
宇宙船ダムレイ号のレビュー行くぜ!
宇宙船ダムレイ号|GUILD02 公式宇宙船ダムレイ号はレベルファイブが3月27日に800円で配信した3DSDLソフト。
ディレクターが麻野 一哉で、シナリオは我孫子 武丸。
あのかまいたちの夜と同じタッグによるSFアドベンチャーゲームだ。
開発は
オープンセサミが担当してる模様。
へー、夜想曲や月の光にも関わってたメーカーか。
まあ個人担当も含むって記述を見ると、関わってたスタッフが在籍してる程度かもしれんが。
組み合わせだけ見ればかなり面白いのが出来そうよね。99のなみだもここか……。

レビューに行く前に一つ注意しておくと
このゲームはチュートリアルや操作説明が一切無く、手探りで進むことをウリにしている。
説明書にも読むことで予備知識を得てしまう注意書きをするくらいの徹底っぷりなので、
俺もレビュー前に
「このレビューを読むことでダムレイ号に関する予備知識と先入観を得てしまう可能性があります」とでも書いておくか。
もちろん核心的なネタバレはしないつもりだけど、
序盤の展開やシステム、どんな感じのゲームかは触れていくぞ。
まあクリアしてからこの説明書の注意書きや公式サイト見ると
「お前は何を言ってるんだ?」って言いたくなるんですがね。
宇宙船ダムレイ号のコールドスリープカプセル内で目覚めた主人公。
カプセルが開かないのでとりあえずOSにアクセス。
カプセル内から作業用ロボットを遠隔操作し、
カプセルを外から開くために船内を探索するが、船内には異常が……?
的な導入から始まるアドベンチャーゲーム。
このOSを起動させる最初の場面は操作に試行錯誤しながら
起動のためのキーワードなどを調べていく必要があり、
カプセル内には誰かの写真とか意味ありげなメッセージなんかもあったりで、
「おお、なんかよく分からんが凄そうなのがはじまったぞ!」とワクワクするんだが、
それを終えるとロボットを遠隔操作するシーンになる。
そこからはスライドパッドで移動して船内を探索する主観視点の探索パートに。
探索していくと通れない通路があるので、使えそうなアイテムを探して道を切り開いていく。
例えばIDカードだったり、バリケードを吹き飛ばすためのアイテムだったり。
カーソルを合わせるだけでそこが調べられるかどうか表示されるので、
「アイテムはどこ?つーか調べられる場所はどこなんだ?」
と画面をクリックしまくるようなゲームではないんだけど、
ゲームとしては平凡極まりない脱出ゲーム。
まあ、脱出ゲームというかもっと古い探索型のアドベンチャーゲームに近いノリかな。
この時点でかなりガッカリなんだが、難しい謎解きみたいなものもほとんどなし。
めっちゃ分かりやすいヒントと分かりやすいアイテムがあるので進行はサクサク。
殺風景な船内を行ったり来たりする単調な移動シーンがプレイの大半だ。
移動時に壁やドアの間に引っかかりやすいし、カニ歩きも出来ないしで微妙にストレス。
色々書かれた船員の日誌とかワクワク要素もあるにはあるんだけど、
数自体が少ないので今一つのめり込めない
イベント演出も「いきなりバーン!」で驚かすのばかりで非常に安易。
船内に点在するスペースリーチという宇宙生物を20匹すべて発見して駆除すると
エクストラシナリオとしてアリッサ編が解禁。
とはいえ、テキストだけの内容でちょっとしたおまけ。
内容は「ゲーム本編がこんなに薄いのにそこで世界観広げられても…」という感想。
ギルド01と連動すると連動特典でアレックス編が解禁。
こちらもテキストのみのちょっとしたおまけ
アレックス編は「物語の真髄に迫る内容」という大げさな宣伝文句で、
ギルド01と連動しないと絶対に出現しないシナリオである。
確かに「後日談なのかな?」という内容ではあるんだけど……。
別にどうでもいいようなエログロで必要だったかどうかは微妙だなあ。
3DSでコレをやるのは表現的に結構チャレンジであるのかもしれないが。
これを「物語の真髄に迫る内容!ギルド01との連動特典!」とか宣伝したことで
ゲームの印象が更に悪くなっただけだったわ。
クリアまでに僅か2時間半。
オチや雰囲気はいかにも古典的なSF短編モノっぽくて嫌いじゃないんだけど、
ゲームとしては難易度の低いオーソドックスな脱出ゲー以外の何者でもないし、
テキストそのものが極めて少ないのでクリアしても物足りなさしかない。
エンディングまでがプロローグでそこから本編とかだったら面白かったけどそんなことはなかった。
つまらないわけじゃないんだけど、色んな意味で最初の起動シーンがピーク。
あとは斬新さやゲームとしてのアイデアは皆無に近いね。
こんな凡作をギルドシリーズの1本で出すこと自体が残念極まりないよ。
色んなクリエイターに実験作を作ってもらうのがギルドシリーズだろ?!
そういう試みに共感してくれるような、新しいゲームを求めている人に向けたシリーズだろ?!
しかも今作は事前にどういうゲームかを一切明らかにせず、
「説明なし、ヒントなし。他と一線を画す、衝撃の問題作が誕生。」なんて公式で煽るんだもの。
通常の2倍ガッカリだよ!
「新しいことをやろうとして失敗」ならいいけど
「新しいことをやろうともしてない」のが許せない。
個人的にはギルドシリーズの中ではワースト1でした……。
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