SIMPLE 1500 vol.31 THEサウンドノベル D3公式
PSストア-SIMPLE1500シリーズ Vol.31 THE サウンドノベル2000年の7月13日に発売されたSIMPLE1500 THEサウンドノベルのレビューだ!
開発はオー・パーツ。
実はあの名作「学校であった怖い話」や「晦(つきこもり)」のスタッフが多く関わっていたりするのだ。
まあ、そこ期待しちゃうとちょっと辛い内容ではあるんだが。
タイトル通り、文章を読むことでゲームが進み、選択肢を選ぶことでストーリー展開が変化するサウンドノベルだ。
>洗練されたシナリオ、グラフィック、サウンド、
>そしてデュアルショックの突然の振動が、
>プレイヤーの感覚・視覚・聴覚・触覚を刺激。 この公式サイトの自身満々のフカシっぷりは嫌いじゃないぜ。

ゲームを開始すると表示される副題は「闇き森の果て」。
山奥のお屋敷で家庭教師をしているガールフレンドを車で迎えにいくことになった主人公。
道中で同じくお屋敷に用事がある人たちを乗せていくが、到着と同時にトラブルで車がパンク。
しかたなく屋敷に泊まることになった主人公たち。
どことなく奇妙な屋敷とそこに住む人々。巻き起こる恐ろしい事件!
果たして主人公は事件の真相を暴くことができるのか!

と、かなりベタベタな設定ね。
登場キャラはシルエットで表現されており、かまいたちの夜に影響を受けた作品のひとつと言える。
スーパーファミコン~プレイステーションの時代はこういうタイトル凄く多かったなあ。

影響受けてるのがバレバレだからって、何も関西弁の社長キャラまで出さなくてもいいだろ?!
登場キャラは主人公にヒロインに社長に社長秘書にミステリアスな双子の姉妹に厳格な執事。
新人メイドに軽薄な男に、屋敷の主にして怖い老婆などなど。
いかにもという面子だがそれぞれキャラは立ってる。

屋敷に到着早々、ライフルをぶっ放すメイドさんがお出迎えだ!
ストーリーは大きく分けると「ミステリー編」と「迷路編」といったところかな。
途中の選択肢でストーリーが分岐し、エンディングは全11種類。

メインのシナリオはまずまず。
何気ない描写が真相に繋がる手掛かりになっていたりと、しっかりミステリーしてる内容だ。
「あれが伏線だったのか!」「死体の場所そこだったか!」と終盤は驚かされる。
キャラだとやっぱ双子の姉妹である綾乃と真彩が好きだなー。
ライフルメイドの千晶さんもいいね。
反面、選択肢や分岐するストーリーに遊びが無さ過ぎる印象。
大きく分岐する2つのシナリオ以外にはルートが無く、
ギャグっぽいルートやお遊び的な選択肢もないため、
選択肢によってシナリオが大きく変わる感じがあまりしない。
本編のボリュームが少ないせいもあって掘り下げ不足に感じるキャラも結構いる。
まあ、11種類あるエンディングだと
それまでの設定を無視したいきなりの超展開に突入して
そのまま終了してしまう一発ネタみたいなのもいくつかあってそれは嫌いじゃなかったが。
なんだよ幻覚って?!
いきなり登場した女妖怪に気に入られるエンドは怖さとドキドキが入り混じる空気がお気に入りです。
11種類あるエンディングは全部見たんだけど、
なんかこう、真相を全部突き止めたのに割と投げっぱなしだったりモヤモヤしたまま終わるものが多かったなあ。
読み終わった後に安心できるトゥルーエンディングみたいなのがひとつ欲しかった。
しっかりした作りのミステリー編に比べると迷路編は微妙。迷路を探索するパートが長くてそれ以外が唐突で。
サウンドノベルなのにBGMの種類が非常に少なく、大半のシーンが無音なのも寂し過ぎる。
ここぞというシーンではエフェクトが入ったり悲鳴が上がったりはするものの全体的にチープ。


システムはバックログにメッセージ速度変更。セーブデータも15個まで残せるんだが、
肝心のスキップ機能が無く、チャプター選択みたいなものも無いため、
エンディングを見たら最初からやり直すかセーブデータからやり直すかの2択。
メッセージ速度を最速にすれば一気に進むんだけどそれはそれとしてスキップが欲しかった。
演出とかは飛ばせないわけだからね。
スタッフロールが飛ばせないのも地味に面倒だった。

設定もシナリオもシステムも演出も非常にオーソドックスで手堅い作り。
決して悪いデキではなく、今プレイしても読み物としてなかなか楽しめる内容ではある。
ただ、低価格なだけあって全体的にチープだったり、作りがやや真面目すぎる印象だ。
そういう言い方をするとまさに「THEサウンドノベル」という内容でむしろ良ゲーか。
SIMPLEシリーズじゃあないが、同じ低価格シリーズで、唐突にエヴァ風の演出が挟まったり、
巨大式神と巨大妖怪とのバトルシーンで妙に力の入ったCGムービーが流れたりするはっちゃけっぷりで、
そのはっちゃけぷりを抜いたら何も残らない「SuperLite1500 魔紀行 」と足して2で割ったら丁度良くなるかも。
当時は1500円で今なら309円。
文庫化された元ハードカバーのミステリーを読むつもりでプレイしてみるのも悪くないぜ。
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作りが真面目すぎるって評価は完全に不意を突かれたような印象
低予算ゲーではっちゃけたら、結局その他の出来が悪くなるだけだと思うけどなあ
真面目に作った上でさらに何かやれってのは低予算ゲームに対して無茶言いすぎ
こういうノベルゲームは低予算でも良作を作りやすいジャンルだし、真面目に良作を作る路線で正解だと思うが
安心出来るトゥルーエンドみたいなのも個人的には別になくていいな
話自体はちゃんと終わってるし、最後までなにか薄気味の悪さみたいなのが残ってるのがこのゲームの良さだと思う
そういう点で考えると、ギャグ選択肢みたいなのが少ないのもむしろ正解に思える
UIは確かに不満…だけどこの時代ならこんなもんかなとも思う
分岐しそうな選択肢に来たらこまめにセーブすると吉か
まああとサウンドノベルなのに全然サウンドねえなってのもこのゲーム遊ぶと誰もが抱く感想だよなw