SIMPLE1500シリーズ Vol.35 THEシューティング D3公式PSストア SIMPLE1500シリーズ Vol.35 THEシューティング2000年の8月3日に1500円で発売されたSIMPLE1500シリーズTHEシューティングのレビュー行くぜ!
現在はゲームアーカイブスで309円というこちらのハートを撃ち抜くお買い得価格で販売中だ。
開発はCyberDreams&C.I .I .。
当時テレ朝の深夜に放送してた才能発掘番組「D's Garage21」で
SIMPLEシリーズの企画を募集するというコーナーがあり、そこから生まれた作品第一弾だ。
ちなみにTHEシューティング以外だと
THEヘリコプター、THEダーツ、THE迷路、THEスキー、THE水泳、THE登山RPGがD's Garage21生まれ。
内容はタイトル通りの2D横シューティング。
全5ステージで、合間にフルCGのムービーも挿入されるのがウリなのだ。


今見るとなかなかキツいムービーですな!
いや、発売当時から歯がキモいとかノリが寒いとか割と散々言われてたんだけども。
当時番組のアシスタントをやっていた桃井はるこさんもマスコットメカの声を担当しているぞ。
加工されてるのでかなり分かりにくいけどね。
モードは通常モードとトレーニングモードの2種類のみ。
オプションではキーコンフィグに、一度クリアすればステージセレクトも追加される。
難易度はプレイヤーの腕前によってリアルタイムで変化……らしい。遊んでてよく分からなかったが

横シューティング。
自機に合わせて動き回るオプションと一緒に発射する通常ショット、
ゲージを消費して極太レーザーをぶっ放すオーバーウエポン、
ゲージを消費して攻撃判定のあるバックファイアを出しながらのブースト移動、
ボタン押しっぱなしてロックオンして離すと発射のミサイル。
この4つの武器を使い分けて進んでいく構成だ。
パワーアップやアイテムの概念は無い。
ゲージはオーバーウエポンとブーストで共通。使わずにいると回復。
ブースト中は一瞬だけ敵弾をすり抜けられる。
オプションはショットを出している間は向きが固定されるので、
上手く角度を調節すれば斜めや後ろの敵も狙い打てるってわけよ。
ミサイルのロックオン範囲もオプションの向きで変化する。

パッと見ただけでサンダーフォースVの影響がハンパ無いことが伺える1本である。
オーバーウエポンとかそのまんまじゃねーか!
バックファイアなんかはライザンバーに近いが。

海上→海中→また海上に出てボスのステージ2とか凄まじい既視感だぜ……!
なんかウインドウとかレイアウトも似てるよね。
そもそも機体デザインがそのまんま過ぎるだろ!


ステージは溶岩や宇宙、基地、海とお約束なシチュエーションが揃ってるし、
ボス出現時にはカメラが切り替わって登場演出が挟まる。
うーむ……THEシューティング!
グラフィックは粗いが、最終ステージの背景の奥行きなど。
じっくり見ると背景は結構作りこまれていることがわかる。

ムービーは全部読み込みなしでカット可能なのが親切といえば親切。
全5ステージすべてにCGが挿入され、最終ステージとエンディングはかなり長い。
公式によると20分以上か!しょーもない会話のムービーが延々と続く!
豪華なのは確かだが方向性がちょっとおかしい気がするよ!
でも「海ってのは戦闘機で行くところじゃねーんだよ!」ってセリフは嫌いじゃない。
ラスボス戦の基地内を飛び回っての砲撃戦のムービーもなかなかカッコいい。
BGMも意外にデキが良くて種類も豊富だ。
どっかで視たような要素満載だが、シューティングとしてはそこそこ楽しい。
ボスの攻撃パターンなんかはきっちりしてるし、
角度の変わるオプションで狙い撃つ面白さもある。
ブーストで敵弾を突っ切った時と、バックファイアで敵を潰した時にコンボボーナスが入るし、
ブースト中は敵弾を一瞬だけすり抜けられるので、
ゲージの残量に気をつけながらバシュバシュ敵弾の中を暴れまわるようなプレイになるかな。
画面端でブーストを使うとその場に留まったままバックファイアを浴びせられるので、
これを上手く使うと敵の迎撃がやりやすかったり。
ちなみにコンボボーナスは特定の敵を素早く倒す以外ではブースト&バックファイアでしか入らないので、
スコアアタックを極めていくと、最終的に攻撃を一切せず、
ブーストのバックファイアと弾カスリだけで敵群をすり抜けるゲームになる。
もはやシンプルでもTHEシューティングでもない……!

トレーニングモードは「ショットだけで敵を倒せ」「ブーストだけで敵を倒せ」など。
15のお題に挑戦するモードでお手本を見ることも可能。
どのタイミングで指定された武器を使うかきっちり覚えて挑む必要があったりと、
トレーニングと言いつつ別モードとして結構楽しめる内容になっている。
ここだけのワイヤーフレームの背景に、倒すとノイズになって消える敵にはこだわりを感じるな。

難点は画面の見辛さ。
とにかく弾が背景に溶け込んで見辛い上に、
こっちがオーバーウエポンをぶっ放すとレーザーに敵弾がスッポリ隠れてしまうことも。
別にオーバーウエポン中は無敵でもなんでもないから普通に死ぬ。
ステージ構成もボスの動きなどはそれなりに考えられてるんだけど、
道中は「画面手前や奥からいきなりザコ敵が突っ込んでくる」タイプの初見殺しが多めでややストレス溜まる。
敵が手前にいるのか奥にいるのか、
それともこっちと同じ撃てる位置にいるのかがパッと見で非常に分かりにくい。
ミサイルで画面手前や奥の敵をロックオンできればいいんだけど出来ない。

板野サーカス風に煙を吹きながら最大16発の同時発射が可能なミサイルは結構いい動きをするんだが、
弾速が遅いのでボス戦以外だと使い辛いぜ。
オプションの向きで変わるショットの角度や、オプションの向きで変わるロックオン範囲などが
敵配置のせいであまり生かされてないんだよね。敵のバリエーションも少なめだ。

良くも悪くもシューティング好きな人が作った同人ゲーっぽい1本だぜ。
無駄に大ボリュームなムービー含めて当時の1500円のゲームとしては非常に気合入ってるんだけど、
こだわりが感じられる部分もあれば作りが雑な部分もある。
ボスの動き、特にどんどんボロボロになっていくラスボスなんかは結構好き。
値段を考えればそこそこ楽しめるが、システムをもうちょっと整理すればもっと面白くなったかな。
SIMPLEシリーズ界のガイアシードと言ったところか。
ちょっと妙なシューティングを遊びたい人なら309円出してみる価値はあるかも。
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