今日紹介するゲームは!
「ドラえもん~対決ひみつ道具!~」「ドラえもん2~アニマル惑星伝説~」
の二本立てだ!
まずは対決ひみつ道具の方からいこう。
このゲームは子供の頃大好きでねぇ。何回も何回もやったわ。
何が素晴らしいってグラフィックよ。
この会話デモの顔グラフィック!素晴らしい再現度!まさにドラえもんだ!
白黒GBのキャラゲーなんて内容がアレでグラがアレで、
ついでに何故か日本語もアレなゲームが多いんだが、
これはちゃんと原作に似てるし会話の雰囲気も出ているのがいいね。
別にGBのパトレイバーのゲームのバカにしてるわけじゃありませんよ。
発売が1991年にも関わらず、
のちにゲームボーイカラーなどで発売されたドラえもんゲーよりも
圧倒的に原作の雰囲気が出ている。のび太の泣き顔も実にいい。
ストーリーはドラえもんがこれまで使ってきたひみつ道具が
暴走を起こして敵に回るというもの。これは熱い。
1面のボスがタケコプターでラスボスがタイムマシンだぜ?
例の如く「ポケットの中のどうぐが~!」で
「みんなどこにいったんだろう?」からはじまるので、初期状態ではドラえもん一人。
唯一残っていた道具であるミチビキエンゼルと共に謎の世界を進むことになる。
ゲーム内容はアクションゲーム。
ドラえもんを操作してあちこちにどこでもドアが置いてある迷路ステージを探索。
ドアに入ると横スクロールシューティングステージ、
縦スクロールシューティングステージ、固定画面アクションステージなどに移行。
クリアするとひみつ道具や1UPが入手でき、
特定のひみつ道具を集めるとボス部屋のドアに入れるようになる。
ゲームとしては落ちてるアイテムを拾って撃って敵を倒すだけのシンプルなものだが、
随所に挿入される会話デモは顔グラ含めて原作らしい雰囲気がかなり出ているし、
ミチビキエンゼルにうそつき鏡に正直太朗にバリアーポイントなんて
結構マイナーなひみつ道具まで出てくるのも嬉しい。
パスワードがそのステージで助けられる仲間に
ちなんだものになってるのも分かりやすいね。
ジャイアンを救出するステージのパスワードだったら「まいく」
しずかちゃんだったら「おふろ」ってな具合にね。
あとメインで歩くことになる迷路ステージの不気味さが凄い。
形容しがたいデザインのザコ敵とBGM、宇宙とも異次元とも付かない背景。
悪夢の中を彷徨い歩いてるような不安さはなんともいえない。
俺、「昔のキャラゲーはどこか怖いゲームが多かった」って認識があるんだが、
多分子供のころに遊んだこのゲームとFC版キテレツ大百科の影響が強いと思う。
っていうかキテレツ大百科もこのゲームもエポック社じゃねぇか!お前の仕業か!
音楽のレベルもかなり高い。通常ステージもいい感じなんだが、
最終ステージのBGMはドラえもんゲームの中でも屈指の名曲。
ドラえもんゲーで名曲と言うとFC版ドラえもんの魔境編、
ギガゾンビの逆襲の地底編フィールド曲などが挙がるが、この2曲に勝るとも劣らない。
まさに最終ステージに相応しいカッコいよさ。
製作スタッフ的にも自信曲だったのか、SFCのドラえもんゲーでも使用された。
ただ、やっぱGB音源で奏でられる原曲が一番いいね。
SFC版は音色が柔らかくて原曲の勢いが大分削がれちゃってる。
キャラゲーとしてはいい感じだし見所も多いんだが、ゲームとしてはちょっと大味。
FC版ドラえもんみたいにゲーム性の違うステージが複数あるという構成ではあるが、
似たようなステージばかりな上に、1ステージ1ステージがやや冗長。
難易度の差はあるものの最初から最後まで似たようなステージの繰り返しで、
しかも結構長いステージをクリアしたら1UPがもらえるだけだった、
なんてのもあったり。1UPなんかそこら中に落っこちてるわ!
落ちている武器を拾うと武器チェンジが可能だが、
強力な武器がほとんど決まっている上に最初のステージからガンガン拾えてしまうので、
種類はいくつかあるが使う武器は決まってしまう。
バランスや操作性そのものは悪くないからそれなりに楽しいんだけど
難易度が低めなこともあって物足りなさがある。
でも当時のGBキャラゲーとしてはかなりレベル高いと思うなあ。
大味ではあるけど遊んでいて楽しいのは確かだし、
何よりドラえもん愛が感じられるいいゲームだよ。
ドラえもんが好きなら今遊んでも面白いと思うね。
で、1の1年後に発売された2作目「ドラえもん2~アニマル惑星伝説~」
こちらは大人になってから遊んだ。
基本は1と同じだけど欠点がだいぶ改善されて
アクションゲームとしてはより洗練されている。
ゼルダの伝説のような画面でマップを探索してアイテムを探し、
横スクロールアクションか強制スクロールの横シューティングステージに切り替わる。
敵がダラダラ出てくるだけだった1と違ってちゃんとステージごとに特色を出していて、
敵の配置やギミックを考えないと先に進めないようになっているし、
武器も適当に落ちてるものを拾って使うンじゃなく、
イベントで入手したものをいつでも切り替えて使うことが出来るシステムに変更。
それぞれの個性もハッキリしていて使いどころがある。
ゼルダっぽくなったというかRPGっぽくなったかな。
原作っぽさがよく出ているデモは健在だし、一枚絵も挟まるようになった。
ただ、キャラゲーとしてだったら1に軍配が上がるね。
1はゲームオリジナルシナリオで、しかもひみつ道具そのものが敵という
普通に映画か漫画で見てみたいような展開。
2は映画・ドラえもんのび太アニマル惑星のシナリオをなぞっているだけで、
会話デモの量自体も1の方が多いんから1の方が遊んでて面白いわ。
細かいシーンが全部カットされちゃってるせいもあって話自体もイマイチ。
あと2はしずかちゃんがジャイアンのことを
「たけしさん!」じゃなくて「ジャイアン!」って呼ぶシーンがあったり。
それキテレツ大百科のみよちゃんと混同してねぇか?!
銀河パトロールの介入がなく
ドラえもんが単独でニムゲの円盤群を壊滅させてENDだから、
シナリオ的には映画よりまとまってると言えるかもしれないが……。
いや!ニムゲとの決戦前ののび太とチッポのやりとりとかが一切無いからダメだ!
やたらフレンドリーなニムゲには笑ったけどさ。
マスク無しののび太が話しかけてるのに
「どうした、マスクをなくしたのか?」「ぼうず、早くうちに帰れ」とかやたら優しい。
映画だとのび太を速攻でとっつかまえたのに。
BGMや敵キャラも1に比べると普通になっちゃってるのも物足りないな。
まあ、グラフィックの原作っぽさは健在だし、2もキャラゲーとしてはよく出来てるよ。
1よりは歯応えもあるしね。
1も2も同社のゲームネタが入ってるのが楽しいんだよな。
「ギガゾンビのぎゃくしゅうかな?」
「それはファミコンでしょ!」
「ねむりのふえはどこにあるんだろう」
「ねむりのおうかんならしってるよ!」
「それはドラゴンスレイヤーがいでんでしょ!」なんて会話があって吹く。ドラえもんのゲームでこういうネタは珍しい。
どっちもスネオとドラえもんのやり取りだけど、
やっぱりパパの友達にエポック社の社長がいたんだろうか。
1にはエポック社の「爆裂戦士ウォーリア」をモチーフにしたステージも存在。
敵キャラや雰囲気がそのまんまで、
やはりクリア後には「ばくれつせんし ウォーリアかな?」なんてツッコミが入る。
余談だがこの爆裂戦士ウォーリア、
発売から9年たってから「おはスタ~やまちゃん&レイモンド~」と
名前を変えてゲームボーイカラーで再発売されていたりもする息の長い作品。
キャラクターを山ちゃんとレイモンドに変更して色をつけただけという
割とムチャ振りなゲーム内容。
エポック社のGB参入第一弾だったらしいから、メーカー的にも思い入れが強いのかね。
ウォーリアの話題は置いておいてドラえもん。
俺は1の方が好きだけど2は2でいいところもあるし、
両方ぶっ続けで遊んでもクリアまでには3時間も掛からない。
ドラえもんが好きなら2本続けて遊んでみるのもいいかもしれない。
FC~SFC時代のドラえもんゲームはこういうよく出来た作品が多かったなあ。
最近でもDSでインティ・クリエイツ製の横スクアクションが出ていたり、
恐竜キングのグラ流用でカードゲームが出ていたり、どっちも評判が良かったり。
意外とキャラゲー化には恵まれているな、ドラえもん。