ゲームは一人前になって旅に出ることを夢見ながらパン屋さんで働くボニーちゃんが、
誕生日プレゼントにおじいちゃんからブランチワゴンのキーを渡され、
お小遣いを稼ぎながら1人旅に出ることになるシーンからスタート。
いくら可愛い子には旅をさせろと言ってもいきなり突き放しすぎだろじいちゃん!
5つの街を旅する構成で街1つに10ステージ。合計で50ステージのボリューム。
特定の条件をクリアすることで車の外観を変えられるやりこみ要素などもある。
ゲームの基本ルールは単純。
上画面にお客さんがやってくるので
下画面をタッチして料理を盛り付けてスライドして出す!
お客さんは1画面に最大4人までやってくる。
注文がクロワッサンだったらクロワッサンの入ったバスケットをタッチしてスライド!
バターのかかったクロワッサンだったらバター、クロワッサンをタッチしてスライド!
お客さんを待たせると機嫌のゲージが下がっていき、ゲージが無くなると注文をキャンセルして逃亡。
機嫌のいい状態で料理を差し出さればチップがもらえて得点にボーナスが付く。
営業時間終了時の得点によって3段階の評価がされるのだ。最高は星3つね。
序盤はクロワッサンとドーナツとトッピングくらいなので、
「クロワッサン!タッチ!スライド!へいお待ち!」
「クロワッサンにバター!タッチ!タッチ!スライド!へいお待ち!」ってな感じで軽いもんだが、
ゲームが進むとワッフルメーカーやクッキングヒーターなどの新しい調理器具に
コーヒーやミルクや野菜などの食材がどんどん追加。
ウインナーや目玉焼きなどは
クッキングヒーターで焼かないといけないので出来上がるまでに時間がかかる。
ワッフルメーカーで作れるワッフルもそうだし、
器具一つで作れる食材は2~3種類くらいあるので、
「四角いワッフルを焼いてる時に丸いワッフルの注文が来た!」なんてことになるとかなり時間のロス。
ゲームが進むと調理器具がパワーアップして
完成まで時間のかかる食材を2枚、3枚と作り置き出来るようになったりするんだが、
客の注文もそれに合わせて複雑化するので……これは……むしろ難易度上昇!
キャンディメーカーという特殊な装置もあり、
これはお客さんの機嫌を回復出来るキャンディを出せる装置。
キャンディが出てくるまでに時間が掛かるが頼もしい味方だ。
終盤ではこれだけの食材と調理器具を使って注文に応えていくことになります。
これはボニーちゃん1人で回すのは明らかに無茶……ッ!
ここまで来ると
「チョコブレッド(出来るまで時間掛かる)」に「野菜」と
「ウインナー(出来るまで時間掛かる)」を挟んで「コーヒー」を付ける!みたいな注文を客が普通にしてくるようになり、それが最大で4人!頭がパンクしそうになるぜ!
お客さんも個性が強い。
明らかにローカライズ担当が先走った感たっぷりのシェフ・カワゴメは美食評論家。
機嫌がいい状態で料理を渡すと他のお客さんの機嫌を回復させてくれる。
逆に機嫌ゲージをゼロにしてしまうと他の客も全員キャンセルして逃亡してしまう。
これは他の一般客の注文なんて後回しにして評論家センセイのご機嫌を取らないといけませんね!
くちゃいおっちゃんは臭いから来ると他の客がイライラして機嫌が悪化!
タイトルロゴは可愛いゲームなのにとてつもなく生々しい要素だぜ……。
2人とか3人続けてくる時もあってそうなるとかなりピンチに。本気でイラッとするぜ!
最高なのがセレブ。
やってくるだけで他の客の機嫌が回復!あんまり複雑な注文もしてこない!
セレブで回復したところに他のセレブがやってくるセレブグランドクロス現象もあったりするので、
プレイしてるともうセレブだけがいる世界に行きたい!と心の底から思いますね。
ていうかボニーちゃんは旅してるんだからセレブだけの街に行きましょうよ!
貧乏人なんか相手しても注文はめんどくさいし機嫌は損ねやすいしでいいこと無いですって!
遊んでいるとこんな思考に支配されてくる……。
なんて生々しいリアリティに溢れたゲームなんだ……。
見た目は可愛いのに心が荒んでいくぞ!
最初は反射神経だけでホイホイと対応していけばOKのゲームだが、
星3つを目指して進めていくとかなりの対応力が必要になってくる。
ある程度の先読みをしての作り置き、客の特徴を踏まえた料理作りの順番、キャンディの使い所の見極め。
ステージ毎にお客さんの注文する料理にパターンもあるのでそこもある程度覚える必要がある。
これが忙しいんだけどとにかく楽しい。
効率良い行動を模索して何度もプレイしてると
今にも帰りそうなカワゴメの口にキャンディを3連続でシュゥゥゥゥーーーートッ!
機嫌を最大まで回復させてから料理を渡すことで周りのお客さんの機嫌も回復!
キャンディを客の口に放り込むと同時にマシンを叩いて次の弾をスタンバイしておくのも忘れないッ!
作り置きは2個出来る時なら1個まで、3個出来る時なら2個までにしておいて
どんな注文が来ても対応できるようにしておく!
時間の掛かる食材を焼いてる間に、時間の掛からない食材を皿に盛り付けておく!こういう小ワザの積み重ねを頭より先に体がやっていることに気付く!
遊んでいて自分の上達が実感できるぜ。
ついでに飲食業の大変さも実感できる!
各エリアの最終ステージはボーナスステージ的なラッシュステージ。
切れ目無く並んだお客さんを1人ずつ応対。
機嫌の概念はなく、通常は時間の掛かる食材も一瞬で完成するルール。
ここはとにかく単純なスピード勝負で違った面白さがある。
常にボニーちゃんとお客さんの日本語ボイスが響きわたる明るい雰囲気もいいね。
ボニーちゃんはCVかかずゆみだし、ローカライズは丁寧だと思う。
ネットスラングをちょいちょい挟んでるのはちょっとどうかなという気はするが……。
まあ、一度に作れるワッフルが3つになるんだから
ワッフルワッフル!って叫ぶこと自体はおかしくないよね!
夢もひろがりんぐはアウトーーーーーーーーー!
間違いなく値段以上の価値がある凄いゲーム!……と、言うほどではないが、
立体視非対応なのがちょい残念なくらいでこれといった欠点も無く、小粒ながらしっかりまとまってる。
子供っぽい見た目とは裏腹に手応えのある一品。
やや難しさを強調しすぎてしまったかもしれないが、
星3つを目指さなければ気軽に最後まで楽しめる難易度だし、
新しいお客さんの登場や新しい調理器具の登場タイミングのバランスが良いので、
急激に難しくなったりはせず、常にほどよい忙しさのままゲームが進んでいくぞ。
忙しいゲームだが明るいノリと個性的なキャラにはホッと癒される。
まあ終盤戦はかなりキツし、特に4-9がぶっちぎりで地獄なので
ここで星3つを目指すならボニーちゃんの精神を宇宙と一体化させるくらいの気持ちで挑んでもらいたいが
「セレブ早く来てくれーーーーーーー!」って叫びながらクリアしましたよここ。
魔女と勇者、ガンマンストーリー、ゲキヤバランナーに続いて4作目となる今回もアタリ。
恐るべし安打っぷり。フライハイワークス。