ここんとこライダーゲーのレビューばかりだったが久々に別のゲーム!
どぎめぎインリョクちゃんのレビュー行くぜ!
どぎめぎインリョクちゃん 公式どぎめぎインリョクちゃんはアークシステムワークスが5月29日に配信した3DSDLソフト。
価格は500円。メイン開発はアークだが、エープラスも関わってるみたいだ。
ディレクション、プランニング、レベルデザインをアークの原浩って人が1人でやってて、
プログラムもアークの川上裕貴って人が1人でやってるんで
すげぇ開発規模の小さいゲームですねこれ……。
とりあえず俺が思ったより過酷なゲームだった。
主人公のインリョクちゃんは恋のキューピット。
優秀なんだけどやりすぎなくらいなんでもかんでもカップルにする腐れキューピットで
その姿を見た神様が
「魔物同士をカップルにさせたら、魔界が平和になるんじゃない?」
と思いついてインリョクちゃんを魔界に放り込むところからゲームが始まる。
姿は出てこないけど神様ちょっと邪悪すぎませんかね。
チェーンソーで真っ二つにされてもおかしくない。
そしてこのインリョクちゃんの薄汚い顔!腐れキューピットめ!
ああ、腐ってるってそういうこと……。
ゲーム内容は全50ステージのアクションゲーム。
方向キーで移動、スライドパッドで画面をスクロールさせてステージの確認、
Aボタンで矢を発射、Bボタンでジャンプ。
矢は方向キーで狙った場所に発射可能で、Rボタンを押せばその場に留まったまま狙いをつけられる。
ステージ内に存在する敵をすべて倒せばクリア。
入ればクリアになるゴールが設置されてるステージも一部存在する。
矢は攻撃にも移動にも使用可能で、
これを活用したテクニカルなプレイが可能なゲームとなっている。
2匹の敵に矢を打ち込むとお互いが惹かれあって衝突してダメージ!
敵と壁に矢を打っても敵が壁に突っ込んでダメージ!
この惹かれあう敵に別の敵を巻き込むことも可能で、その場合は耐久力の高い敵も一撃で倒せるのだ。
惹かれあう敵は壁などもすべて貫通するので、うまく使えば大量の敵を巻き込めるのが楽しい。
このゲームはステージの上下左右がループして繋がっているので、
(ステージ左端の切れ目に入るとステージの右端から出てくるとかそういう構成)
1本目の矢を敵に打ち込み、2本目の矢をループしてる箇所に放り込むと、
矢を打ち込んだ敵がステージの左端から右端、あるいはステージ最上段から最下段までを横断。
その間の敵をすべて撃退!なんて芸当が出来るぜ。
公式サイトに載っていないテクニックなので俺はこれに次元撃ちと名づけたぞ!
2本の矢を壁や床に打ち込んだ場合はその軌道上にトランポリンが生成される。
トランポリンでジャンプ!
ジャンプ中に壁に素早く矢を打ち込んでトランポリン生成!
トランポリンでジャンプ!
という動きを繰り返すことで垂直の長い壁を登ることも可能だ。
トランポリンは生成すると2秒くらいで消えるので急がないといけないが。
2本の矢を天井と床に打ち込んでトランポリンを縦に生成し、
そこに横から突っ込むことで水平方向に大ジャンプという使い方もアリ。
プレイヤーの工夫次第で様々な使い方が生み出せるのだ。
矢を打つという単純な操作だけで非常に自由度の高いアクションが可能で、
ここまで読むと非常に面白そうなゲームに思える。
というか書いてる俺も「あれ、これ面白いゲームなんじゃね?」って気がしてきたんだが……。
そうだったらどれだけ良かったことか!
まずこのゲーム、ジャンプの操作性が非常に悪い!
Bボタンでのジャンプが小ジャンプと通常ジャンプの2種類のみで、
ボタンの押し具合での細かい調節が一切不可能。
加えて、ジャンプ中は方向キーを押しても軌道の調節がほとんど出来ないため、
狙った場所にジャンプするのがかなり難しい。
ジャンプの挙動そのものがかなり重くて、横方向への移動がし辛いのも厳しいところだ。
トランポリンジャンプも微妙な角度で大きく軌道が変化し、
前述の通り空中での軌道調節がほぼ不可能なので狙った場所に飛ぶのは非常につらい。
ステージはそれなりに広さがあって1画面には収まらない。
前述のループ構成になっているステージ端の件もあり、
地形も入り組んでいるのでどこに敵がいてどこにアイテムがあるのかも把握し辛い。
そこでスライドパッドで画面をスクロールさせる操作の出番なんだが、
スクロールさせてる最中も時間が止まらないため、
「また複雑なステージだな……えーと、敵はどこだ?」
なんてノンビリしてると画面外からの敵のタックルでダメージを食らう。
時間が止まらないのでスクロールさせた状態で遠くの敵を狙い撃つことも出来ないわけじゃないんだが、
画面外が把握し辛くてダメージ喰らうことの方が多かったな……。
矢で敵を結ぶ攻撃方法は面白いし、
それを利用して大量の敵を倒すステージもあったりするのはいいんだけど、
敵と敵をわざわざ繋ごうとしなくても
連射で敵と壁を何回も衝突させる方が簡単に倒せてしまう場面が非常に多い。
中ボスもこのやり方で楽勝という悲しさ。ラスボスは強かったけども。
これらの欠点も最初はまだ楽しめるんだが、ステージ構成も中盤からキバを剥いてくる。
空中足場と大量の敵……。
前述の通りジャンプの操作性がすこぶる悪いので、
一見簡単そうなこの構成でもポロポロポロポロポロポロ落下しまくる。
そして大量のトゲ
トゲにぶつかってもダメージ入るだけで一撃死じゃないのはせめてもの救いか……。
終盤は「
空中でトランポリンを生成しての連続ジャンプ」
を1ミリの狂いも無く連続で行うことを要求してくるステージを連発。
プレイヤーにかなりの蛮勇が必要になってくる。
特にステージ44の難関っぷりがヤバい。
まずトゲ床を連続トランポリンジャンプで飛び越えていく箇所。
ここはまだいい。
突破するとトゲ天井とトゲ床の間をトランポリンジャンプで飛び越える道になる。
飛びすぎてもダメ。角度がズレてもダメ。
突破するとさらにトゲ天井とトゲ床が待ち構えるめっちゃ狭い通路に。
ここは最初の方で解説した水平方向へのトランポリンジャンプを
ギリギリのスペースで生成して越えるしかない。
この3つのトゲ通路を突破したプレイヤーを待ち構えるのが
トゲと敵が絶妙にいやらしく配置された縦穴とその奥に設置されたゴールである。
要所要所で回復アイテムが設置されてるのがせめてもの救いか。
このステージ44以降にも難しい面が沢山あるので安心してもらいたい。
何回も書いてるけどジャンプと空中制御の操作性がめっちゃ悪いんですよこのゲーム!
中盤から終盤はこういう魔界村の操作性で
ロックマンXを遊んでるようなステージが延々と続いて死ぬかと思ったわ!
俺が時限爆弾だったら時間切れ待たずに爆発してるとこだよ!ふざけやがって!
あまりのキツさにブロッククラッシュ123を思い出したわ……。
プレイしてる時に猫村いろはが俺の隣にいたような気がする。
ストーリーもなんかスッキリしないオチ。
あそこはインリョクちゃんが自分とラスボスの女悪魔を
キューピットの矢で結んでラブラブになって終わるオチ以外にありえないだろ。
シンプルな操作で自由度の高いアクションが出来るアイデアに関しては
かなり光る物があるゲームだし、ステージの作り自体もしっかり考えているのは分かる。
中盤以降のBGMがかなり燃えるメロディなのも評価したい。
ただ、根本部分の操作性が酷すぎる上に、その操作性をフルに使って
ミス無く進まないといけないステージを連発という構成がしんどすぎて
せっかくのアイデアを理不尽さが圧倒的に上回ってる。
面白いゲームってのは高難易度ステージで死にまくるのも楽しかったりするものだけど
このゲームはインリョクちゃんが死ぬたびにプレイヤーの心も少しずつ死んでいく。
ファミコン時代の理不尽なゲームが大好きな人以外にはオススメ出来ない作品です。
「アイデアはいいから続編に期待したい」というお決まりのコメントでレビューをシメたいところだが、
俺の中で「アイデアはいいから続編が出たら買いたい」という気持ちと、
「これと同じスタッフが作るゲームなんてもう買いたくない」という二つの意見が混じってるので
そう簡単には結論を出せないのが難しいところですね……。
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