
かつてボンボン系列の雑誌であるデラックスボンボンで連載していた
カードダス少年団の単行本を先日通販で購入。
子供の頃にリアルタイムで読んでて大好きだったマンガで、
今読んでも面白かったので紹介しておくぜ。今回は単行本1巻の3話までを紹介!
カードダス少年団は1990年頃から連載開始したマンガで作者は細井雄二。
細井雄二は色々描いてるが、
ネットだとやはり「コミックボンボン版 餓狼伝説」が一番有名だろうか。
内容は当時大ブームだったSDガンダムのカードダスを題材にしたマンガ!
カードダス自体は販売形態や種類を変えつつ2014年現在でもまだまだ現役だが、
カードダスが生まれたのが1988年、最初のSDガンダムのカードダスが販売されたのも1988年。
デラックスボンボンが出版されたのは1990年なので、
最初のブーム真っ只中に連載開始したマンガということになるのかな。
今だと4枚100円のカードダス販売機とか、
1回100円でゲームを遊ぶとカードが1枚出てくるデータカードダスなどが主流だが、
当時は1回20円のカード販売機のみだった。
この機械により当時のチビッ子達は脳神経を焼かれ、キラカードが出るまで小銭をつぎ込まされたのである!
今の時代とあんまり変わんねーな!
俺も当時は騎士ガンダムのカード目当てにカードダスを回し、
今は仮面ライダーディケイドのカード目当てにデータカードダスをプレイしてるので進歩が無いぜ……!

カードダス少年団の主人公はカードダス大好きな守、清水、五郎の3人。
カードダスの機械から出てきたザクのカードに導かれ、SDガンダムカードダスの世界にワープしてしまう。
清水ちゃんのデザインは今見るといろいろと凄いな!
役割自体は熱血担当、頭脳担当、ギャグ担当のお約束メンバーね。
カードダスの世界に到着するといきなりゾックに襲撃を受けるが、
3人を呼んだザクの助言により切り抜ける。

そして
「カードのキャラだから背中が真っ白」という納得できるような納得できないような描写が挟まる。
うん……うん?!
今見ても斬新な解釈だと思う。

カード魔王、SDヨネーダによって支配されたカードダスの世界を救ってもらうために
生き残りであるザクがカードを愛する3人を呼んだという話の流れだ。
ヨネーダって当時の担当編集っていう情報を貰ったんだけどそうなのか……。
あからさまに日本名だからな!

「カードダス100枚もてる力もち!」
普通の少年である3人がカードキャラ達とどう戦うのか、という部分もしっかり説明がつけてある。
カードダスの世界なので、相手よりHPの高いカードを投げて貼り付けると
行動を停止させることが出来るという実に分かりやすいルール!
相手キャラのHPが頭に入れた上で、カードダスを沢山持っていないと戦い抜けない。
カードダス好きの少年じゃないといけない理由になってるな。

別の話からだが戦闘シーンはこんな感じ。これはわかりやすい!
SDガンダムのカードダスは一応対戦ルールもあるんだけど、
基本的にはHPが大きいカードが勝ち!という単純なものなのでこれが一番無難な形ね。

そしてSDキャラ達との戦いを潜り抜けてダース・ベイダー風デザインの魔王ヨネーダとの決戦へ。
「カードダスにくずなんかない!1枚1枚それぞれがすばらしいものなんだ!」

SDヨネーダのHPは1000!
当時のカードダスでHP1000以上のカードは存在しないんだが、
カードを愛する心と1つになることで、HP0だったザクのカードがHP2000に!
くらえっ!ハイパワースーパーHPカード!こうしてカードダスの世界に平和が訪れた!
というわけで1話終了。ここまでで30ページ。
月刊誌のオリジナルマンガだけあって話のテンポが速いぜ。

1話はほとんどカードダス少年団とザクだけで話が進んだが、
2話では武者ガンダム達が本格的に登場。
このコマの武者ガンダム達は絵柄が原作のカードっぽい!
そして今後、何回も使いまわされたりするコマでもある。

平和なカードの世界に異変が起こったことを察知した3人が
再びカードダスの世界へ行くことになるんだが、
「こりゃあまたカードの世界になにかおこったのかも…」
「いってみるか カード世界へ…」というセリフだけで普通にワープしてる!?
いつの間にそんな能力を身につけたんだ……。
1話は無難なホビーマンガっぽいノリなんだが、
2話から作者である細井雄二のセンスが色濃くなってきてグッと面白くなってくる。
平和になったカードダス世界に怪しい黒雲が広がっており、調査に出かけた武者ガンダム4人衆も帰ってこない。
修行から戻ってきた末っ子の武者ニューガンダムが
1人で調査に出かけようとするのをみんな止めていると黒雲から謎の光が。
光を浴びたSDキャラ達の様子がおかしくなるのを見たカードダス少年団たちは、
武者ニューガンダムと共に黒雲の正体を探りに行く!という話。
やっぱ武者ガンダムとかが出てくるとテンション上がるね。

黒雲を追いかけていくとガンダムの顔をした巨大な岩が!

名前は「鬼岩堕霧城(きがんだむ じょう)」だそうな。なんと武者イズムに溢れた当て字……!

鬼岩堕霧城で敵として待ち構えていたのはなんと調査に出かけたはずの武者4人衆。

4人の心は悪に染まっており、カードの顔部分も妙にリアルなガイコツに!

このホラー描写が子供の頃大好きでねえ。
今見ても不気味でいいシーンだわ。

元凶は魔帝国副指令という、あからさまに今後もっと格上のヤツが出てくる肩書きを持った魔王ベーダ!
ヨネダさんは下っぱの魔王だったんだね……。
兄を思う武者ニューガンダムの涙が4人を正気に戻し、いよいよ決戦!

5人の武者ガンダムが1つになった最強カードで見事にベーダを撃退。2話決着だ。
このカードの絵柄だけでもう燃えますね!

そして3話は……ってこの単行本、3話と4話の番号が入れ替わってる?!今気づいたわ!
まあとにかく第3話の「ボールのかなしみ」。これは名作だぜ。

魔王ヨネーダ、ベーダに続く新たな敵SDケーダが登場。
カードダス少年団は眠っている間にカードダス世界にワープさせられてしまう。

今回のカードダス世界はあちこちが燃えている。
「カード世界は紙の世界…少しの火でももえあがる…」という、
「カードだから背中が真っ白」に続く納得できるような出来ないような理屈で危機に!
ボールによって他のSDキャラ達が避難している場所に案内されるが、
そこで待っていたのは魔王ケーダ!罠だったのだ!
ボールは操られていたわけでもなんでもなく本心からの裏切り。
ケーダによって操られたSDキャラの大群がカードダス少年団に襲い掛かる。


ボールが裏切ったのは、人間は新製品のカードやHPの高いカードばかりを大事にし、
自分のようなHPの低いカードや古いカードを大事にしてくれない……というのが理由。
このボールの妙に生っぽい目の表現がいいね。
2014年現在でもまったく古びない展開である。
1話と2話でも描かれた展開の総決算。
レアカード以外も大切にしよう!みたいなのはカードゲーム系のマンガだとお約束だけど、
このカードダス少年団はトレーディングカードって単語すら無かった1990年に描かれたことを考えると
かなり先進的な内容と言えるかもしれない。

そして、カードダス少年団が捨てられていたボールのカードを拾って
テープで補修して持っていたのを見て落涙するボール。ようやく自分が間違っていたことに気付く!

そのボールの声を聞いて武者ガンダム達も使いまわしのコマで登場!
新規で書かれた武者ニューガンダムだけ露骨に作画が微妙なのが泣ける。
武者ガンダムは操られなかったの?って疑問に対しては

自らの体に刀を突き刺して痛みで洗脳に耐えた!という漢回答。
さすが武者ガンダム……!武者に同じ技は二度通じない!

眠っている間に連れて来られたからカードは持ってないだろう!
というカードマンガとして割と反則に近い作戦をやってきたケーダに対して、
「おれたちはカードダス少年団だ」
「いついかなるときだって 愛するカードをはなしはしない!」と返してカードを突きつけるカードダス少年団もさすがである。
俺も見習ってSIMPLEシリーズを身につけたまま寝たほうがいいかな……。
カードを身につけたまま寝たらカード痛むんじゃねーの?!というツッコミは置いておいて。
ボール達と力を合わせてケーダの撃退に成功して3話は終了。
いやあ、今読んでもハッタリの効いた描写に良い意味での突っ込みどころに古びない展開で面白いね!
ここまでは1話1エピソードだったが
4話からは騎士ガンダムの世界を舞台にした長編エピソードがスタートする。
「カードを題材にしたマンガ」として抑えておきたい展開は大体やったからか、
色々なSDガンダムキャラが入り乱れるお祭りバトル的なノリが強くなってくるが、
そこは細井雄二ということで実に味わい深いストーリーが展開される。
4話以降は次回紹介するぜ。
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