フェアルーンコレクション(Nintendo Switch) | フライハイワークス『フェアルーンコレクション』のレビュー行くぜ!
メーカー:フライハイワークス
機種:Switchダウンロード専用ソフト
ジャンル:レトロ風ナゾ解きアクションRPG
発売日:2018年5月17日
価格:税込1000円
3DSで発売された『フェアルーン』『フェアルーン2』に、
元となったブラウザゲームをブラッシュアップした『フェアルーンオリジン』。
そして完全新作の『フェアルーンブラスト』の4作品を収録して1000円というお買い得版だ!
開発はスキップモア。
最初聞いた時に「コレクションも何も、1と2しかなくね?」と思ったらこう来たか!
SwitchだけでなくSteamでも配信されているぞ。
『フェアルーン』はアクション要素は少なめで、
直観で「違和感」を見切ることが大事な謎解きRPG。
とにかくヒントが少なくて難易度は高いんだが、解けた時の気持ち良さはなかなかのもの。
3DS版の1作目しかやっていなかったので今回のコレクションで2作目もクリアしたわ。
1000円でこのボリュームはなかなかお買い得感のある1本だぜ。

収録作を紹介していこう。まずは『フェアルーン』1作目!
恒例行事的に復活した魔王によって危機となった世界を守るために、
異世界からやってきた少女が魔王封印の旅に出る内容だ。
少女は召喚されたばかりなので最初はドレス。
魔物は意外と紳士でドレスを着た女の子には手を出して来ないので、
まずは剣を探すところからスタート。
妙にくだけたノリの相棒はじまりの書が色々と教えてくれるぞ。

剣を手に入れてからが本当の戦いが始まる!
枠の付いた画面や常に表示されているタイトルロゴなどなど。
ドットで描かれているファミコンというより古いPCゲームに近い雰囲気になっているぜ。
敵は体当たりをすればダメージと引き換えに倒せるが、自分よりレベルの高い敵は絶対に倒せない仕様。
自分にちょうどいい敵を倒してレベルを上げつつ先へ進むのだ。
そこら辺ははじまりの書に聞けばオススメの魔物を教えてくれるので親切。
オススメの魔物ってなんだよ!Amazonかてめーは!

HPがゼロになるとその場で墓石になるスピード感がすごい。
自分より弱い敵からはダメージを受けなくなるが経験値も貰えなくなる。
敵とのバトルは雰囲気作りだね。死んでもスタート地点近くの洞窟に戻されるだけでペナルティは無い。
ノーデスクリアの実績はあるがな……!

このゲームでもっとも大事なのは怪しい場所を見切るプレイヤーの直観。
上の画像のようなちょっと違和感のある木や、
床にシミのあるところが隠し通路になっていて、
そこから先に進めたり、進んだ先にアイテムがあったりするのだ。
他にも「なんか怪しい壁画」とか「なんか怪しい石像」とか「なんか怪しい空間」とかがあったら
100%謎解きのヒントや隠し通路になっている。
基本的に説明が無いのでプレイヤーが自力で意味を見つけ出さないといけない。
一度使ったアイテムを再利用する箇所が地味に多かったりするが、それも説明無し!
行ける場所をしらみつぶしに歩き回って直感で仕掛けを見つけたり、
アイテムの使い方を思いついたりと、謎解きアクションRPGというより脱出ゲームなどに近い作りだ。
まあ、厳密に言うなら「古き良き時代のPCゲーム」なんだろうが、
俺はその時代のゲームやってないのでな……!
1作目を3DSで昔遊んだ時はそこら辺が理不尽に感じて合わなかったんだけど、
「そういうもの」だと分かった上で久々にプレイしたらなかなか楽しかったぜ。
最初は苦戦していても、このゲームの法則が頭に入ってくると
結構スイスイ解けるようになるところが良い。
ボリュームはコンパクトだが、草原から始まって火山地帯や遺跡や洞窟など舞台は様々。
可愛いドットと軽快なBGM、そしていかにもなSEで盛り上げてくれるぜ。
ただ、そこまで時間を取るわけじゃないとはいえ、
レベル上げ作業がややテンポを削いでるのが気になったな。
3DS版で物議をかもしたラスボスの難易度は大幅に下がっていたぞ。

続いて『フェアルーン2』!
3DS版だと1が300円で2が800円だったせいもあってボリュームが格段にアップだ!
1はスマホ向けに出ていたものを3DSにパワーアップ移植したものだが、
2は最初から3DS向けに作って発売したという経緯になっている。
行方不明の妖精たちを探しすために大冒険をし、少しずつ世界の謎に迫っていくストーリー。

今回はチュートリアルの段階でゲームの基本ルールを教えてくれて親切だし、
妖精や謎の少女との会話シーンがあったりと演出面でもパワーアップ。
とはいえ、謎解きは前作を凌駕する厳しさなので気合入れてかかるしかない!

謎解きとは裏腹にテキストや会話は今回もゆるいノリである。
ま、いいか……。

直観で怪しい場所を見切るノリやシステムはほぼ同じだが、今回はとにかくマップが広い。
前作は別の世界やダンジョンに移動する場面はあったが、
メインとなるマップに比べると狭かったりギミックが少なかったりした。
2ではどのマップも同じ広さと密度があるのでボリューム満点になっているぜ。
戦闘システムも体当たりで倒すだけなのは同じだが、
自分より強い敵と戦っても大ダメージを受けるだけで、まったく倒せないわけではなくなったのが改善点。

謎解きは舞台となっている場所の特色を活かしてあるのでバリエーションが大幅に増えていて、
見た目的にも楽しく、数少ないヒントから答えを見つける歯応えも十分。
移動範囲を広げるアイテムを手に入れた瞬間に、
これまで邪魔になっていたギミックを無視できるようになるバランスがまた上手いね。
探索する時にツルツル滑る床に悩まされていたけど、
滑る床を無視できるアイテムを手に入れたので全部無視できる!
これまで行けなかった場所にも行ける!気持ちいい!みたいな。
気づいた時に「おおっ!」となるような凝った仕掛けも多いし、
可愛いドットで表現されたキャラクター達と熱いBGMも健在。
お気に入りはやっぱり「アオのしんでん」かな。
ファンタジー世界でありながら、あちこちに散りばめられた意味ありげなオブジェの数々にワクワク。
意味ありげな敵の数々にゾクゾクさせられる。

ただ、ボリュームアップを意識し過ぎた感はあるわ……。
複数の世界と、それぞれに存在するもう1つの地下世界。
マップがとにかく広い上に絶対に手に入れないといけないアイテムも多いため、
1回の見落としが致命傷になる確率が跳ね上がった。
「床のシミを1つ見逃したせいで、すべての世界とその地下を再び歩き直さないといけない」
みたいなことがあったり。
一応このゲーム、かなり細かく歩かないと地図が埋まらない仕様なので、
「歩いていない場所に何かある」のがしっかりと分かるようになってる。
なってるんだが、それを考慮しても分かりにくい箇所が多いし、
歩ける場所が細かく区切られている上にショートカットも少なく、
ついでに地図が小さくて見辛いから探索そのものも結構骨だ。

謎解きもさすがに理不尽気味なのがちょいちょいあって、
特に、謎解きのヒントを初見では関連性があると分からない別の場所に置くのは、
さすがにアンフェアだと思う……。
全体的には1より面白かったんだが、バランスは悪くなった印象だ。
でもエンディングはとても好きです。

続いては『フェアルーンオリジン』。
1以前に無料のブラウザゲームとして発表された作品をリファインしたシリーズの原点だ。
そういうわけなのでボリュームは少なく、1と2をクリアしたユーザーなら10分掛からずにクリアできると思う。
まあ、俺は30分くらい掛かったがな……!
さすがに物足りなさはあるものの「フェアルーンらしさ」が凝縮されていて、
基本はここで完成していたのが分かるね。1や2と比較してみると楽しい。

そしてノリノリのタイトル画面で始まるのが、今回作られた完全新作『フェアルーンブラスト』!
まさかの2D縦シューティングである!
他の3作品を全部クリアしないと遊べないのがちょっと面倒な仕様ね。
それぞれ武器の違う「異世界の少女」「神巫女ヤマト」「神巫女ウズメ」のから1人を選んで、
2分間のタイムアタックに挑む構成だ。
同じスキップモア&フライハイワークスから発売された『神巫女』とのクロスオーバー!
1人足りないと思いきや……そこら辺は遊ぶと分かる作り。

敵や敵編隊を破壊すると落とす勲章を上手く拾ったり、
敵を倒し続けると溜まるゲージを消費して放つSPアタックを上手く使って敵を逃がさず倒したりしていく。
オンラインランキングにも対応!目指せハイスコア!
2分間でボス出まくり、ザコ撃ちまくり、得点アイテム拾いまくりで送る爽快なスコアアタックゲームだ。
ミニゲームっぽい作りで単純ではあるものの、キャラバンシューティングっぽい手触りでよく出来ているぜ。
「3DSで1と2をプレイ済みだけどブラストのために買って再度全クリした」
なんて人にはさすがに物足りないと思うけどね……!

『フェアルーンコレクション』のレビューは以上!
結構好き嫌い分かれる作りではあるが、
改めて遊んだら面白いゲームだったし、1000円でこの4作収録はやはりお買い得感あり。
各作品にはクリアタイムの記録と、特殊条件を満たすと埋まっていく実績というやり込み要素もある。
サウンドテストがあるのも嬉しかった。
懐かしい絵と音で彩られた世界で、僅かなヒントを頼りに直感と洞察力で謎に挑む。
そんな歯応えのある謎解きゲームがやりたい人には悪くない作品になっているぜ。
興味があったら挑んでみてくれ!
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どこにいようとスタート地点の通路が長い洞窟の奥まで飛ばされるのは
それ自体が重大なペナルティだと思うんだけどな…
時は金なりとも言うし