仮面ライダーバトライド・ウォー発売記念企画!平成ライダーゲーム16作品連続レビュー! 2本目は!

「ここがSIMPLEシリーズの世界か」

2001年の10月25日に発売された本作「SIMPLEキャラクター2000仮面ライダーTHEバイクレース」は
当時のバンダイとD3パブリッシャーの共同企画だった「SIMPLEキャラクター2000シリーズ」の1本。
開発はハイウェイスター。
THE水泳とかTHEゴルフとかSIMPLE1500シリーズでもロクなゲーム出してないとこだな。
このシリーズ自体は結構アレなタイトルも多いんだけど……。
海外で発売されたガンダムバトルアサルト2の分割移植であるガンダムTHEバトルや、
そこそこ好評だったSIMPLE1500THEパズル2のキャラ差し替え版であるアフロ犬THEパズル、
オリジナルタイトルのガンバの冒険THEパズルアクションなどはそれなりに遊べる内容。
まあガンダムTHEバトルよりガンダムザバトルマスター2の方が面白いんだけども。
ラインナップに含まれているザブングルとガッチャマンの2本は
ファミ通レビューで2点付けられたことが有名だが
個人的にはザブングルとガッチャマンは値段考えれば原作の雰囲気も出てるし、
確かにショボいけどボロクソに言うほどには悪くはないと思う。
……仮面ライダーはどうなのかって?それをこれからレビューするのだ。
企画とはいえこのゲームをレビューするのは辛いぜ。
五代雄介が黒目のアルティメットフォームで燃やしに来てもおかしくないゲームだからな!

内容は3つのコースが収録されたバイクレースゲーム。
登場ライダーは新1号、新2号、V3、ライダーマン、X、アマゾン、スーパー1、
ストロンガー、スカイライダー、ZX、ブラックRX、クウガ、アギト、旧1号、旧2号。
昭和と平成ライダーが競演を果たした初のライダーゲーであり、
「SIMPLE2000シリーズに2000年に生まれた2000の技を持つ仮面ライダークウガが登場!」という点を見てもとても美しい。
いい符丁だ。感動的だな。だが無意味だ……。
モードは3回のレースを勝ち抜くグランプリモード。
コースを一つ選んでタイムを競うタイムアタック。
1マッチレースで勝利を競いあう1P・2Pマッチ。
持ち時間が無くなるまでの周回数と戦闘員を倒した数を競うバトルロイヤルモードの4つ。
操作は方向キーでバイクの重心移動、〇ボタンと□ボタンでブレーキ、×ボタンでアクセル
L1とR1ボタンで押したボタンの方向にキック。L2かR2でアイテム使用。
基本はライダー同士の1対1によるタイマンで走るレースゲーム。
お邪魔キャラとしてショッカー戦闘員が妨害してくるので避けながらのバトル。
アイテムを拾って使用することで発動するライダー固有の必殺技や、
キック攻撃をうまく使って戦い抜く内容。

キック攻撃は皆さんの想像するキックとは少しかけ離れているかもしれません。
これがクウガの2000の技の一つ「ヤクザキック」か。
全ライダー同じキックで近接専用です。
なかなか当たらないので、とりあえず相手と接近したらキック連射して当たればいいなって感じ。
仮面ライダー同士のバイクレースという題材だけならば面白そうなんだが、
実際は仮面ライダーエターナルも「これは地獄ですわ……」ってドン引きしそうな内容になっている。
まず最大の問題点は壁にぶつかっても速度がほとんど落ちないため、
アクセルボタンから指を離すよりもブレーキボタンを押すよりも、
壁に体当たりして強引に曲がった方がスピードを落とさず曲がれるという
ライダースピリッツに溢れすぎた仕様だろう。
レースゲームとして致命的ってレベルじゃねぇぞ……。
この仕様のせいで最高速度の高いライダーが圧倒的に有利になってしまっている。
逆に最高速度が最低の仮面ライダーアマゾンやライダーマンを使うと「物理的に」勝てません。
グランプリモードを遊ぶ時にアマゾンを選ぶとそこで詰むレベル。
製作スタッフはよほどアマゾンとトモダチになるのが嫌だったらしい。
コースも3コースしかないし、
サーキット、山、SFアニメっぽいハイウェイとあまりライダーっぽさも無し。
もちろん全ライダーセリフ無し。ボイスもテキストも一切無く一言も喋らない。
戦闘員がイーッ!って叫ぶだけだ。
必殺技もいくつか「原作……再現なのか?」と言えそうなものあるんだが、
大半は再現する意思の感じられない技ばかり。
アマゾンの強力キックなどは「通常のキックに爪で引っかいたようなエフェクトをつけただけ」なので、
もしかしたら大切断を意識した演出のつもりなのかもしれない。
必殺技は一定時間無敵の無敵走行、一時的に加速状態になる高速走行、
急加速としても使えるウィリー、弾を発射する誘導ショットの4つは有用。
近い性能のライダー同士ならば逆転も可能ではある。
しかし残り一つであるアマゾンとストロンガーが持ってる強力キックはマジで使いものにならない……。
ギリギリまで接近しないといけないからあまりにも当たり辛い。
そもそも低スペックすぎて相手に追いつくのが極めて困難なアマゾンに
加速ではなく近接攻撃の必殺技をセットするのがひどい。
スタッフのアマゾンdisは徹底しているな。どんだけアマゾンと友達になるのが嫌なんだよ!
グラフィックも凄い。
ある程度は低価格ゲームだからしょうがないにしてもキャラゲーだぞ?!
ライダーもバイクもガビガビで動きも酷い。


レースで勝つと操作していた仮面ライダーが
聞いた事も無いような奇怪なSEと共に手をガクガクと身体にめり込ませながら
カクカクした変身ポーズらしきものを一生懸命とるという
悪夢のような光景が画面に映し出される。これはもう視神経に罰を与える罰ゲームだ。


へえ、仮面ライダークウガも改造人間だったんですね!(失敗作的な意味で)
評価出来るのはキャラ数。
1号からゼクロスまでの主役ライダー全員。ライダーマン、RX、クウガ、アギトが使用可能。
最近はキャラが何十人と登場する仮面ライダーのお祭りゲームが多くなってきたが、
これだけの数のライダーが「バイク込み」で参戦してる作品は最新作のバトライド・ウォーくらいだろう
バトライドも平成オンリーのゲームだから昭和ライダーがここまで揃ってるのは貴重。
隠しキャラとして旧1号と旧2号が出てくるのも渋いチョイスだ。

まあこのゲームだと旧や新というより壊1号って感じなんですが。

仮面ライダーのバイクって最高速度がぶっ飛んだ数字になってるものが多いんだけど、
このゲームだとちゃんとそこは再現していて時速800km越えとか普通に出る。
スピード感が無いから「どう考えてもそんなにスピード出てないだろ!?」って思っちゃうけども。
コースがどう見ても普通のサーキットとかだしな……。
2000円だからとかそういう話をする以前の世界を走っているゲーム。
アンノウンも「人はこのゲームを遊んではならない」くらいは言ってくれそうな内容。
レースゲームとしては壁に突っ込みながらのゴリ押しと性能差がすべて。
キャラ数以外はキャラゲーとして褒められる部分無く擁護不可能。
俺が本物の仮面ライダーに会う機会があったら
まずこのゲームに関してSIMPLEシリーズファンとして土下座して謝ろうと考えてる作品である。
遊ぶのは俺だけでいい……。
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「仮面ライダーアギト」
目覚めよ!その魂!
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