更新停止中の双葉理保の誕生日のこと。
深夜、というか6時前だったからもう早朝だったな。
俺が近所の自販機にコーヒーを買いに行こうとしたら
自販機の手前で何かブツブツ言いながら歩いているおっさんが視界の端に。
長年生きてきたが自分の家の近くでこういう人を見かけるのは初めて。
地球温暖化の影響による生態系の乱れを感じざるをえない。
ヤバそうだなあと思いつつ距離を置きながら自販機でコーヒーを購入。
家に戻るにはルート的におっちゃんの近くを通らないといけないので少し悩む。
迂回して家に戻るかこのまま戻るか。どうする。コマンド?
まあ、植物のように静かに歩けばスルーされるだろうと。
鷹をくくっていたらすれ違った瞬間に見事に話かけられました。
「兄弟っ!寒いなぁ~!」
「ええ……寒いっすねぇ」
今思うとここで返事を返したのがマズかったかもしれないが、
話を聞いて見るとどうも普通の酔っ払いのようだ。
息が酒くさい。右手には火のついていないタバコ。
酔っ払いだけあってやたらテンションが高い。
「よおお前!心配すんな!心配すんなよ!俺は神だからよぉ!(ここで両手を広げる)」
すげぇ、自分のこと神って言い張る酔っ払いは実在したんだ!
初めて見た。フィクションではなかったのだ!
そんな調子で男はこう生きろ、女は逃がすな、というようなことを語り始める。
聞きながら家に向かって微妙に歩を進めるが、
そうするとおっちゃんも微妙についてくる。
家までついてこられたら困るので立ち止まって話を聞くことにした。
ヤツらに地球の位置を知られるわけにはいかない!ってやつだな。
まあ面白いからもう少し話を聞いてみるのもいいかなと。
だって神と対話出来る経験なんて稀だぜ。
「西郷隆盛先生だよ!刀持って自分の腹を切ろうか……切らないか……悩む!
暗いよな!男だよなぁ!男だ!あんなふうに……なりたくはないな!
やっぱこう、サウナで暖か~い、そういうのだよな!」
西郷どんも飛び出す。
「俺なんでも分かるからよ!年当ててやるよ年!…………20だろ?!」
さすが神だ。俺の年齢は25。
「25か……おう男らしくな!人生の先輩の言うことを聞けよ!
俺60でよ、60と25のどっちが偉いよ?!」
「60です」
「そうだよぉ~!お前素直なヤツだな!」
世の中これだからよ!(指で金のマークを作る)
「これですよね(俺も金のマークを作る)」
「おう!困ったことがあったら○×♯(聞き取れず。新宿の近く?)まで来いよ!」
5分くらい話こんで、キリの良いところで
ありがとうございましたと礼を言って分かれた。
面と向かって励まされると、酔っ払いの戯言でも不思議と元気が出るものです。
しかし心配すんな!とか金貯めろよ!とか女を逃がすな!とか
当時の俺の状況を端的に表現していたので、
あのおっちゃんは本当に神だったのではないかと今になって思うのです。
神との遭遇でした。
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