
Stick it to The Manのレビュー行くぜ!(頭からピンクの触手を出しながら)
Stick it to The Man | ソフトウェアカタログ | プレイステーション® オフィシャルサイトStick it to The ManはRipstoneから1000円で配信されたPS4ダウンロード専用ソフトだ!
開発はZoink。PC版も同時配信されている。
内容はヘルメットの耐久実験の仕事をしている主人公のレイが、
仕事帰りに空から降ってきた謎の物体と衝突!
病院で目を覚ましたレイは、自分の頭からピンク色のクニャクニャした腕が生えていることに気付く!
この自分以外に見えない腕には脳をスキャンして他人の思考を読み取る能力と、
物をステッカーに変換して剥がす能力が備わっていた!
戸惑って彼女に相談してとりあえず精神科の先生に診てもらおうか、
などと考えるレイに謎の組織の追っ手が迫る!
というストーリー。
ひょんなことから不思議な力を手に入れた主人公が謎の組織に追われる……。
と書くとなんか普通のゲームみたいですな。全然普通じゃないんだけども!

事故で気絶した主人公が夢の中で自分の姿をした巨大ロボットを発見。
ピンクの象がロボの脳部分に汁を注いでおり、そのせいで謎の生物が溺れそうになっているので汁を抜く。
心臓部には心臓の形をした犬と主人公のカノジョが住んでいて、
心臓の形をした犬が行方不明なので探しに行く。
犬を誘導するために骨が必要なので、ガイコツになっている海賊から腕の骨を貸してもらう。
この一連の流れの後に目が覚めるとそこは病院。
病院を叩き出されて途方に暮れる主人公の頭からピンク色の腕が!
というのが冒頭シーンだからな!
このゲームでは軽いジャブ。

ジャンルは2Dのアクションアドベンチャーかな。
キャラクターは紙みたいにペラペラで、背景もジオラマみたいな作りになっている。
いかにも海外ゲーっぽいアクの強いキャラクターに、密度が濃くて雰囲気作りバッチリの背景美術がステキ。

操作は左スティックで移動。×ボタンでジャンプ。方向キーで持っているアイテムの切り替え。
右スティックでピンクの腕を操作可能で、タッチできるものを右スティックで狙いを定めてR2ボタンでタッチ。
「ピン」にタッチすればピンクの腕を引っ掛けてそこにジャンプ出来るし、
特定のアイテムにタッチするとそれをステッカー化して持ち運びすることが出来る。
L1ボタンを押してから他人の頭にタッチするとそのキャラの思考を読む。
△ボタンでデモスキップ。セリフ再生中に左スティックで早送りと巻き戻しだ。
基本的な流れはマップを歩き回って困っている人やトラブルを探す。
それを解決できるようなアイテムを探す。
見つけたらステッカー化して持ち運んで解決する。
大体この繰り返しで先に進めるようになっていく。

□ボタンで表示できる全体マップで現在位置と話かけれる人と調べられる場所が一発分かるので
ゲームとしてはかなり親切な作りだ。
ちなみにこの悪夢みたいなマップ、全ステージでデザインが違うという凝りっぷりです。
追跡してきて触ると一撃死の敵キャラもいるけど
死んでもチェックポイントからすぐ再開出来るし、難易度はそこまで高くない。
どこにどのステッカーを使うか?という謎解き要素もあるが、
これも総当りで解けるのでゲーム性は低めかな。雰囲気ゲーと言っていいだろう。
しかしストーリーや解決方法、登場キャラが常に斜め上過ぎて遊んでいて頭がクラクラしてくるぜ。
普通、こういう「相手の思考が読めるゲーム」だったら
セリフではマトモな事を言ってるけど思考では狂ってるとかそういう作りにしそうなもんだが、
このゲームはセリフも思考もどっちもマトモじゃない連中ばかり!
おい、心が読めるゲームとして成立してねーぞ!
本格的にゲームが始まるステージ3は
家に帰ろうとするレイがタクシーに乗ろうとしたら、
そのタクシーの運転手が恋人をマフィアのドンに取られて悲観して自殺しようとしてる。
運転手を助けるために恋人とのヨリを戻そうとレイが奔走する展開だ。
タクシー運転手が失恋で自殺したらタクシーで家に帰れないからね!

マフィアのドンと運転手のカノジョはダンス大会にエントリーして踊ってる。
マフィアのドンはダンス大会で優勝するために有力候補を始末しようとしている。
有力候補を探してみるとマフィアの下っ端2人に車のトランクに放り込まれて処刑寸前。

トランクの中で「キャビアも食べてないし、
シルヴァーサーファーのゲームもクリアしてねえ」と悲観に暮れる有力候補。

近くにそのマフィアの下っ端2人を噛み殺したがっている犬がいるので歯が丈夫なワニを探す。
ワニは下水管の奥にいて出てこないのでエサが必要。
レストランに行くとゾンビの腕の煮物を作っているシェフがいるのでステッカー化して持っていく。
煮物に釣られて出てきたワニの歯をステッカー化してさっきの犬の口に移植する。
マフィアの下っ端2人が逃げるので有力候補を助けられる……。
と、いきなりこんなノリである。
ちなみに下っ端2人の兄弟で名前はマーリオとルーイジね。
「謎解きは総当りで解ける」って書いたけど総当りじゃないと解けねーよこんな展開!

ステージ3以降もどんどん凄まじい展開になっていき、舞台も墓場や精神病院や精神世界などへ。


自分をジョロウグモだと思い込んでる女に、ロボトミー手術狂の医者の幽霊。
生きている動物を剥製にするのが大好きな女、ゴリラ、おヒゲのおばちゃん。
ペットのワニを溺愛していてハグしたがるんだけど、
よく見ると両手と足が義手と義足になってる男などなど。
とにかく1度見たら忘れられないような強烈なキャラクターが続々と登場。

セリフもいちいち面白いんだよなあ。
「知らない人に頭の中でションベンされたくないよ!」なんてセリフが聞けるのはこのゲームだけ!

各植民地で話題になるわなこれは!

ステージ開始時に表示されるアイキャッチもまた濃い。

とにかくどこを切り取っても脳汁が噴出してくるような、こってり濃厚ヤク漬けゲームである。
ただ、出てくる登場キャラって悩みや寂しさを抱えていたり、どうしても譲れないものがあったり、
幸せになろうと努力していたりと、一生懸命生きてる姿がヤク漬け展開の合間に描かれているヤツが多くて、
ヘンテコな連中ばかりなんだけどたまにグッとさせられるんだよね。

幸せを取り戻したタクシー運転手の
「ここまで起きたことは二次ソーサクさ!こっからがコーシキだ!」ってセリフはこのゲームでも屈指の名セリフ。
翻訳は漢字がちょいちょいおかしかったりはするが、
全体的にはゲームの雰囲気にマッチしていてかなりいいと思う。
最終ステージの邦題もこのゲームのシメにピッタリで素晴らしい。

ちょっとしたアクション要素や謎解きはあるものの、
基本的には一本道の総当りアドベンチャーゲームでゲーム性はそんなに高くない。
クリアまでは3~4時間ってとこかな。
このアクの強いキャラクターと世界観が好きになれるかどうかがすべてのゲーム。
沢山いるキャラはみんなフルボイスだし、背景の凝りっぷりも見事。
見た目はヘンテコだが分かりやすいマップがあったりと作りは親切。
ネジが外れきった展開の合間にキラリと光るセリフ。
「なんだこのゲームは?!」と最初はひっくり返ったが、
クリアする頃にはキャラと世界観がとても好きになっていたぜ。またBGMもいいんだわ。
キャラやセリフ回しに何か感じるものがあった人や、
脳ミソをヤク漬けにしたい人は1000円払って今すぐダウンロードだ!
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「なかなか…濃いレビューだったよ」