仮面ライダーバトライド・ウォー発売記念企画!平成ライダーゲーム16作品連続レビュー! 10本目は!

「ダブルの世界とでも呼ぶか」

Wii初の仮面ライダーゲーム!仮面ライダークライマックスヒーローズW!
2009年12月3日に6279円で発売された本作は、
2009年8月に発売されたPS2版クライマックスヒーローズから僅か1ヶ月で発表され、
4ヵ月後に発売というあんまりなソフトである。
内容も続編というより、当時の最新ライダーである仮面ライダーWなどを追加した完全版に近い。
主題歌も「集合!クライマックスヒーローズ」のまま。
クラヒシリーズに好意的な俺でも唯一酷いと思うのがこのWだ。

新規参戦ライダーは仮面ライダーW、カイザ、キックホッパー、パンチホッパー。
怪人としてマグマ・ドーパント、Tレックス・ドーパント、ゲルニュート、サナギワームが追加。
前作ではミッション限定だったG3-X、ガタック、
オートバジン、リュウガ、ダークカブト、ネガ電王も使用可能になった。
サブライダーですらハンパな状態で怪人を追加してどうする?!
ドーパント2体は最新の怪人ではあるんだが、
登場シーンなどモーションが一目で分かるレベルで他のキャラの使いまわしだったり
必殺技が一種類だったり、当然のように超必殺技が無かったり、セリフが一切無かったりと、
とりあえず入れただけ感は強い。
ゲルニュートとサナギワームは通常必殺技すら無く何故入れたってレベル。
もちろんセリフや鳴き声は無い。
ほとんどのサブライダーに超必殺技やスペシャルアタックが無い点もそのまま。
新規参戦サブライダーの地獄兄弟とカイザも必殺技の種類が少ないし同じく超必殺技はナシ。

人気ライダーのカイザだがゴルドスマッシュは無い……。
仮面ライダーWに関しては基本の9フォームすべて使用可能とさすがに力の入った作り。
まあ、キャラ選択の時にルナメモリとヒートメモリのどちらかを使うか選ぶ必要があるので
バトルで使えるのは最大6フォームだし、
フォームチェンジが必殺技扱いのものと
ゲージMAXでのフォームチェンジ扱いの2つがあったり
まだまだ仕様が固まってない感はあるね。ゲームオリジナルの技も多い。
モードはミッションをクリアしていくクライマックスモード。
自由な組み合わせでCPU対戦を楽しめるバトルモード。
何人倒せるかを競うサバイバルモード。
トレーニングモードなどが主なモード。
前作のディケイドモードに当たるのがクライマックスモード。
これがめっちゃつまんなくて俺としてはこの一点で前作から大幅に減点。
各ライダーごとに用意されたミッションに挑戦する内容だが、
前作と違ってストーリーはほとんど無いようなものだし、
ミッションは防御力がやたら高い敵の体力をチマチマチマチマ削ったり、
攻撃力がやたらめったら高い敵と体力回復なしで連戦したり、
1体ずつ出てくる戦闘員を時間内に規定数倒したり、そんなのばかりだ。
連戦がメインなので時間かかるし、
マグマ・ドーパントとTレックス・ドーパントなどの怪人がやたら何回も何回も出てくるし作業感が凄い。
「制限時間一杯まで怪人を倒せ!」というミッションなのに、
怪人を倒す度に制限時間が回復するとか明らかにチェックしてないミッションもあったり……。
怪人を倒さずに制限時間切れを待たないとクリアにならない。

クライマックスモードをクリアするとやる気の無いフォントで適当なメッセージが出てエンディング…。

Wのクライマックスモードをすべてノーコンティニューでクリアすると地獄モードが開放。
怪人でライダーを倒していくだけのモードだが、
サナギワームとゲルニュートはシステム的にまともな戦いが出来ないので
ひたすら起き上がりにボタン連打のコンボを重ねるしかない。
しかしこれをクリアしないと怪人やキックホッパーとパンチホッパーが使えるようにならないという。

ワームはクロックアップ出来ないので、相手に使われるとボコ殴りにされます。
クロックアップするワームに対抗して作られたのがマスクドライダーシステムなのに……。
脱皮しろよな!
「怪人でライダー倒せるモード」ってのはいいんだけどさ
参戦してる怪人は4体だけで1体は戦闘員扱いのサナギワーム。
必殺技はほぼ1種類で超必殺技は無し。セリフや鳴き声みたいなものも一切無し。
こんな超やっつけ状態でこんなモードだけ作られても困る……。
新規参戦キャラや前作でミッション限定だったライダーを使う方法は、
条件を満たした上でキャラ選択画面で特定のキャラにカーソルを合わせて
「+ボタンを押しながら決定」という裏技のような使い方。
しかも+ボタンを押してもバトルが始まるまではグラフィックが変わらない。
例えばガタックの使い方は「クウガにカーソルを合わせて+を押しながら決定」なんだけど、
決定しても画面はクウガのままだし、バトル開始前の画面でもキャラはクウガ。
でもバトル開始するとガタックが出てくるという。デバックモードかッ!
ネガ電王の使い方が「電王にカーソルを合わせて+を押しながら決定」なため、
フリー対戦で絶対に「電王vsネガ電王」が出来ないという正気を疑う仕様。
同じような理由で「カブトvsダークカブト」「龍騎vsリュウガ」なども出来ない……。
発売時期を考えるとPS2版とWii版は平行開発っぽいし、
キャラ選択画面をまともに作る時間すら無かったのかもしれないが、
「キャラ選択画面でクウガにカーソルを合わせ、
そこからディケイドまで作品順にスタートボタンを押していくとケータッチの音声が再生される」という小ネタをキャラ選択画面に仕込んでるので擁護できねえ。
そんな小ネタ仕込めるならキャラ選択画面をちゃんとしろや!
製作スタッフをスリッパで叩いてやりたい気分だぜ。
いや、スリッパで喉笛を突いてやりたい気分だ!
つーかなんで今回はカブトだけこんなに優遇されてるのさ?!
カブト、ガタック、ダークカブト、パンチ&キックホッパー、ワーム参戦。
大半のライダーの声は代役なのにパンチ&キックホッパーは本人ボイス。
地獄モードなんて名前を冠したモードまであるし……。
製作スタッフが好きだったのか、それともPS2版カブトの影響なのか。
完全版なのに完全な気がまったくしないソフト。
早すぎる発売タイミングもひどいし、部分的に劣化してる箇所も多い。
追加ライダーもかなりガッカリな仕様。
中途半端な新要素を入れて腐らせるというクラヒシリーズの悪癖もこの作品からスタート。
前作はシリーズ一作目だったのでまだ許せたが、これはちょっと酷いぜ。
お子様でも簡単に戦える「イージー操作」の追加は評価出来るんだがそこくらい。
シリーズとしての正式な進化は次回作を待つことになる……。
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