
SIMPLE2000 THE ダンジョンRPG 忍~魔物の棲む城~公式SIMPLE2000 THE ダンジョンRPG 忍~魔物の棲む城~のレビュー行くぜ!
本作は2002年12月19日に発売されたローグライクだ。
入る度に地形が自動生成で変化するダンジョンに挑む内容。
ランダムで登場するアイテムを臨機応変に活用して奥深くを目指す。
一度やられればレベルが1に戻され、アイテムも没収されて最初から。
成長するのはゲームのキャラではなくプレイヤー!
繰り返しプレイして立ち回りを身につけ、ランダム要素を乗りこなせ!
と、
SIMPLE1500シリーズでも出ている同じタイトルのレビューから文を使いまわしてみたが、、
そちらは開発元がミント&プロフェットでシステムも大分違う別のゲーム。
こちらは開発タムソフトで、内容もタムソフトらしさが炸裂していて俺の脳みそも炸裂しそうです。
以前からこのブログのコメント欄でレビューのリクエストを度々貰っていたので
そのリクエストに答えて今回レビューだ。内容は酷評になるがな!

ゲームの目的は地下50階にいるラスボスの激破。
主人公である忍者の玉蝉となり、魑魅魍魎が蠢くダンジョンを踏破するのだ。

なんかストーリーもあるみたいなんだけどムービーが最初と最後に流れるだけで、
ゲーム中は会話デモやイベントなどが一切存在しないので気にしなくていい。
ムービーの雰囲気は和風ノリで悪くないね。

ローグライクとしては非常にオーソドックスで、やられたら1階から再スタート。
アイテムを保管しておける倉庫や街やショップなども無く、完全な一発勝負だ。

このゲーム……褒めるところがほぼ無いッ……!
システムもバランスもボロボロだぜ!
最初に引っかかるのが操作性で、
3D表現されたキャラの動きが悪い意味で細かく、
アイテムを拾う時や床に置くときでもいちいちモーションが挟まるのでもっさり。
動きがもっさりしてるのにダッシュ機能が無いのでテンポも非常に悪い。
それでいて画面が主人公に近すぎるせいで見通しが悪くて遊びづらい。
ローグライクでは大体備わっている
「その場で足踏みをしてターンを進める&時間経過で体力を回復させる」という操作も無く、
体力を回復させたかったららもっさりした操作でウロウロするしかない。
とにかく操作性とテンポがひどい……。
SIMPLE1500のTHEダンジョンRPGは軽快でよかったのに!
1つの階が2層に分かれていることを公式ではやけに推しているが、
ワープゾーンで2つに分断されているだけなので「だからどうした!」って言いたくなるし、
次の階へ進むための階段を探す時に無駄に歩き回ることになるから短所だな!
満腹度や食料の概念はなく、アイテムや敵の個性も薄いので展開が単調。
拾えるのは状態異常回復アイテムと周りの敵にダメージ与えるアイテムばかり。
敵は使ってくる状態異常攻撃が違うだけ、みたいな使いまわしの敵ばかり。

そもそもなんで忍者なのかよく分からないくらい忍者要素薄い。
遠距離攻撃可能な手裏剣が使えるのがかろうじて忍者らしい要素か。
手裏剣でけえなオイ!
バランスも大味で、
アイテムの個性が薄いせいで強い装備を拾えるかどうかで勝てるかどうかがほぼ決まる。
ダンジョンも冗長だしひたすらにダラダラした展開が続く……。

本作の特徴と言えるのは状態異常の仕様だ。
オーソドックスな「毒」を筆頭に11種類が存在。

これには理由があって、受けている状態異常を「反転」できるアイテムが存在する。
例えば「回復するまで時間経過でダメージを受け続ける」という状態異常である「毒」。
これをアイテムで反転させると「時間経過で体力が回復し続ける」になる。
「行動速度が通常の半分になる」の「マヒ」を反転したら、
「行動速度が通常の2倍になる」となるのだ。
状態異常は重ねがけが可能なので、
反転させた毒で体力を回復させながら、反転させたマヒで2倍のスピードで行動なんてのもアリ。
状態異常攻撃をしてくる敵は非常に多く、
しかも状態異常は基本的に回復アイテムじゃないと回復できない。
すべての状態異常を回復させられる万能薬はそれなりに拾えるが、
回復したら当然反転させた状態異常も消えてしまう。
どのタイミングで状態異常を反転させるか、回復させるか、させないかが重要になってくるぜ。
毒を裏返して自らの糧にするというのは、なんとなく忍者っぽいような、そうでもないような。
この要素でゲームが面白くなっているかというと微妙なところで、
マヒ反転をつけて行動速度を2倍にすればほとんど一方的に敵をボコれる。
HPが1になるけど死ななくなる「不死」の状態異常になれるアイテムがそこそこの頻度で出現するので、
ピンチの時もこれを使えば圧勝!
一応、30階くらいからはマヒ反転を前提にしてるのか、2回行動する敵が大量に出てくるが、
2回行動する敵とそうでない敵がランダムで決まるっぽくて、見た目で判断つかないのが困る。
「不死」の状態異常は完全無敵かと思ったら
なんか攻撃で普通に死んだりすることもあってよく分からない……。
ラスボス戦は正面から殴るだけで完封できたから十分だけど。

50階でラスボスを倒した後は無限にダンジョンを進むことが出来る。
クリアだけで満足できない人は果てしなく潜り続けよう!
私は遠慮しておきます。
何百階と潜っても何も無かったという話もチラホラ聞いたな……。
このゲーム、いつでも中断できるんだけど、再開すると中断前と状況が変わっている。
なので、敵に囲まれてピンチの状況でも中断&再開で簡単に危機を脱出可能だ。
ズル技みたいなもんだから評価には含めないとしてもガバガバ過ぎるだろこれ!

単純にローグライクとしてめっちゃ単調でダルくてバランスも大味な1本。
和風っぽいけどダンジョンの背景がやたらケミカルでBGMも変。
状態異常を味方につけることが最重要のローグライクという切り口は結構面白いと思う。
しかしそもそもゲーム自体がちょっとした猛毒みたいな内容で、
俺はそれを最後まで裏返すことは出来なかったぜ……!
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「3Dは容量の許す限りモーション細かく付けたほうが映える」
っていう時代だったかもしれない。
「ターン制のローグライクRPG」をジャンルに選んだ段階で
90%は同じもので煮詰まってるし、差別化は難しい。
操作性を良くするには開発ノウハウももちろんだが、
ゲームシステムの親和性も大事だな。