絶対SIMPLE主義

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この歴史には血が通っていない「ビットマン」

THEヱクソシスターの前に書きかけだったビットマンレビウを完成させとく。

ビットマンは公式によるとジャンルはズバリ「ビデオゲーム歴史アクション」。
タイムマシンで過去の世界からやってきたドットのモンスターが、
主人公である3Dで次世代なキュービーとその仲間達を次元の狭間に連れ去ってしまう。
仲間を助けつつ、元の128bitの世界に戻るために奮闘するというストーリー。

4bitのビットマンからスタートして、
8bitのビットマンII、16bitのスーパービットマン。
32bitのビットマン3D、64bitのビットマン64、128bitのビットマンWiiと、
先に進むごとにゲーム自体のスペックが上がり、
システムやグラフィックがどんどん変化していくのが最大の特徴だ。
最初は粗いドットだが、進むに連れて色数が増えて3Dに!ポリゴンに!
まさに体感するビデオゲーム進化の歴史!
7種類のビットマンはすべて独立した内容になっていて、メニューで選択が可能。
各7ステージで、全ステージクリア時に
ハイスコアを出してランキングに乗れば次のゲームがアンロックされる。
ビットマンクリアでビットマンIIへ。ビットマンIIクリアでスーパーへ。

ゲーム自体は昔ながらのドットイートゲーム。
敵を避けながら画面内に散らばった仲間をすべて回収すればステージクリア。
時折現れるフルーツを取ればボーナス。
1ステージは前半と後半に分かれていて、
後半戦では各ゲームごとに違ったルールが追加される。
例えば8bitだったら後半戦になると画面端がループするようになったり、
16bitだとゲームスピードが上昇したり、
128bitだと2ボタンで剣による攻撃が可能になったりとバラエティ豊か。

ゲームの進化の歴史をそのまま体験できてしまう!
という豪快なコンセプトは非常に面白い。これは素直にアイデア賞。
ただ、ゲームとしてはかなり厳しい。

敵モンスターの動きが完全にランダムなため、プレイが非常に単調。
ドットイートゲームで敵の動きがランダムとかかなりどうしようもない欠点。
これが4bitから128bitまでまったく変化がしないのが本当に辛い……。

一応、ステージごとに変化がつくのが特徴だが、
ハッキリ言ってしまえば「劣化パックマン」と
「画面の綺麗な劣化パックマン」の2種類しかない。
後半戦になるとスピードのあがる16bitはまあ面白かったが、
全体的にとってつけたようなシステムばかりで
基本はダラダラとしたドットイートゲームだ。
特にダントツで酷いのが128bit。
敵を剣で攻撃可能になるのはいいんだが、
規定数倒さないと仲間を全部回収してもクリアにならない。
倒さないといけない数が何十体とかで、
しかもいっぺんに出てくるわけじゃないので敵の巣穴近くで待たないといけない。
リモコン振りで段差に登れるのもウリだが、
段差に登ってるとほとんど無敵なのでもはやゲームとして成立してない。

基本的に、見た目だけでほとんど進化はしてないんだよねビットマンって。
16bitは拡大縮小機能を使うようになった。
32bitはグラフィックがポリゴンで読み込みが入る。
64bitは読み込みがなくなってポリゴンが綺麗になる。
128bitはリモコンを使ったギミックがある。
確かに分かりやすく特徴的ではあるが、ビットマンはそこで止まってしまっている。
見た目こそ違うもののどれも似たり寄ったりのドットイートゲーム。
ゲームの歴史を再現するのなら、ジャンルそのものが全然別モノになるくらいに
アイデアやギミックを散りばめるべきだった。
この歴史には、上っ面だけで血が通っていない。

グラフィックの進化だけがゲームの面白さではないということを証明するために
あえてやっているという読みも出来なくはないんだけど、
仮にそういう意図でやってるとしてもセンスがあんまり感じられない。
だって全部面白くないんだもの!

個人的にはデカキャラがいないのが一番許せない点だな。
ゲームの歴史はデカキャラの歴史でもある。
PCエンジンのロンチタイトルのTHE功夫は
これまでのハードとは一線を画すキャラのデカさでインパクトを掻っ攫ったし、
スーパーファミコン第一弾だったスーパーマリオワールドでも、
一面から超巨大なアトミックキラーを出して度肝を抜いた。
シューティングでもR-TYPEの巨大戦艦ステージは有名だし、
移植ではそこをどう再現するかがポイントにもなっていた。
3Dのアクションゲームが当たり前になった現代でも
「デカいキャラが出るかどうか」ってのは非常に重要になっている。
進化して性能が上がる=デカいキャラが出せるようになる、出す!

ゲームの進化はデカキャラの進化!
にも関わらずそこを押さえていない時点でこのゲームはダメだッ!

グラフィックも凝ってるようであんまりそれっぽくないんだよなあ。
32bitはプレステやサターンというよりは単にPCのローポリゲーか何かに見えるし、
16bitだってもっと色鮮やかだったはず。
どのverでも最初の名前と残機数表示が一緒なのも地味に気になる点。

500円のゲームとしてはかなり頑張ってるとは思うんだ。
ほとんど同じとはいえ7種類のゲームを詰め込んであるんだしね。
これ以上凝って1本1本を作りこむとなると500円じゃ厳しい。
音楽やノリも良いし、各ビットマンのロゴなんかはパロディとしてよく出来てる。
特に16bitのとか!スーファミ時代にああいうロゴのクソゲーあった!
しかしゲームとしてはサッパリだし、ゲームの歴史体感モノとしても中途半端。
コンセプトは文句ナシに素晴らしいだけに
どうしても評価は厳しくなってしまう……惜しい……。

時代別に7種類ゲームを用意するんじゃなくて、
一つのゲームの中でどんどん進化していく内容の方が良かったんじゃないかなぁ。
価格的にも規模的にもさ。
フリーシューの「GENETOS」みたいに、
自機とステージと敵にそれぞれ進化ゲージがあって、
アイテムの取り方や敵の倒し方でどんどん変わっていくみたいな。
ドットとポリゴンが入り乱れた画面になるとか。
そういうのの方が見た目も良かったんじゃないかと。

材料は揃ってるんだからカレーを作ればよかったのに、
ご飯とカレー粉とじゃがいもとタマネギと豚肉と
ニンジンを並べただけの料理にしてしまったのがこのビットマンだと思うわ。
別にカレーじゃなくて肉じゃがになってもいいのでしっかり煮込むべきだった。

ちなみに元ネタであるパックマン。
ドットイートゲームから始まって8bit機では横スクロールのアクションに進化。
16bit機では横スクのままアニメ的な美しいグラフィックになり。
32bit機ではドットを食べるという要素はそのままに3Dのポリゴンアクションゲームに
その後もオリジナルに近い内容でありつつも対戦に特化したソフトが出たり
3Dアクションのまま進化させたものが出たり、wiiでリモコンを使った作品が出たりして
最後に原点回帰にして大傑作のパックマンチャンピオンシップへと到達。
当然だがビットマンより本物の歴史の方が何倍も面白れぇ。




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[ 2010/06/23 06:47 ] Wiiウェアレビュー | TB(0) | CM(5)
そういえばパックマンのモンスターって一匹一匹に個別の性格がプログラムされてたんだよね。
小さなことだけど偉大な発明だと思う。
[ 2010/06/23 13:19 ] [ 編集 ]
フランス人Pがしゃべるプロモーション動画
妙なグルーヴ感でやたら面白かったけど
紹介してるものはダメ臭がすごいなぁと思ってたらやっぱり・・・
[ 2010/06/24 04:25 ] [ 編集 ]
googleトップのパックマンすごかったなー
[ 2010/06/24 15:38 ] [ 編集 ]
>gさん
>そういえばパックマンのモンスターって一匹一匹に個別の性格がプログラムされてたんだよね。
>小さなことだけど偉大な発明だと思う。
そうそう、ちゃんと個性があったんだよ。
そこをリスペクトしなきゃダメだよビットマンは。

>ぞふさん
>フランス人Pがしゃべるプロモーション動画
>妙なグルーヴ感でやたら面白かったけど
>紹介してるものはダメ臭がすごいなぁと思ってたらやっぱり・・・
発想は悪くないんだけどね……。

> さん
>googleトップのパックマンすごかったなー
結局一回もやらないままだった
[ 2010/06/27 05:09 ] [ 編集 ]
上でコメントされてる方とは別人ですが
https://www.google.com/doodles/30th-anniversary-of-pac-man
まだやれますよ。
[ 2014/03/18 18:38 ] [ 編集 ]
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