仮面ライダーバトライド・ウォー発売記念企画!平成ライダーゲーム16作品連続レビュー! 7本目は!

「響鬼の世界だな」

2005年にPS2で発売された仮面ライダー響鬼!価格は6279円。
一応格闘ゲームではあるんだが、1対2の変則マッチがあったり巨大な敵が出てきたりと、
どちらかというと対戦アクションに近い手触り。開発は今回もお馴染みデジフロイド。
初回版は太鼓の達人とのコラボディスクが付属!
難易度は低いが太鼓の達人で「輝」と「少年よ」の2曲がプレイ出来る。
ゲーム自体もタタコンに対応と異常な気合の入れ方である。
まあ「太鼓で戦うライダー」なんて、太鼓の達人とコラボしない方がおかしいレベルだしな。
仮面ライダー響鬼はフンドシを締めた仮面ライダーが怪人の身体に太鼓を貼り付けて、
バチでドンドコ叩いてエネルギーを送り込んで爆発させて倒す!
というインパクトが凄かった和風ライダー。
そのスーツデザインは放送開始前に
「今度のライダーはデザインが金子一馬なの!?」というデマが飛んだほど。
確かにこの目も口もよく分からん顔つきはそれっぽいと今でも思う。
敵も等身大サイズだけではなく、
怪人というより怪獣レベルの相手が目立っていたり、自然災害に近い存在だったり。
話の方もライダーに変身する響鬼さんではなく、
偶然関わってしまった悩み多き中学生である明日夢少年がメイン。
そもそも劇中では「仮面ライダー」ではなく「鬼」と呼称されていたりと
とにかく異質な内容だったのだが、細川茂樹演じる響鬼さんの
良い意味での「おっさんライダー」っぷりもウケて大人のファンを多く獲得。
鬼(仮面ライダー)は日本中に何十人も存在していて、各地で人知れず戦っている。
ちゃんとした全国規模の組織として活動していてローテーション表もある。
妙に敵が沢山出て来て連日出勤してボロボロになってる鬼もいる。
という設定も現実感があって、同時にロマンもある内容だった。
まあ子供ウケが悪くてスタッフ交代して路線変更とか色々あって……。
最終的に井上敏樹が尻拭いすることになったんですがね!
俺が初めて1話から最終話までリアルタイムで見たライダーがコレだったので
非常に思い入れの強い作品だ。
当時は俺も路線変更に憤慨していたが、今となってはもう少し優しく受け止められると思う……。

登場キャラは鬼が仮面ライダー響鬼(紅に変身可能)、威吹鬼、轟鬼、斬鬼、弾鬼、裁鬼、装甲響鬼の7人
2人1組となっている童子と姫がツチグモ、イッタンモメン、ヤマアラシ、スーパーの4組。
単体で登場するマカモウとしてスーパー童子。
CPUと一部の対戦モード限定で使えるマカモウとして
ツチグモ、イッタンモメン、ヤマアラシ、ドロタボウの4体も登場。

ゲームとしては弾鬼さんと裁鬼さんが使えるだけでもうかなり高ポイント!すげぇ!
こういうのはライダー全員集合ゲームではない、単品でのゲーム化だからこそ出来ることだよね。
発売時期の関係で鋭鬼さんがいないのが惜しい……。
キャラ選択画面で鬼の人たちは顔が変身前になってるのは前作と前々作に続く演出。
裁鬼さんだけはゲーム発売当時にまだ中の人の顔が出てなかったので変身後のままだが

ゲーム起動時の注意書きを凝るようになってきたのは本作から。
モードは鬼となって同時&姫や巨大マカモウと戦っていくきよめモード。
自由に鬼かスーパー童子を選んで敵と戦っていく1Pバトルモード。
自分と相手のキャラを自由に選んで戦える1Pフリーバトルモード。
1Pと2Pがそれぞれ自由にキャラを選んでタッグを組み、
同じくタッグのCPU相手に戦う2Pきょうりょくモード。
1Pと2Pがツチグモ、イッタンモメン、ヤマアラシ、ドロタボウ、スーパー童子の中から
それぞれマカモウを選んで戦う2Pまかもうたいせんモード。
きよめモードとバトルモードで入手した資料を閲覧できる猛士データベースなどなど。

基本操作は○ボタンで弱攻撃、×ボタンで強攻撃、△ボタンで特殊攻撃、□ボタンでガード。
2段ジャンプや相手の攻撃に合わせてガードすることでの攻撃弾き、
□と×ボタン同時押しで投げ攻撃なども可能。
格闘ゲームとしては単純だが、
方向キーと攻撃ボタンと組み合わせることで多彩な攻撃が可能。
童子と姫の2人に挟まれた時に脱出出来るように、
鬼は前後に同時攻撃できる技を持っているキャラが多かったりと考えられている。
キャラの動きも非常に軽快で、ジャンプ性能の高さは歴代ライダーゲーでも一番かも。
格闘ゲームとしては大味なんだけど、キャラの動きの軽快さや技の多彩さで
555や剣に比べれば格段にアクションとして面白くなってるし、
響鬼さんが動く時は鈴の音がなったり、
弾鬼さんがジャンプすると鉄砲みたいな音がなったりと細かいところもしっかり再現されている。
超必殺技の概念は無くなり、
1Pきよめモードでのマカモウとの戦いでのみ、音撃でトドメを指すミニゲームと演出が存在する。
体力が減ると挿入歌が流れる演出も無くなった。
ここら辺は原作が原作なんでしょうがない。そもそも響鬼は挿入歌とか無いし!

グラフィックはブレイドに引き続いてレベルが高く、
PS2ながらあの響鬼のスーツの質感がしっかり再現されている。
光の反射表現などはなかなか見事。

スーパー童子とスーパー姫の顔の再現度もかなり凄い。
生身怪人をこのレベルで再現してるライダーゲーは少ないですよ!

きよめモードでは童子と姫を倒すと巨大マカモウが登場と、原作の流れをしっかり再現!
まあ、当たり判定がよく分からないからピョンピョン飛びながら攻撃しまくることになるんだが、
登場シーンも凝っていて嬉しい。

マカモウの体力を減らすと音撃モードに移行!
画面のマーカーが重なったらボタンを押すだけの単純な音ゲー風のミニゲームでトドメをさす。
このシーンだけタタコン対応です!
響鬼、響鬼紅、威吹鬼、轟鬼、斬鬼、弾鬼、裁鬼、装甲響鬼それぞれに用意されているぜ。
(……武器がタタコンに向いてないキャラの方が多い?!)
弾鬼さんと裁鬼さんが巨大マカモウに音撃を決めるシーンが見られるのはここだけ!

これまた開発時期の関係で設定上は存在する「閻魔裁き」とかの型名を叫ばないのが残念だが、
裁鬼さんでヤマアラシにリベンジできるだけで満足ですよ!

ゲームとしては大味で長く遊べる要素はほとんど無く、2時間もあればコンプ出来る。
ウルトラファイトならぬマカモウファイトが出来るモードは嬉しいんだが、
それよりフリー対戦モードで全部使えるようにして欲しかったとか、
前作に続いて映画ライダーが1人も出ないとか、
不満もあるんだがキャラゲーとしては上々のデキ。小ネタもかなり多い。

ライダーゲーは肖像権の関係なのか、変身前の役者の顔は3Dで再現されないことが多いんだが、
本作のきよめモードでは細川茂樹の顔も含めた変身シーンを再現!ちょっと顔怖いけど!
OPは前作までのようにCGムービーではなく、
ゲーム中のキャラクターのグラフィックを使ったものになり、多少ショボくなったが
コマンドを入力することでメインで登場する鬼が変化する。
通常だと響鬼さんがメインのOPだけどコマンドを入れることで裁鬼さんがメインになったり。
このOPのキャラが変化する仕様は翌年の仮面ライダーカブトにも引き継がれる。
鬼同士の戦いだとバトル前のセリフが「鬼同士の訓練」っぽいセリフに変化したり、
戦いに負けるとコンティニュー画面で操作してるキャラにちなんだ人物が声をかけてくる演出も。
響鬼さんだと明日夢、威吹鬼さんだとあきらとかね。
猛士データベースはたちばなのメンバーによる
本編のエピソードを踏まえたマカモウの音声解説があったりと凝った作り。
作品自体があまり子供ウケしなくてゲームも売れなかったのと、
次に発売された仮面ライダーゲームがあまりにも凄すぎたせいで影は薄いが、
この響鬼ゲーもキャラゲーとしてはなかなか鍛えられた作品でお気に入り。
とりあえず格ゲーっぽいシステムにしました!ってんじゃなくて、
ちゃんと原作の雰囲気やノリをシステムに落とし込んでいるところは高く評価したいね。
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「仮面ライダーカブト」
天の道を往き、総てを司る!
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路線変更ってのはよく知らないけど、これも観てみたいライダーの1つだな。
茂樹がライダーってのがとにかくインパクトあった。
それが君の響きならぬ、それが君の茂樹って感じ(イミフ)。