
逆転裁判5をクリアしたのでレビュー行くぜ!
クリアタイムは17時間くらいかな。
CAPCOM:逆転裁判5 公式サイトカプコンが3DSで7月25日に発売した逆転裁判シリーズ最新作!
スピンオフである逆転検事1と2や、
クロスオーバー作品であるレイトン教授vs逆転裁判などは出ていたものの、
ナンバリングの新作は実に6年ぶりだ。
今回は逆転裁判1~4を手掛けたタクシューではなく、逆転検事のスタッフが担当。
逆転裁判4は良い所もあったものの、シリーズが止まるのも納得のあんまりな内容だったが……。
逆転検事2はかなり気に入ってる一本だし、
シリーズ自体も好きなので久々のナンバリング新作である5もとても楽しみだったのだ。
内容は期待を裏切らないデキだったぜ。

ゲームの流れはこれまで通り、調査パートで現場をあちこち調べて証拠や情報をゲット。
裁判パートでそれを利用して依頼人を弁護する内容だ。
証人や検事の発言にムジュンをあったら証拠品を突き付けて打ち砕き!
依頼人を救うためにその先にある真実を白日の下に晒す!
そういうゲームね。
荒唐無稽な事件やありえないほど濃ゆいキャラも魅力のシリーズ。

今回は1~3の主人公だったナルホドくんと4の主人公だったオドロキくんのダブル主人公……。
かと思いきや、新キャラである新人弁護士のココネちゃんも含めたトリプル主人公だった!
シナリオに合わせて使用キャラが次々に切り替わりながら進行していく。

ココネちゃんはデザインがピンと来なかったけど遊んだらすげぇ気に入ったわ!
明るくてどんどん突っ走っていくキャラは見ていて楽しいし、
ダメージ受けた時にヒロインがやっちゃいけないタイプの顔を連発するところでやられた。
先輩であるオドロキくんとのコンビが見てて面白過ぎる。
警官を投げる必要があったんですか!?
今回はこの3人の主人公の立ち位置をしっかり描いてるねえ。
オドロキくんの師匠であり、伝説の弁護士であるナルホドくん。
前作から成長して頼りになるところも見せるようになってきたオドロキくん。
弁護士になったばかりで失敗しまくりながら少しずつ成長していくココネちゃん。
ここを本ッ当に丁寧にやってる。

4からやってるとオドロキくんの成長っぷりに感動できるぜ。
ココネちゃんを先輩としてサポートしつつ、悩みながらも前へと進んでいく!
ちなみにこれはカッコいいシーンっぽいけど割とどうでもいいシーンです。
ナルホドくんも師匠らしい立ち振る舞いがカッコ良くて、
シリーズやってると要所要所のセリフでグッと来ちゃう。
逆にオドロキくんやココネちゃんから学ぶ場面もあっていいね。
システム面でも1~3で登場した証拠品をぶつけて相手の「サイコ・ロック」。
4で登場した相手のクセを指摘してウソを看破する「みぬく」。
今回登場した「ココロスコープ」の3つをきっちり活かしてる。
「みぬく」と「ココロスコープ」に劇中で軽く突っ込みが入ってるのはいいと思った。
とにかく「今回はこの3人が主人公」というのを貫いていて、
最終シナリオの展開もここを外していない。逆転裁判4をなかった事にせず、
更に新キャラも含めた上でこれを描ききったのはスタッフの信念を感じる。
特に、逆転裁判4で思わせぶりに出てきたけどなんだかよく分からなかったある演出を
非常に効果的に再利用してきたのは「おおっ!」と感心したわ。
まあ、ナルホドくんの性格が4じゃなくてどう見ても完全に1~3準拠になってたり、
4から引っ張ると面倒なことになりそうな伏線や設定はバッサリ無視したりはしてるけどね。
「オドロキくんの親友なんていたっけ?」って思ったら5からの完全な新キャラじゃないですか!
しかもめっちゃ重要キャラという。
再登場した逆転裁判1~4のキャラが空気過ぎるという意見もあって
確かにはみちゃんやみぬきちゃんは完全にちょい役だったが、ミツルギに関しては文句無し。
あの容赦のなさとカッコ良さは、
やはりナルホドくんの相手はミツルギ検事しかいないと再認識させられた。
ナルホドくんを操作する場面も裁判パート含めて多くてシナリオ上でも重要な存在だし、
あんまり過去キャラを引っ張りすぎても良くないしで、
多すぎず少なすぎずのバランスになってると思う。
まあ、「あのキャラは出て欲しかった!」ってのはあるけどそれ言い出すとキリが無いからね。
レイトン教授がなんで出てこないんだよ!……いや出てこられても困るが!

相手検事となるユガミ検事もなかなかいいキャラ。
「殺人犯として投獄されているのに法廷に立つ!心理分析を使いこなす検事!」
みたいな感じで危険な香りを漂わせて登場したものの、
実際は裁判長をノセるのが上手い面白いにいちゃんだった。
笑いながら机をバンバン叩くモーションがお気に入り。
裁判で一緒に牢屋に入っていた人間の話をしたりするんだけどそれがまた突っ込みどころ満載でね。
ユガミ検事を更正させようと頑張るジャスティス!なバン刑事との掛け合いも実に楽しい。
ムジュンを指摘した時もいいリアクションをしてくれるぜ。
今回はグラフィックが2Dではなく3Dになっているが、
表情の変化は自然な感じに仕上がっているし、
逆転裁判お馴染みの追い詰められた犯人のアクションは過去作以上のぶっ飛びっぷりだ。
「今回は3Dモデル使ってるからこんなことも出来るんですよ!!!!!」
という製作スタッフのはしゃぎっぷりが伝わってくるかのようなノリノリの派手な演出が多いね。
それまでの積み重ねによる終盤の盛り上がりもいいんだけど、
単純に遊んでて楽しかったのは話が独立してる2話と3話かなあ。
登場キャラも濃いし妖怪騒動!とか学園祭!とか明るい雰囲気で。
3話は衝撃の告白が衝撃過ぎるし
法廷での再現シーンと犯人のアクションが色んな意味で酷すぎて限界だと思った。
今回はユメミちゃんとかアツメちゃんとか女の子が可愛い分、
渋いオッサン成分がかなり不足していてやや物足りなかったがまあそこは好みだな……。
面白いオッサン成分は文句なかった。
BGMも期待を裏切らないデキ。「追求」シリーズのハズレの無さは異常。
システム面では待望の「いつでもセーブ」や「バックログ」を搭載。
逆転裁判シリーズは毎回この辺が化石のような古臭い仕様だったんだが、
今回は好きなタイミングで自由にセーブ(中断ではなく)が可能で、セーブファイルも2つまで残せる。

地味に便利なのは一度クリアしたシナリオをやり直す時にどこから始めるかを
過去作よりも非常に細かく指定できる点だな。あのシーンだけまたやりたい!って時に非常に便利。

不満点はまず調査パートで現場以外を調べたり出来なくなったこと!
今回一番残念だったのがここ!
過去作では事件現場以外の場所も自由に調べることが出来て、
そこで表示される会話が実に楽しかったのに!
この成歩堂なんでも事務所の背景とか一切調べられないんですよ!
カタカタカタカタ(時刻表示と共に新しいマップに到着)
「なんかあからさまに怪しい物体があるー?!早く調べさせろー!」
ってのがお約束だったのに今回はできないのが本当に寂しい……。
妖怪村の背景とかめっちゃ気になる物体多かったのに!
操作キャラが頻繁に変わるので同じ場所を調べた時の違いとかも堪能したかったのになあ。
調査する必要のある現場を違う視点から調べられるってのが今回の新要素だが、
色んな場所を自由に調べられなくなってるのでトータルではマイナスですね。
今回は過去作に比べて難易度が非常に簡単。
調査パートでは調査メモという次にやる事を確認出来るシステムが追加されたので、
これを見て進めばまったく迷う箇所が無い。裁判パートでも詰まる箇所は少ない。
過去作もADVとして難易度が高かったわけじゃないけど、
現場以外を調べられなくなったことも相まって少々物足りない。
同じスタッフが作った逆転検事にも言えるんだけど要所要所の展開がテンポ悪く感じるね。
今回は法廷パートが全体的に長めで、キャラや話自体は面白いんだけどダレてくる時も。
ラスボス登場したところがピークでそこからがやたら長いのは逆転検事1を思い出した。
まああそこまでひどくはなかったけども。
個人的には犯人の動機とかが全体的にシンプルというか、勧善懲悪過ぎるかなーと思ったが、
ここは主役3人の方を掘り下げることに尽力した結果と思おう。今回はそれでいいんだ。

物足りない点も無くはないし逆転検事2には少々負けるが、ゲーム自体は期待を裏切らない面白さ。
とにかく製作スタッフが「逆転裁判」をもう一度復活させようと、
過去キャラも新キャラもしっかり活かした作品にしようとする努力が遊んでてビシバシ伝わってきたぜ。
大変なプレッシャーの中、とても難しい方向性の作りをしっかりと形にした。
そこが本当に素晴らしい。
評判がめっちゃ悪かった逆転裁判4をなかったことにはしていないし、
それでいて逆転裁判4に難色を示しまくりの俺も非常に楽しめた。見事と言わざるを得ない。
過去作の犯人などのネタバレはまったく無いし、新キャラを軸にした話なので、
逆転裁判シリーズを一切やってない人でも入りやすい作りにはなってる。
これで逆転裁判はやっと前に進める。逆転裁判は大丈夫だ!
遊び終えた時は心からそう思えたよ。今は素直にそれだけを喜びたい。
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