
風ノ旅ビトのレビュー行くぜ!
風ノ旅ビト | プレイステーション® オフィシャルサイト風ノ旅ビトはSCEから1200円で配信されたPS3用のダウンロードタイトル!
2012年の3月のタイトルで、賞を取ったりなんだりとあらゆる場所で絶賛された作品だ。
PS3買ったらやりたいと思っていたゲームの1本でちょっと前にやっと遊んだよ。
で、これが……凄く面白かったんだけどとにかく内容の説明が難しい!
何を言ってもネタバレになりそうというか、
先入観無しでプレイしないと魅力が薄れてしまうゲームだと思うんでね。
プレイ経験者がネタバレに気をつかっている理由や
公式サイトが有名人や製作スタッフからの抽象的なメッセージばかりで
なんだか胡散臭いサイトになってしまってる理由もよく分かった。
人を選ぶとは思うが、タイトルや公式のPVやスクショの雰囲気とかでちょっと気になってる
という人は何も見ずに迷わず買うべき。
別に、凄い伏線や凄いどんでん返しのシナリオがあるとかそういうわけではないのだけど、
どういう内容かも分からずに先入観無くプレイした方が絶対面白いゲームなのでね。
プレイ時間は短いので、
「よーし!なんだか分からないゲームを遊ぶぞ!」くらいの気持ちで休みの日にゆっくりプレイしてもらいたい。
と、ここでレビューを終わりにすると俺は凄く楽なのだが
そういうわけにも行かないのでどんな感じのゲームかはレビューしておこう。
なお、風ノ旅ビトのレビューと見せかけて
途中からファミコンの時空の旅人の話をするというボケは
かなり書いてからやっぱり全部ボツにしました。
風ノ旅ビトはピカピカしてるでっかい山が遠くに見えるのでそこを目指して進むだけのゲーム。
アクション要素やパズル要素みたいなものはまったく無い。
あちこちに隠されたシンボルを探す要素はあるし、
フィールドもある程度の広さはあるが基本的に一本道。
チュートリアルなどを除いてゲーム内に文字はまったく登場しない。
操作も移動、ジャンプ、ジャンプボタン押しっぱなしで一定時間浮遊、
音を出す、音を出すボタン長押しで仕掛けを作動させるの5つくらいとシンプル。
シンボルを取ると滞空時間が伸びるなどの軽い成長要素もあるが、
一切取らなくても苦労する箇所は無い。
難しい要素は一切無く、とにかく先に進むだけの内容だね。
プレイしてまず圧倒されるのが美しいグラフィック。
光の表現に神秘的な建造物、風の勢いでまるで水面のように波打つ砂の表現など、
カメラをどう動かしても画になるのが凄い。
単純な綺麗さではなく作り手のセンスがビシバシと伝わってくる。
踏みしめる砂の音にまで耳を澄ましたくなる世界。

イェーイ!旅ビトちゃんのパンチラゲット!
なんたるエロス!どう動かしても画になるはちょっと言い過ぎでした!
いや、「カメラをどう動かしても画になる」って意見に
この画像で反論するヤツがいたらぶん殴っていいと思うけど。
歩いているとプレイヤーキャラと同じようなヤツがウロウロしているのが目に入る。
あまりにも自然に出現するので最初はCPUかと思うが、
実はこれがオンラインで繋がっている別のプレイヤーが操作している。
チャットなどメッセージをやり取りする機能は無いので、
ボタンを押して『ポン』と音出してなんとなく会話っぽいことをするしかない。
こっちの『ポン ポン』という音に『ポン ポン』と返してくれた時がちょっと嬉しかったり、
訪れる場所がどこも素敵なので寄り道してから進もうとしたら
道の真ん中で待っていてくれた時がちょっと嬉しかったり、
『ポポポポン』と連続で音を出してシンボルのある場所を教えてくれたのがちょっと嬉しかったり。
この音と動きだけのやり取りで顔も名前も知らない相手と旅をしていくのが凄くいいんだよね。
コミュニケーション手段が最低限だからこその感覚だと思う。
テキストで一切語られない世界観やストーリーを想像しつつ、
一緒についてくる相棒が今何を考えているのか想像しつつ、ひたすら先に進んでいく。
饒舌なシナリオも、強力な敵も、頭を悩ませる謎解きも無い。先に進んでいくだけの内容。
これがゲームかどうかと聞かれたら間違いなくゲームだと答える。
コントローラーでキャラクターを操作し、
3Dで表現された見たことの無い世界をオンライン越しにいる誰かと一緒に歩き、
美しい世界に息を呑み、そこで出会う様々な事象に驚き、感動し、そしてまた歩く。
間違いなくゲームという媒体でしか表現できない内容で、
これを「雰囲気ゲー」っていうありきたりな言葉では片付けたくない。
オンラインの使い方も含めて、
ゲームシステムを絶妙な感覚で限界までシンプルにそぎ落としたからこその魅力。
ここではないどこかを、ここにいない誰かと旅するゲーム。
それだけの内容で、それが何よりも素晴らしい作品だった。
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