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Wonder Boy: The Dragon's Trap|Nintendo Switchソフト|任天堂Wonder Boy: The Dragon's Trapのレビュー行くぜ!
メーカー:DotEmu
機種:Switch/PS4ダウンロード専用ソフト
ジャンル:アクションゲーム
発売日:2017年4月30日
価格:税込2200円
備考:Steamでも配信中
1989年にマスターシステムで発売された「モンスターワールドIIドラゴンの罠」のリメイク作品だ。
日本では未発売で、1992年にゲームギアソフトとして発売された横スクロールのアクションゲーム。
俺はオリジナルをやったことが無いので、Nintendo Switch版を新作としてプレイ。
探索型のアクションゲームとしてしっかりした作りで面白かったし、
圧巻の手書きアニメーションも凄まじかったぜ。
ただ、ボリュームも含めてあえて原作そのままの作りにしてあるせいで、
今遊ぶと古く感じる部分や理不尽な部分が多く、そこを割り切れるかどうかで評価は変わってくるかな。

ちなみにワンダーボーイではなくワンダーガールにも出来る。

ゲームは前作に当たる「モンスターワールド」の最終決戦からスタート。
メカドラゴンとの戦いに勝利した主人公だったが、メカドラゴン最後の呪いによりモンスターへと姿を変えられてしまう。
元の姿に戻るために魔法のアイテムを探すというストーリーだ。

ドラゴンじゃなくてゴジラに出てくるガイガンじゃねーか!って思ったら元からガイガンだった。
となると呪いではなくM宇宙ハンター星雲人の陰謀では?

本作の物凄いところはリメイクで追加されたグラフィック&BGMと、
オリジナルのグラフィック&BGMをいつでもボタン一つで切り替えられるところ。
グラフィックだけリメイクとか、音楽だけオリジナルとかも出来るし、
スキャンライン設定など更に細かくいじることも可能。


この2枚、まったく同じ場所でのスクショです。
原作を遊んでいなくても、リアルタイムで「リメイクの答え合わせ」が出来るから、
初プレイの人間でも「なるほどこう変えたのか!」と感動出来るスゴい仕様だぜ。
更にオリジナルのパスワードもそのまま使用できるこだわりっぷり。ヤバい!

ゲームは街を拠点に様々なダンジョンへ出向いてボスを倒していく構成。
ボスを倒す度にネズミ男や半魚人、ライオン男、鳥人間など新しい呪いを喰らってどんどん姿が変わっていく。
ネズミなら格子状のブロックに張り付ける、ライオンなら特定のブロックを壊せるなど。
姿によって異なる能力を駆使して進んでいく王道的な探索アクションだ。
序盤から行ける場所は多いが、
順番通りにダンジョンをクリアしていかないと通れない場所があるので攻略ルート自体は一本道。

とはいえ、それなりに広いフィールドをあちこち探索しながら宝箱を見つけたり、
変なところにあるショップを見つけて強い装備を買ったりして、キャラを成長させる楽しさはしっかりあるぜ。

ダンジョンも海底に火山に砂漠など様々。地の果てから海の底まで、世界中を舞台に大冒険だ!
かと思うといきなり和風のお城が出て来たりするのが面白い。
ザコ敵がたまに落とすサブウェポンも使いどころを見極めればなかなか強い。
直進するファイアボールに、真上に攻撃出来るアロー、
地面を動き回るトルネード、投擲武器であるブーメランなどなど。
どれも消耗品なので1度使うと無くなってしまうが、
ブーメランは戻ってきたところをキャッチするとまた使えるので地味に強い。
難所に備えてサブウェポンを沢山拾っておくのもアリ。

各地の病院と教会とショップの店員の一言セリフ以外にイベントが一切無いのが寂しいけど、
会話自体はちょっとクスッとさせられるものが多くて好き。

海の中にある病院にいくと看護師さんからこんなセリフ言われたりするのがイイ。


リメイクされたグラフィックも圧巻で、どんどん探索を進めたくなる凝りっぷり。
最初にも書いたが、グラフィックをいつでもオリジナルと切り替えられるので違いを楽しみながら進められる。
オリジナルだと黒い背景が延々と続く場所が、
リメイクではすべて違う背景に差し替えて変化を付けて合ったり、
それでいて雰囲気を壊さないように、より自然になるように気を使っているのがしっかり分かるクオリティ。


違うモンスターに変身するための変身部屋のグラフィックがこちら。
めっちゃカッコ良くなってる!この奥行きの表現ッ!
背景だけでなく、自キャラや敵キャラのアニメも非常に細かくて見ごたえアリだ。

しかし他のキャラが割とオリジナルに忠実なデザインでリメイクされてるのに、
ネズミだけ全然違うデザインなのは、
これをHD画質で描き直すと怒られそうという判断だろうか……。
BGMも名曲揃い。俺は城ステージがお気に入りだぜ。

そんなゲームだが、多少変化はあるものの基本的にオリジナル版とほぼ同じらしく、
さすがに今遊ぶと古く感じる点が目立つ。
ゲームオーバーになるとスタート地点まで戻されるし、マップは無いし、ボス戦のパターンも単調。
街にある教会でヒント(大半は雑談だったりするが)が多少貰えるものの基本的にはノーヒント。
探索自体は楽しいし、やられるとスタート地点に戻されるのはこれはこれで緊張感あって悪くなかったが、
後半は敵が非常に強くなるため、常に装備を最強にしておかないと、
殴っても敵がなかなか死なないけど、敵に殴られると一撃で瀕死になるなんてことにも。
敵の攻撃を受けて点滅している時にもう一度攻撃を受けると、
ダメージは受けないものの更にふっ飛ばされて動けなくなる仕様も地味にストレス溜まる。
ボスの連続攻撃を受けると画面端で延々と固められるぞ!
色んなモンスターの力を使って地形を突破していくゲームなのに、
特定の場所にしかない変身部屋に入らないと変身できないのも面倒だ。
まあ、一応いつでも変身できる方法はある。
隠しショップで売られている特定の武器を装備して、
ジャンプ中に特定のコマンドを入力するというノーヒントの方法で自由に変身できるぞ!
分かるかよそんなの!クリアしてから知ったよ!

クリアまで5時間くらいかな。
1989年の探索型アクションゲームとして考えると非常に高いクオリティで、
こうやって再評価の機会を与えたのは意義のあることだと思う。
オリジナルのソースを読み込んで実現したハイクオリティなリメイクグラフィックと、
それをボタン1発でいつでも切り替え可能な仕様は作り手の執念すら感じるぜ。
ただ、俺みたいにオリジナルにまったく思い入れの無い人間が遊ぶ場合は、
基本は古いゲームであることを割り切らないといけないかも。
そういうところ含めて「完璧なリメイク」の一つの形ではあるね。遊んでみる価値は十分ある1本だったぜ。
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再プレイしたいと思ってたところなのでこのリメイクは羨ましい。