、
このなんでもかんでもトドメがエヴァパンチなのは
恐らくそれのリスペクトだと思われる。たぶん。
・HEXレイ・マリ・アスカの3人分が存在するリズムゲーム。
真っ赤な六角形が画面を埋めつくしている画面からスタート。
黄色く光る六角形と、画面外から飛んでくる光が重なった瞬間に○ボタン。
複数の六角形が帯状に光っている場合は重なっている間に○ボタンを押し続ける。
まあ他と同じく、マーカーが重なった瞬間にリズムよくボタン押す系のゲーム。
背景が各キャラの名場面映像となっているが、
画面が赤い六角形で埋まりきった状態でスタートして、
ボタン押しに成功するたびに
ちょっとずつ六角形が消えて背景が見えるようになる。
つまりプレイの大半は背景映像がまともに見えない状態となる……。
こちらはボイスも無く、やはり映像を垂れ流してるだけな印象。
・Number5/Beastic girlエヴァ仮設五号機での戦いと、ビースト弐号機での戦いを再現したリズムゲーム。
名前は違うが操作はまったく一緒なので統一。グラフィックは新規に作られたポリゴン。
左右から流れてくるバーが画面中央のマーカーと重なったらタイミングよくボタンを押す。
それだけのシンプルなルール。
操作は左側のバーが中央に来たらLボタンをタイミング良く押す。
操作は右側のバーが中央に来たらRボタンをタイミング良く押す。
長いバーが中央に来たらボタン長押し。バーが左右同時に来た場合は同時押し。
PSPのLRボタンを酷使する内容で少々操作しづらい上に、
エフェクト過剰で背景が見辛いわマーカーが見辛いわで、
難易度の低いノーマルはともかくハードはかなりイライラする。効果音もショボい。
△□×ボタンを押すとマリが喋るとか
そんなお遊び要素入れるよりなんとかならなかったのかここ
ちなみに登場キャラクターで「ポリゴンモデル」が作られているのは
このリズムゲームに出てくるマリだけ。
シンジやレイなど他のキャラはすべて本編映像の使いまわし等で済まされている。
・Teardorpエヴァ3機で第8使徒を受け止めに行くシーンをリズムゲーム化したもの。
初号機、弐号機、零号機の3ステージ分ある。曲は一緒だがアレンジが違う。
グラフィックは新規のポリゴン。
リズムに乗りながらのジャンプで障害物を飛び越えながら使徒の落下地点までダッシュ。
縦長の障害物は○ボタンのハイジャンプ。
横長の障害物は×ボタンのロングジャンプで飛び越えていく。
Lボタンで視点変更して先の障害物を確認出来る。
こっちの方が遊びやすいのでLボタン押しっぱなしになるかな。
あんまりリズムに乗ってる感じはしないが……。
エヴァジャンプで次々に建物を飛び越えていくのは爽快だし、
エヴァの動きやダッシュのエフェクトもいい感じでこれはそこそこ楽しい。
……と、6種類あるが
「マーカーに合わせてタイミング良くボタンを押す」系のリズムゲームばかりで目新しさは無いし、
ボタンを押した時の効果音や感触、譜面もイマイチで、
単純に遊んでいて気持ち良くないものが多い。Call of Fouteenは論外ね。
難易度もバラつきがあって、
使徒セッションはそこそこ面白いんだけど難易度ハードでもヌルヌル。
HEXもヌルヌル。逆にATとNumber5/Beastic girlはハードだと手ごわい。
譜面が難しいというより画面の見づらさのせいなんだけどさ。
曲も同じ曲の別アレンジなどが多いので「一応30曲」というレベル。
「Beautiful World」も入っていない。
「翼をください」と「今日の日はさようなら」が入っているのはポイント高いし、
新劇のゲームなのに旧劇で使われたクラシック曲が
いくつか入っていたりする選曲も結構好き。
ただ、「翼をください」と「今日の日はさようなら」は
使徒戦じゃなくてHEXのレイステージとアスカステージで使用される上に
HEXのレイステージは全30ステージ中の4ステージ目なので、
もうちょっと使いどころを考えて欲しかった。
HEX自体もただの劇中シーン垂れ流しゲームなので、
ハードのレイステージだとシンジがレイを押し倒してるシーンをバックに
「翼をください」でリズムらないといけないし
ハードのアスカステージだとアスカの縞パンをバックに
「今日の日はさようなら」でリズムらないといけない。
こう書くとこれはこれで面白いような気がしてきた。
原作ファン向けのサービス要素で評価出来るとこは
新録されたミサトさんのナレーションによる「予告」がいくつかあるのと、
リザルド画面で色んなキャラが登場してランクによってコメントしてくれるとこかな。
一言コメントだけど加持さんや冬月先生が褒めてくれたり、
失敗するとゲンドウやカヲルくんにガッカリされたりは楽しい。
でも第9使徒セッションで高ランクを出した時に、
「侵食されたエヴァを相手に凄いですね!」って笑顔で言う伊吹マヤに関してはシンジぶん殴っていいぞ。
総合ランクでイラストが開放されていくギャラリーモードもアリ。
一応描き下ろしっぽいイラストもあるぞ!
綾……波?!なんか違和感が!ぽかぽかし過ぎたのか。
こちらはキャラ弁。
何故かギャラリーの画像18枚中5枚がキャラ弁という謎の充実っぷり。
ゲンドウのキャラ弁もあるぞ!
これは恐らくゲンドウとベントウをかけた……。
ギャラリーはイラスト6枚キャラ弁5枚CGイラスト7枚。
全部は出してないんだけどイラストは5枚が綾波メインという偏りっぷりで、
上の画像はまあ……。
一番ぽかぽかしたものを選んだんだけど全体的に質は微妙。
CGイラストもエヴァ5体が気を付けをしてるだけのものとか、
咆哮してるビースト弐号機の口のアップとかなんかアレなのが多い。
Teardorpと使徒セッションは結構好きだし、
エヴァパンチとか拳銃発射とかのバカっぽい演出やラストステージの転調演出もいい。
なんだかんだで楽しめないことは無かったんだけど全体的にあまりにもショボいね。
エヴァゲーとしても音ゲーとしても作りこみが甘い。
エヴァゲーとしてなら
デジタルカードライブラリみたいにネタ方向に走ったミニゲーム集にしてもいいし
マジメにやるなら64版みたいなアクションメインにした内容でもいい。
「劇場版の映像を使ったエヴァ音ゲー」という方向でいくなら
演出にしろシステムにしろもっと凝るべき。
現状だと映像とボイスを垂れ流しにして
音ゲーっぽいシステムをくっつけただけにしか見えない。
尖った内容で取っ付きが悪いとか、挑戦しようとして失敗したとか、
そういうのじゃなくて本当に無難に物足りない無難にダメなキャラゲーといった内容。
これを定価6280円で売るのはさすがにちょっとひどい。
素直に劇場版のBDを買った方がいいレベル。
「キャラゲーとはそういうものだ、シンジ、大人になれ」
というゲンドウの声が聞こえてきそうな内容だったぜ。
980~1980円くらいに値下がりした時に
あんまり期待せずに買えばそれなりに楽しめると思うが、
俺みたいに「面白いのかな?どうかな?」
って気持ちで定価近くで買った人間は……笑えばいいと思うよ。
キングレコード (2010-05-26)
売り上げランキング: 334