SIMPLE1500シリーズ Vol.98 THE ギャンブラー D3公式
PSストア SIMPLE1500シリーズ Vol.98 THEギャンブラー2002年3月28日に1500円で発売されたTHEギャンブラー~炎の賭博伝説~のレビュー行くぜ!
現在はゲームアーカイブスで309円という博打価格で購入可能だ!

内容はチャック・ア・ラック、クラプス、チンチロ、丁半の4種類+そのルール違いを収録したゲーム集。
4つのシナリオで様々な対戦相手と戦っていくストーリーモードもある。
本作独自の「気合システム」も搭載しているぞ。
>出目を念じてダイスを振る「気合システム」を搭載!
>ギャンブラーでの「想い」「勝負強さ」を世界で初めてゲーム・システム化。
>ダイスの目をコントールして、目指せ億万長者!!この公式サイトの吹かしっぷりが凄いな!
俺もこういうことをスラスラ言えるような詐欺師めいた人間になりたい!
開発はTHE推理やTHE鑑識官でお馴染みのトムキャットシステムということで、
可愛いキャラクターに期待する人も多そうだが……。

まあ、こんな感じです。
主人公である江崎竜太が、
カジノでボロ負けした帰りに謎の女性レイミさんに声を掛けられるところからゲームははじまる。

ボロ負けしつつも、ダイスを使ったゲームでは何回か勝っていた。
君はカードやルーレットを使ったゲームよりダイスが合っていると指摘される主人公。
カードやルーレットのカジノゲーム…ウッ!頭がッ!

主人公はレイミさんからギャンブルについて教えてあげるからそこまで飲みに行こうと誘われ、
ホイホイとついていく。
この何も考えてないコメントがひどい。

ここで「ギャンブラーになるには気合の使い方を覚えてないとね」という、
まったく意味の分からないことを言われてチュートリアルが始まる。

ダイス型ルールブックさんが解説してくれるぞ。
この1枚の画像の中に突っ込み所が非常に多くて困りますね……。

チュートリアルが終わった後は2人でバーに行き、バーテンダーに「カ ・ ジ ・ ノ」を注文。
すると裏手へと案内される……!
そこは凄腕のギャンブラーが集まるギャンブル場!
気合の使い方を覚えた主人公はここで戦うことになるのだ!

しかしゲームがチンチロと丁半ってこれカジノじゃなくて賭場では……。



寄生獣に出てきそうなハンサムなお兄さんや、やたら顔の濃いオジサン、オバサンなどがゾクゾクと登場する。
所持金は100キャットからスタートで、
チンチロと丁半で買った上で1000キャットまで増やせれば次のシナリオへ進める。
開発がトムキャットシステムだから通貨がキャットと……。

勝負が始まるとさっきのお兄さんがノリノリで場を仕切ってくれるぞ。
やっぱりカジノじゃなくて完全に賭場だこれ!?

このお兄さんのノリノリっぷりが大好きなんですよ俺。
お兄さんっていうか、組の若頭なんですけども。

勝負は対戦相手より多く稼げばいいんだが、ここで重要なのが気合システム。
1回サイコロが振られるごとに溜まる
KP(気合ポイント)を消費して出目をある程度操作可能だ。
これイカサマ……いや、気合!気合です!
気合で出目を操作って超能力じゃねーか!?
そういえば昔、
カイジが超能力でギャンブルを勝ちまくるゲームをレビューしたっけ……。
気合は選んだ後にボタンを連打することで成功率がアップする。
連打しすぎると逆に成功率が下がっていくので、ほどほどの操作が求められる。

操作を行うと「ふらぁぁ~~っ!」という
妙に野太いんだけどそれでいて異常に気の抜けた主人公の叫び声と共にカットインが!

たまに対戦相手が「エェェェーイッ!」という甲高い叫び声と共に妨害をしてくる。
なんでソニックブーム出してるんだこの人……。
連打で成功率を上げても、成功するかどうかは運次第だ。
定価1500円のゲームだが、
この奇怪な叫び声とカットインの応酬の面白さが1450円分くらいを占めてると思いますね。
1回聞いたら絶対忘れられないぞこの気の抜けた叫び声!
妨害の声は今聞くとチャージマン研!の星くんの声にそっくりだわ。

そしてステージで勝った時の主人公のこの顔!
最後の最後までこんな感じだから困る。
シナリオは4つだが、最初のシナリオが裏カジノ(賭場)、
2つ目が日本でも最強クラスのギャンブラーが集まる賭場。
3つ目がラスベガスの高級カジノ、4つ目が世界最強のギャンブル王との戦いというハイスピード展開である。


海外でも絵の濃いキャラが次々に襲いかかる。
クリスティーナはいかにも「アメリカのクソガキ」って顔だな。

舞台が変わるたびにサイコロやテーブルのデザインが変わるのはまあ多少凝ってはいるか。
1回サイコロを振る毎にセーブが可能ということもあって難易度は非常に低いぜ。

そんな内容だがゲームとしてはまったくダメ。
問題点はまず収録している4つのゲームが
ルールの違いはあれどすべて「サイコロの出目を当てる」ゲームなのですべて運任せ。
気合システムとやらもボタン連打&確率なので底が浅い。
運ゲーを面白くするためのシステムが結局運次第。面白くなってない。
ストーリーはすぐ終わってしまうし、
優柔不断な主人公がおねーさんに連れられて、
なんとなく日本最強クラスや世界最強クラスのギャンブラーになんとなく勝つシナリオ。
負けて所持金がゼロになってもおねーさんから追加の資金を貰えるし、
どこら辺が「炎の賭博伝説なんだろう?」という緊張感の無さだぜ。
ギャンブラーを題材にしたゲームとしては致命的と言わざるを得ない。
クリア後はカジノを経営するおまけモードが解禁されるものの、
これはフリーモードで稼いだポイントで置物を買って設置するだけ。
これなら作業感が酷かったものの、ゲームとしてはTHEカジノの方がまだ遊べるね……。
収録ゲームをもっと凝ったオリジナルゲームにするか、あるいは気合システムを凝った物にするか。
あるいはストーリーにもっと気合を入れるか。どれも中途半端で微妙な内容だぜ。
本当にキャラの濃さと叫び声くらいしか面白いところが無い。
ルール説明もテキストで一気に説明するだけなので分かり辛い。
定価で買ったら「ふらぁぁ~~っ!」と叫びながらパッケージを投げたくなるぞ。
何が気合システムだ!ゲーム内容に気合を入れたまえ!

他に褒められるところを探すと、
BGMはTHE推理などと同じビートマニアックの大久保高嶺が手がけているので良い感じ。
まったりと落ち着いてプレイ出来るBGMだ。
まあ、つまりギャンブルゲームには合ってない曲ってことになるんだけども。
オススメはしないが、どうしても買うという人は主人公の奇声を聞くために金を払ったと覚悟を決め、
「ふらぁぁ~~っ!」と叫びながら購入ボタンを押そう。
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