ゲーム&ワリオのレビュー行くぜ!
ゲーム&ワリオ 公式ゲーム&ワリオは任天堂が3月28日にWiiU用として発売したゲームパッド専用ゲーム集。
メイドインワリオの流れを汲むソフトで
「アロー」「スケッチ」「ディスコ」「シャッター」「パイレーツ」「ゲーマー」
「カンフー」「パッチワーク」「スキー」「タクシー」「デザイン」「アイランド」
「アシュリー」「ボウリング」「バード」「フルーツ」の16種類のゲームが収録されている。
そのうち、マルチプレイ専用ゲームは4種類だ。
ゲーム事に設定された収集要素やハイスコアに挑んだり、
ゲームを遊ぶと稀に手に入るメダルで「シャカポン」というガチャガチャを回したりする内容。
CMだと何故か対人用の「ディスコ」を推していたが、1人プレイがメインと言っていい。
あのCMは無いわー。とびだせどうぶつの森に例えるなら
「南の島で他のユーザーとオンライン対戦!」とかCMするくらい無いわー。
明確にクリア!ってのが無いゲームではあるんだけど、
とりあえずシャカポンは全240種類コンプして一人用ゲームも全ステージクリア。
アシュリー、カンフー、シャッター、スキー、ゲーマー、タクシーは
やりこみの目標として設定されたハイスコアをすべてクリア。30時間ほど遊んだわ。
俺はメイドインワリオ自体も好きなんだけどミニゲーム集みたいなのにも目が無くてね。
おかげで定期的に大火傷ですよ。どんだけスポーツ101だのみんなの縁日だの。
本作はとにかくゲームパッドを使ってバカなことをやるぞ!という気合に溢れた意欲作。
収録ゲームで素晴らしいのは前にも絶賛した「ゲーマー」だね。
ゲームパッドで「操作が方向キーとAボタンだけの単純なプチゲームに連続で挑戦する」
という従来のメイドインワリオと同じ内容のゲームを遊びつつ、
TV画面の方でお母さんがやってきたら
LRボタンを同時押ししてゲーム機を隠して寝たフリをしてやり過ごすゲーム。
プチゲームは4回ミスしないとゲームオーバーにならないが、
お母さんに見つかると一撃でゲームオーバーになるのが怖すぎる。
お母さんの行動も最初は
「外からゆっくり近づいてきて窓を開ける」
「突然TVが点いてその中からお母さんが出てくる」とか常識的なレベルなんだけど、
どんどんエスカレートしてフェイントやアクションが凝った物になっていく……。
このゲームパッドで遊びつつTV画面にも注意を払わないといけない緊張感が物凄い。
ヘタなホラーゲームよりよほど緊張感が上だ。ゾンビUに並ぶ恐怖感。ゾンビよりお母さんが怖い。
ただ寝たフリをしまくればいいというわけではなく、
お母さんが見てない時に寝たフリをするとゲージがどんどん下がっていって、
ゲージがゼロになると本当に寝てしまってゲームオーバー。
なので、お母さんをギリギリまで引き付ける焦らしプレイを強行しないと
クリア前に寝てしまうというのがまた上手い。
エンドレスモードでは
「ギリギリで寝たフリするとゲージ回復」という要素があるので更にアツいぜ。
お母さん要素無しでプチゲームだけを遊ぶモード……。
つまり、従来のメイドインワリオと同じ形式で遊ぶモードもあるんだが、
従来のメイドインワリオと同じはずなのにこれがあんまり面白くない。
通常モードの緊張感が凄すぎて物足りなくなってしまうのだ。
一度遊ぶとお母さん無しでは満足できない体にされてしまう恐ろしいゲーム。
WiiUゲームパッドをしっかり活用していて、それでいてバカで面白い。
ゲーム&ワリオを語る上で絶対に避けて通れない1本だな。
「シャッター」も面白かった。
指定されたターゲットを撮影するゲームで、カメラとなったゲームパッドをTV画面に向けてプレイ。
5人いるターゲットはプレイする度に変化。
もちろん、ただ撮影するだけでなく、目線や全身が収まってるかどうかで得点も変わってくる。
ターゲットの動きに合うようにゲームパッドを少しずつ少しずつ傾けて……。
ズームして…ズームすると手ブレが激しくなるのでなんとか補正して……。
全身と表情がちゃんと写るように調節して……撮影!
しまった!ピントが合わなかった!
しまった!調節してるうちにターゲットが画面外に出てしまった!
みたいな。
この本当にカメラで撮影しているような感覚が素晴らしく面白い。
動く電車内からの撮影となり、マップも格段に広いステージ5が特にいい!
難易度が高い分、頑張ってターゲットを見つけ出して撮影する楽しさが全然違うぜ。
これはWiiリモコンや3DSのジャイロセンサー操作ではムリだね。
画面のついたコントローラーをTV画面に向けて遊ぶからこその1本。
任天堂はこのシステムでポケモンスナップを今すぐ作るべき。2億本は売れる。
D3パブリッシャーはこのシステムでTHEスナイパーを今すぐ作るべき。俺は買う。
ターゲットに関係ない看板とかを撮影してもメッセージが出る小ネタも嬉しい。
魚好きなのか……人は見かけによらないな……。
タイトル画面のインパクトが凄すぎるアシュリーは2Dの強制横スクロールゲーム。
ゲームパッドを左右に傾けてアシュリーを操作してする。
敵は軸を合わせれば自動でアシュリーが攻撃してくれるので、
プレイヤーは障害物の回避と、空中を浮いてるボール状の魔法力をキャッチすることに専念する。
LRボタンでの宙返りを織り交ぜながら
魔法力を次々にキャッチしていく感覚はなんだかナイツを思わせるぜ。
魔法力を取り続けるとコンボ倍率が上がっていくが、1個でも取り損ねると倍率リセット。
敵や障害物に対応する緊張感の中、
コンボ繋げて得点をバリバリ稼いでいくのは安定した面白さがあるね
発動すると画面内の敵を一掃してすべての魔法力を回収するボムも爽快だ。
まあ、正直ゲーム自体はwiiでも作れそうな内容なんだが、そこでこのタッチ要素!
ここですよ!WiiUの底力は!
障害物にぶつかりまくるとアシュリーが機嫌を損ねるので
ゲームパッドに表示されたアシュリーをなでで機嫌を回復させるとか、
マイクに息を吹きまくるとアシュリーのスカートがめくれて睨まれるとかあざとさ炸裂!
今回の任天堂はかなり直球ですね……。
アシュリーはこんだけプッシュするのにワリオはゲーム内でも徹底してdisるという。
主人公なんですけど!!!!!
ワリオは自分で会社設立して自分でゲームをプログラムして売って大もうけしたり、
宝探しに出かけたりと、いつも自分のやりたいことを好きにやってて、
マリオより人生楽しんでるように見えるとこがとても魅力的だと思う。
冒険に出かけるのがマリオで、進んだ道が冒険になるのがワリオって感じで。
それでいてうんこネタとか子供受けする要素もバンバン出してくる。
「タクシー」もお気に入り。
名前の通りタクシー運転手となるゲームで、
TV画面にはステージの全景、ゲームパッドにはタクシーから見た視点が表示される。
TV画面を見て客の位置を確認してそこに向かうわけだが、
客はUFOにさらわれそうになってるのでまずバズーカでUFOを撃ち落とし、
落下した客を拾ってステージ中央の建物に運べば得点となる。
客が地面に落下する前にタクシーでキャッチするとボーナス。なんかファミコンっぽいボーナスね。
ステージのグラフィックはなんか塊魂のようなマインクラフトのような……。
基本は出現したUFOをTV画面で確認。撃墜して客を拾うの繰り返しだが、
主観視点でマーカーが表示されてる場所にバズーカをぶち込むとボーナス宝箱が出現する。
ステージ1はほとんどTV画面だけ見てればOKだが、
ステージ2と3はかなり入り組んだ構成なので、両方確認しつつ走らないとハイスコアは難しい。
制限時間が過ぎるとUFOが撤退してボスの巨大UFOが登場!
巨大UFOはレーザー攻撃を避けながら砲台をすべて破壊するとコアが露出するので、
さらに飛んでくるレーザーを避けながらコアを破壊すれば撃破完了だ。
THE地球防衛軍じゃねーか!
ボス撃破後に落下する星を全部回収するか、時間切れでゲーム終了。
ステージの構造を頭に入れて走りまわりながらUFOを主観視点でのバズーカで撃墜し
客を上手く回収しつつ隠し宝箱を見つけだし、レーザーを避けながらの巨大UFOとの大決戦。
このカツカレーに焼きそばとウインナーがついてくるみたいなB級特盛りっぷりがたまらん!
こんなの俺が好きに決まってるじゃねーか!忙しくてすげぇ楽しい!
「パッチワーク」はピースを型紙にはめて形を作るパズルゲーム。
全90問と普通にDLソフトで売れそうなボリュームで、内容も単純ながら延々と遊んでしまう。
ゲームパッドだけでも遊べるのがいい。
「バード」は初代メイドインワリオからお馴染みの「PYORO」をゲーム&ウォッチ風にしたもの。
TV画面には綺麗なグラフィックが表示され、ゲームパッドにはレトロなグラフィックが表示。
ルールは昔と変わらず、ベロを伸ばして落下してくる種をひたすらキャッチする内容。
高い場所でキャッチするほど高得点。
ゲーム&ウォッチ風になったことでベロの軌道が薄く画面に表示されるようになり、
オリジナルに比べて格段に高得点がとりやすくなったのが特徴か。
200円のDLソフトとして単体で販売されるくらい面白いゲームだったので問題なく楽しめるが、
最初が「PYORO」でDL版が「鳥とマメ」。今回が「バード」ってどんどん名前が簡素になってるな……。
16種類のミニゲームとは別枠で収録されているミーバースケッチも面白いアイデア。
他のユーザーからのお題を受信してお絵かきをするモードで
設定時間が過ぎると書いてる途中でも強制的にミーバースに投稿されてしまうという過酷さ!
小学生のお絵かきとかも混じってるのが非常に楽しい。
お題はキャラの名前とかより「外国人」とか漠然としたお題の方が
描く人の個性がハッキリ出るので見てて面白いね。
まあ……俺は強制的に投稿されるのが怖くて一度もプレイしてないんだけども……。
ゲームでゲットしたメダルで回すシャカポンも凄まじいひどさ。
ゲームのヒントカードや一発ネタツールみたいなのが出てくるんだけど、
以前紹介した
「ゲームパッドに表示された小豆を左右に傾けて波の音を作り、
カップルの別れ話を盛り上げるツール」以外にも出オチのバカツールが満載。
「ゲームパッドにタッチペンで行き先を記入し、
TV画面に表示されてる車に見せてヒッチハイクをするツール」とかね。
種類が多いのは、表示された電話番号を入力するとある人物に繋がる電話番号シリーズ。
10種類以上あってどれも完全に出オチだが、
繰り返し電話すると微妙に内容が変わっていくのが細かい。
影絵プロジェクターの「それWiiU使う意味ないですよね?!」っぷりはいろいろ限界だと思った。
というわけでゲーム集として光る部分も多いし散りばめられたバカ要素も素晴らしいんだが、
欠点はなんと言ってもボリュームだねえ。
俺はコイン稼ぎプレイ含めて30時間くらい遊んだけど、
ハイスコアやシャカポン無視してボーリングのレベル3以外の全ステージを
とりあえずクリアするだけなら6時間くらいで終わると思う。
ボリュームや難易度もかなりバラ付きがあり、
パッチワークはパズルゲームとはいえ90ステージと文句なしのボリュームなんだけど、
タクシーは3ステージ、アシュリーも3ステージ、ゲーマーが3ステージ+エンドレス。
特にシャッターが5ステージしかないとかバカじゃないの!?100ステージあっても俺やりますよ!
1本1本が「ミニゲーム」で切り捨てられないような本格的な作りになってはいるんだけど
そのせいで余計にボリュームが足りなく感じられてしまう。
ゲーマーはボリューム感が欲しくなるゲームでは無かったからこれでもいいけど、
アシュリー、タクシー、シャッターは本当に面白いだけにもっと遊びたかった。
やりこみ要素として用意されたゲームによってハイスコアも簡単過ぎたり異常に難しかったりするし、
一人用として用意された12本のゲームも全部面白いわけじゃなくて質に差はある。
お題の通りの図形や線を描く「デザイン」は意外と中毒性はあるんだが、
問題の種類が少なすぎるせいで飽きが早い。
「アロー」はゲームパッドをボウガンにして敵を狙い撃つゲーム。
狙ってからタッチペンで弦を引いて矢を発射する!
というワンクッション置かれた操作が面白さには繋がってるんだけど、
難易度の上げ方を「強風で矢の軌道がそれる」ってギミックに頼りすぎてる感がアリ。
吹っ飛ばした敵を別の敵にぶつけてコンボを決めるのがシステムのキモなのに、
スコア的にはコンボよりも
矢をめっちゃ当て辛い一部の敵を逃さず倒すことに比重が置かれているので遊んでるとかなり疲れる。
ボス倒した後に逃げていく敵を撃ち漏らすとスコアがガクッとダウンするので……。
「ボウリング」は特殊な配置のピンを一投ですべて倒すのを10回行うのがルールで、
レベル1~3までの3つしかないのにレベル3の難易度が異常。
ゲームパッドを傾けてボールの軌道をコントロールするゲームなのに、
1ミリ単位での精密な調節が必要になってくる。
とにかく判定がシビア過ぎて、失敗した時にボールの軌道そのものが間違っているのか、
それともミリ単位での調節でミスしているのかまったく分からないレベルなため、
もう途中から遊ぶの嫌で仕方が無くなるくらいつらかった。
レベル1は初見。レベル2は数回やり直せばオールクリア出来たのに、
レベル3はクタクタになりながら3時間以上リトライし続けてやっとオールクリア出来た。
バランス悪すぎる。
カンフーは普通に面白くないです。
なんかスーパーマリオ3Dランドみたいなの作ろうとして、作ろうとしただけで終わったみたいな。
240種類あるシャカポン中、69種類入っているヒントカードは
ゲームの攻略要素が書かれているカード。
が、どのゲームのどのヒントカードが出るかは完全にランダムなので
ヒントとしてまったく機能していない。
もうクリアしたゲームのヒントだったり、マルチプレイ専用ゲームのヒントだったり。
ただでさえ、コインはステージクリアした時に
手に入るのが基本で大量に手に入れるのが難しいのに……。
ヒントカードはそのゲームをプレイしていると手に入るって仕様にしなきゃダメでしょこれ。
コインはバードやパッチワークとか稼ぎやすいゲームがあるにはあるし、
ダブリが無いから地道にプレイすれば揃うんだが、
それでもコンプに必要な240枚集めるにはかなり作業プレイしないと手に入らないし、
前述のヒントカード大量地獄がかなりつらいね……。
一発ネタツールが欲しくてシャカポンを回してるのにヒントカードばかり!
フルコンプ特典はスタッフ性格悪ィ!って思いました。
荒削りさもあったが、
「とにかくWiiUの機能を使ってやれそうなことを全部やるぞ!バカ大盛りで!」
という意気込みが強く感じられてとても楽しいゲームだったぜ。
WiiUを持っているバカゲー好きならば買うのは義務!
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それのどこら辺が常識的なのか
自分も今さっきシャカポンコンプしました。
ただ未だに「パイレーツ」のコツがわからない・・・いつもリズム感がBどまりorz
それとミーバースケッチ結構楽しいですよ。これ持っててやらないのは勿体無いと思う。