
「@SIMPLE DLシリーズ vol.21 THE鑑識官~File.1 緊急捜査!重要証拠をタッチせよ!~」
のレビュー行くぞオラァァァァーーーッ!
ニンテンドー3DS『@SIMPLE DLシリーズ Vol.21 THE 鑑識官 ~File.1 緊急捜査!重要証拠をタッチせよ!~』公式
THE鑑識官 File.1は
ディースリー・パブリッシャーが10月30日に500円配信開始した3DSDLソフト。
2006年にSIMPLE DSシリーズとして発売された
「
THE 鑑識官 ~緊急出動!事件現場をタッチせよ!~」の移植作品で、
全8話のシナリオから最初の1~4話を抜粋し、3DS版だけの新シナリオ1話を加えた合計5話の内容だ。
残りの5~8話に関しては今冬発売予定のTHE鑑識官Flie.2に収録される……はず!
PS2版SIMPLE2000 THE鑑識官の続編ではあるんだが、
本作からでも楽しめる内容になってるので新規プレイヤーも安心して欲しい。
とはいえ、PS2版もデキ良いのでなんらかの形で出して欲しいもんだね。

THE鑑識官の舞台は近未来。
警察学校を卒業して一年目の鑑識捜査官である江波識子が主人公だ。
立ちふさがる数々の事件に科学捜査で立ち向かっていくADV!


そして識子の相棒は
先祖代々伝わる十手に宿ってるご先祖様の幽霊である査之介と
代々、江波家に住み着いているネコマタの鑑太の2人という、
もう科学的なんだかオカルトなんだか分からない顔ぶれ!
まあ鑑太に現場を見張ってもらうとかはするものの、
事件そのものにオカルトが関わってくることはあんまり無く、
「鑑識官、幽霊、妖怪の3人がドタバタしつつ科学的に事件を解決!」というノリが楽しい。

ゲームはシナリオに沿ってマップをあちこち移動しつつ、
現場をタッチで調べて証拠をゲット。
それを専門家の皆さんに調べてもらって真相に迫っていくという流れ。
法医課、科学課、情報課、交通課、指紋課、物理課、生物課、心理課とあり、
例えば現場で怪しい指紋をゲットしたら指紋課に回して調べてもらったりのだ。
この専門家の皆さんも個性的で実にいい味してる。

ひいおじいさんがフランスの大泥棒という肩書きを持つ指紋課のシモーヌさんとか。
死体の話がめっちゃ大好きで話し始めると止まらない法医課の古畑さんとか、
とにかく昆虫大好きな植木さんとかね。

一番お世話になるのが科学課の芦茂さんかな。
どこに回せばいいのか分からない証拠品はとりあえず芦茂さんにぶん投げればいいことが多い。
タイトル画面に何故メインキャラみたいな扱いでいるのはそのせいだろうか……。
毎回、識子さんを口説こうとしてスルーされる役回りの人です。

俺のイチオシは情報課のかんこさん!
このシンプルなデザインと丁寧な口調と有能っぷりがお気に入りです。
疑似人格インターフェースというプログラム上の存在でTHE推理とのリンクの一つでもあったり。
アヌビスのADA、フラジールのPF、そしてTHE鑑識官のかんこさん。
この3人が日本3大萌えAIと言われている(絶対SIMPLE主義 調べ)。

WiiUのゲーム&ワリオになんか似たような人が出てきた時は笑った。
さすがに偶然だろうけども!

遠山の金さんの子孫でTHE鑑識官DSからの新キャラである遠山・ゴールデイ・桜は心理課!
可愛いんだけどメインキャラの割に1~4話だとあんまり出番が無いから残念。

証拠品を探すパートではアルミニウムの粉で指紋を採集したり、
現場に残された足跡をライトで探したり、
バラバラになったレシートをパズルのように復元したりといったミニゲーム的なシーンもあり、
これも捜査のいいアクセントになっている。
DSの「逆転裁判 蘇る逆転」の追加シナリオもカガク捜査がメインだったが、
THE鑑識官の方がずっと先だぜ!
シナリオを楽しむというよりは、色々な方法で証拠品を探し出したり、
担当から証拠品にまつわる調査結果やそれに関するウンチクを聞いたり、
個性的なキャラのやり取りを堪能したりといった過程を楽しむゲームに近いかな。
いや、別にシナリオが悪いわけじゃないんだが、1~4話は地味な話が多いんでね……。
4話は識子さんのはしゃぎっぷりやシリーズ通しても貴重なダイバースーツ姿。
思わぬ広がりを見せる事件などなかなか面白い話だけども。
全シナリオクリア後は後日談が解禁され、
「あの事件はあの後どうなったのか?」を見れるようになる。
事件終了後の話ということでほのぼのした会話が多いのがいい。
THE鑑識官ファン待望の新作シナリオである「危ないマープルさん」は
ボリュームが他のシナリオの半分以下という短さで残念。
ただ、最近の時事ネタを取り入れた内容で、
「
2013年にTHE鑑識官が復活した」って実感が湧いてきて遊んでて嬉しくなったぜ。
短いけど「意外かつ完全な新キャラ」も登場するし話も面白いので満足感はあったね。

新シナリオ以外での3DS版とDS版の違いとしてはグラフィックの解像度の高さ。
上がDS版で下が3DS版。キャラの絵がくっきりしていて非常に綺麗。
立体視にもきっちり対応しているぜ。キャラ絵が背景より手前に表示される程度だけども。
3DS版の欠点はまずボイス演出がカットされてしまったこと。
DS版では捜査開始時などの節々で識子さんのセリフが流れたんだが3DS版では全カット。
あれが良かったのに……。
あと、THE鑑識官は寄り道をするとちょっとしたサブ会話イベントが発生することがあるんだが、
何故か今回の3DS版は2話のサブ会話イベントだけカットされている。
元々、2話は他のシナリオと比較して描写不足で完成度が低い話だったのに
今回のサブ会話カットで更にアレな話になってしまった……。
サブ会話は基本的に見なくても問題ないものばかりなんだけど、
2話だけはサブ会話イベントを見て無いと後日談が意味不明になったり
意味不明な証拠品が残ったりするのにカットしちゃダメだろ!
むしろ強制的に挟むように変更してもいいくらいだったのに。
ソフト容量が「3909ブロック」という異常な数字でSDカードを圧迫するので、
残り容量が少ない人はここも要注意。
いくらグラの解像度高いからってこの数字おかしいぞ?!
セーブデータが一つだけ。
画面左上にハテナマークが出てる時の選択肢をミスするとクリア評価が下がり、
ミスし過ぎるとそこでゲームオーバーになってタイトル画面に戻される。
5話目のシナリオを出すのには各シナリオのクリア評価を一定以上にする必要がある。
と、DS版そのままなんだけど今出すならもっと遊びやすくして欲しかった点もチラホラ。
シナリオの出し方は説明書にも一切書いてないので大分不親切だ。
DS版だと8話を出すのに全シナリオをノーミスでクリアする必要があったので、
それに比べると全話をノーミスでクリアしなくてもいい3DS版は緩和されてるし、
高速スキップがあるのでマメにセーブすればそこまで時間は掛からないものの、
この仕様自体がやはり蛇足に感じる。

全話クリアまで遊んで3時間ほど。
過去作をプレイしてると劣化している部分や手を入れて欲しかった点が目に付くものの、
7年ぶりにTHE鑑識官が復活という希望は何ものにも代えがたい……!
500円という低価格と、
サクッと遊べる内容のお手軽さでシリーズ初プレイの人には十分勧められるデキ。
嘘と同じように、真実もその痕跡を残す!
再び走り出したTHE鑑識官の第一歩を楽しんでもらいたい!
※追記アップデートされて容量が1000ブロック程度となり大変ダウンロードしやすくなりました!
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まさかこれ無圧縮のデータ使ってるのかね