SIMPLE1500シリーズ Vol.71 THE 恋愛シミュレーション2 ~ふれあい~ D3公式
PSストア SIMPLE1500シリーズ Vol.71 THE 恋愛シミュレーション2 ~ふれあい~メリークリスマス!
ということでクリスマスに相応しく、2001年8月30日に1500円で発売された
SIMPLE 1500 THE美少女シミュレーション2 ~ふれあい~のレビュー行くぞ!
現在はゲームアーカイブスで309円という気軽に触れ合える価格で販売中だ!
クリスマスと言ったらギャルゲーだよな!
開発はお馴染みヒューネックスとなっているが、
元々は同人ゲームとして頒布される予定だった作品。紆余曲折あってSIMPLEシリーズへ。
「ファーストKiss☆物語」のメインスタッフが企画・シナリオで関わっていることもウリの1つとなっている。

ちなみにドリームキャストで展開された「SIMPLE2000シリーズDC」でも発売されているぞ。
基本的な内容は変わらないが、解像度が上がっている。
そもそもドリキャスでSIMPLEシリーズ出てたことを知らない人も多そうだ……。
PS1のSIMPLEシリーズで出たギャルゲーを高解像度で再発売という、
「ドリキャスと言ったらギャルゲーだろ!」なレーベルだった。
2とついているが、1作目に当たる
「SIMPLE1500 vol.36 THE恋愛シミュレーション ~夏色セレブレーション~」とはまったく無関係の作品だ。
スタッフもメーカーも違うし、あちらはPCの全年齢タイトルの移植。
ややこしいと思ったのか、この後のSIMPLEシリーズのギャルゲーは
「THE恋愛アドベンチャー」とか「THE恋愛ホラーアドベンチャー」とか色々と細分化されていく。

タイトル画面でスタートボタンを押すとこのメニュー画面に。
こっちが本当のタイトル画面ということかな。
タイトルこそ「THE恋愛シミュレーション」となっているが、
文章を読み進めて選択肢を選んでいくだけの作品なのでただのノベルゲームである。
パラメータ上げとか移動パートとかスケジュール表見ながらデートに誘ったり
バイトしながら全国を旅したりとかは一切無しだ。

大学に落ちて浪人中の主人公、矢萩俊平が姉の命令で予備校でアシスタントのバイトをすることになり、
そこで様々な女の子達と出会っていく。5人+1人のヒロインと巡るひと夏の物語。
登場するヒロインは主人公の義理の妹、生徒としてやってくる優等生、
おっとり眼鏡、不思議ちゃんな後輩などなど実にお約束な設定!
主人公の顔は露出していていわゆる「エロゲ主人公」ではないし、名前の変更も出来ない。
主人公以外はモブキャラも含めてすべてフルボイス。
OPには主題歌アリと豪華な構成だ。主題歌はイマイチだが……!

背景は写真を加工したもの。
キャラの立ち絵は少なめと低予算ゲームっぽさは感じるが、
画面左下に表示されているキャラの顔表示はセリフに合わせた口パクと目パチがあって、
マンガっぽいエフェクトも組み合わせて実によく動く。
このおかげで立ち絵の少なさがまったく気にならない。低予算ならではの工夫だぜ。
っていうか立ち絵はフルプライス作品とかと比べたら少ないというだけであって、それなりに種類はある。
システム面もパーフェクト。
ボタンを押さなくても自動で読み進めてくれるオートモード、バックログ、バックログ中のボイス再生。
セーブデータは20個まで作成可能。
一度クリアすればかなりスピードの早い既読スキップも解禁される。
選択肢は一度方向キーを押してからじゃないとボタンが効かないので
ボタン連打しすぎてうっかり選択肢を選んでしまう心配も無い。

ゲーム内のすべてのシーンにはちょっとしたサブタイトルがついており、
セーブデータにはゲーム内の日付と一緒にサブタイも表示されるので、
どこでセーブしたのかが分かりやすい仕様になっている。
読み込みもほとんど無い。フルプライスのゲームと比べても遜色の無い快適さだ。
いや、これよりシステムの悪いフルプライスのADVだっていくらでもあるよなあ。

ストーリーは日常シーンの積み重ねで進んでいく気持ちいいくらいの王道展開。
1ルートはやや短めではあるが、ヒロインのキャラは立っているししっかりと面白い。
うっかり着替え中に部屋に入ってしまって怒られたり、
いたずらな風さんでスカートがチラリしたのを見てしまって怒られたりなんて展開もあって伝統芸能だわこれ。

色んな意味で懐かしさを感じさせる鋭角な絵柄と合わせて
なんだか90年代に迷い込んだような気分になってしまったぜ……。
いや2001年のゲームなんですけども。
この主人公、定期的に「たはは…」とか言うからな!
登場ヒロインの紹介と各シナリオの感想も書いていくぜ。

矢萩美幸。
主人公の義理の妹で、幼馴染でもあり妹でもある……みたいな距離感。
1人暮らしをしている主人公の元に毎日やってきて、
朝起こしたり食事を作ったりと元気いっぱいの世話焼きヒロイン。
主人公のことを「俊平ちゃん」って呼ぶとこがイイ。
当たり前のようにそこにいる妹の大きさに主人公が気づかされ、関係が進んで行くのが美幸ルート。
悪くなかったが終盤の主人公がちょっとヘタレ過ぎたのがマイナス。
とりあえず美幸ルートを最初に攻略するのがオススメだ。

他のヒロインのシナリオでも頻繁に登場して、主人公を励ましたり後押ししてくれたりするので、
必然的にプレイヤーからの好感度がどんどん上がっていく。
俺はヒロインの中では美幸が一番好きですね。

椎名愛思。
主人公がバイトしてる予備校の講習を受けに来ている高校生。
マジメな優等生なんだけどアクション映画好きな一面も見せたり。
大人になりたくて背伸びしすぎな愛思と、
目的が見つからなくてフラフラしてる主人公がお互い成長していくシナリオはまずまず。
終盤の、理由の無い悪意だけのモブキャラを出して話を進める強引な展開はやや気になったかな。
パッケージに描かれていていかにもメインヒロインっぽいんだけど……。
シナリオ的にどう考えても美幸の方がメインヒロインだと思う。

橋本千絵。
主人公と同じ予備校でアシスタントのバイトをする大学生。
眼鏡、おっとり、天然、頭が良くて教え上手。
主人公と美幸の関係も踏まえたシナリオの完成度は全ヒロイン中一番。
自分の過去の事で踏み出せない感じと、美幸のセリフがいいんだわ。
って、これ実質的に美幸シナリオ2では……。

全ヒロイン中、水着を見せてくれる唯一のキャラでもある!
シワを強調した水着の描き方に時代を感じる。
つーか夏が舞台のギャルゲーなのに水着が全然出てこないっておかしいですよカテジナさん!

寿まつの。
中学生だけど主人公のバイトしてる予備校に通ってる。
基本はツンツンした態度なんだけど急に甘えてきたりも。
基本立ち絵が忍者っぽいところが俺の中で好評。
シナリオがなんか説明不足というか「え、そういう話の流れになるの?」ってのが多くてちょっとノレなかったな。

登場キャラで顔が一番不安定な人でもある。
割とマジで二重人格や双子説を疑いながら遊んだぞ……。

香坂 遊穂。
主人公が高校の時に所属していたバスケットボール部のマネージャーで後輩に当たる。
頭の中がお花畑系女子。
子供みたいな言動でとにかく「センパイ!センパイ!」と騒いで主人公を困らせる。
3食シュークリームでもOKらしい。
全ヒロインで一番ぶっ飛んだルートが展開される。完全に別のゲーム!
だが……嫌いじゃないぜ!遊穂のアホっぷりも楽しくて慣れてくると癒される。

こちらは親友の芹沢麻弥。サブキャラなので攻略は出来ない。
「攻略できないサブキャラがやたら可愛い」というお約束も守ってるなこのゲーム……ッ!

※シリアスなシーンです

相原優気。
ローラブレードで逃げ回っていたところで主人公とバッタリ出会うキャラ。
特定条件を満たすと登場する隠しキャラに近い。
えっ、11歳の男の子を攻略できるのか!?と思ったがもちろん女の子。

美少女であるッ!
もうちょっと家庭環境の件を掘り下げて欲しかったところではあるが、
他のヒロインと毛色の違った展開は面白いし主人公への告白はなかなかグッと来るぜ。

そしてこの優気ルートにだけ登場する子供3人がやたら濃い顔なのが気になって仕方がなかった……。

基本はこの6ルートで、エンディングまでの流れで「ふれあいポイント」をゲット可能。
これで画像閲覧モードや3つのおまけシナリオなどを解禁していくという仕様だ。

すべてのおまけをアンロックすると声優のフリートークも聴けるようになるぞ。
って、片霧烈火!片霧烈火じゃないか?!優気くんの声かよ!

全ルートクリアしても8時間掛かるか掛からないかと言ったところか。
1ルートが短くシナリオは全体的にあっさり風味。
とにかくベタベタな内容で凄くよく出来ているというわけではないが、
システムは快適の一言で、おまけ要素も充実している。
低価格でサクッと遊べるまさに「THEギャルゲー」的な1本かな。
時代を感じる絵柄に抵抗がなければ手を出してみても悪くないぜ。
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このあとのKANONブームでやたらとヒロインが死んだり不幸になったりする
シナリオが押し寄せるに違いない