操作は方向キーかスティックでハンドリング、ZRでアクセル、ZLでブレーキ。
Yボタンで後ろを見る、Xボタンでアイテム使用だ。
マップ上に点在してるアイテムボックスに体当たりすることでアイテムゲット。
当然他のドライバーもアイテムボックスを取りに来るので奪い合いになる。
アイテムは使うと加速するターボ、相手を追尾して攻撃する赤い誘導バブル、
直進するだけで相手を追尾はしないが、壁にぶつかると跳ね返る黄色いバウンドバブル。
その場に停滞して他のドライバーがぶつかるとダメージになるトラップバブル。
衝撃波で自分の周囲の相手にダメージを与えるパルスなどなど。
現在の順位が低いほど強力なアイテムが出現する仕様なので、下位だとかなり凄いアイテムが使える。
いきなり先頭集団に躍り出ることが可能なワープに、
先頭集団のスピードを遅くできるセーフティーカー、
ペットボトルロケットに変身してしばらく無敵&超加速&オート操作になる炭酸ペットボトル、
雨を降らせて他のドライバーを一気にスピードダウンさせられるウェットコンデションとかね。
ちなみに誘導バブルやバウンドバブルやトラップバブルやターボなどは3つセットのも存在するぞ!
完全にマリオカートだこれ!
さっきからマリオカートって連呼してるけどただ見た目やアイテムが似てるだけじゃないんですよ。
設置用のトラップバブルを後ろから迫る誘導バブルにぶつけて打ち消すために使う!
トラップバブルをあえて前に投げたり、バウンドバブルを後ろに投げたりして他のドライバーを攻撃!
ショートカットに使える狭い道にトラップバブルを仕掛けて確実に引っ掛ける!
とか、本家マリオカートとまったく同じ戦法が使えるんですよこのゲーム!

ファイナルラップに入った時の「テーテーテーテッテテー!」とか
敵にアイテムをぶつけた時の喜びの声とか、
そこまで似せる必要あるんですか?!って言いたくなるマリオカートっぷり。
「ファイナルラップです!」という妙な翻訳も気にならないレベル。

ジャンプ台で大ジャンプして画面奥の道まで飛んでいく場面なんかもあったり。
しかしマリオカートの質の悪いパクリゲーというわけではなく、
アイテム有りでワイワイ遊ぶレースゲーとしてはなかなかのデキ。
ベルギー、ドイツ、イタリア、ブラジル、アブダビ、モナコ、中国、インド、
シンガポール、オーストラリア、アメリカ、イギリス、日本、ヨーロッパ、カナダといった
世界各国をモチーフにした全16のコースはどれも個性的。
摩天楼にジャングルにお城に寺院に古代遺跡にビーチに対向車満載の公道となんでもありで、
激しいアップダウンにスピードアップパネルも沢山あるのでスピード感アリ。
斜めの坂を登ってる時はカメラも斜めになるのがイイ。
コースの分岐もかなり多いし、
隠されたカギを見つけて隠し通路を開くと大幅にショートカット出来る要素もある。

日本ステージは実に分かりやすい「間違った日本」っぷりを見せてくれる。
なんだよこの適当な看板は!

入り口に超高層ビルと書かれた建物(そんなに高くない)

相撲ロボがバトルしてる謎のスタジアムをすり抜ける画面も。
画像だとよく見えないがこの建物の上には「道場」の文字がある。


ちなみにイタリアは空から巨大トマトが降ってくるし、
オーストラリアは水族館で巨大タコが襲撃してくるし
カナダは氷のコースを走ってると木造のトナカイの生首がレースを妨害しに来たりと
日本だけでなく他のコースもおかしいので安心してもらいたい。
F1とは一体……。
でもモナコはちゃんとモンテカルロ市街地コースだったりする辺りにこだわりを感じる。
ジャンプ中にアクセルボタンを離して、着地した時にボタンを押すとジャンプブーストが可能。
これが「ジャンプじゃなくて段差を越えただけでは?!」って場面でもうまくやれば使えるので、
細かく使っていくのがなかなか面白いのだ。
他のマシンの後ろにつくとスリップストリームが発生してスピードがアップする要素も。
数少ないF1要素としてはピットインの存在がある。
アイテムや障害物でダメージを受ける度に
どんどんマシンがボロボロになってどんどんスピードが落ちる。
コースの要所要所に設置されたピットインでマシンの整備を受けないと回復しないのだ。
ピットインをすると大回りになるようなコース設計になっているので、
あえてスピードが遅いままで行くか、時間をロスしてでもピットインをするかどうかの判断が重要。
ピットインを終えたばかりでマシンがピカピカの敵ドライバーに
早速アイテムをぶつけてキズモノにするのはかなり爽快です。
レースもただ順位を競う以外のルールが多く存在している。
一定時間経過ごとに最下位のドライバーがレースから除外されるノックアウトや、
トップ3に入ると入り続けるポイントが規定数溜まったら勝利のポールポジション。
道に落ちている燃料を拾いながら走るレースで、
燃料が少なければ少ないほどスピードが増すが、
燃料が完全に尽きるとスピードが大幅ダウンというサジ加減が熱い給油レースなど8種類が存在。
ピットインという要素があるにも関わらずそれを無視して
「燃料が道に落ちている」という大昔のゲームみたいな手法を取る給油レースもいいんだが、
お気に入りはバッジレースだね。
このゲームはスリップストリームやジャンプブーストを決めたり、
アイテムをぶつけたりターボを連続で使ったりといった行動でバッジが貰えて
メニュー画面で累計数が確認出来る。
バッジレースはこのバッジ入手時にポイントが入るようになり、それが一定数に達せば勝利。
敵にアイテムをぶつけまくってもいいし、豪快な走りでポイントを稼いでもいい。
高い順位をキープするとそれはそれで高ポイントが入るので、
周りにドライバーがいない時は走りに集中した方が良かったりと、
戦略に幅が出て実に楽しいルールだぜ。
ゲームに直接関係ないがアクセサリーという要素もあって、
アイテムやターボを使った時のエフェクトやブレーキ痕を自由に変えることが出来る。
例えばアクセサリーを「恐竜」にするとエフェクトが化石になって、
ブレーキ痕も恐竜の足跡になったり。
で、メニュー画面だとこのアクセサリーにすべて1行の説明文がついてるんだけど……。

「ダンスパーティー」が「ボンボン持って踊る」で
「学校」が「リア充な日々」なのもどうかと思うが、
「お姫様」の説明が「ピーチ姫!」ってどういうことだよ?!説明になってねぇ!人名じゃないですか!

テキスト数が少ないからそんなに目立たないけどローカライズは妙な味わいがあるなこのゲーム。
「あいことば」という、プレイヤー名の横につけられる肩書きみたいな文章も選べるんだけど
「くらえ!」「きらめき」「いざ勝負!」「有力候補」「美人」「再起動」「もっとくれ」とかのよく分からない単語がズラリ。
「くらえ!」はPeggleっぽさもあって悪くないんだが

結局「マッチョなアニキ」でプレイしました。

実在のドライバーを再現したとはいえ妙に濃いドライバーはなんか……って思ったけど、
レース開始前にノリノリでお互いを指差していくデモや、
全員が晴れやかな表情でお互いを称え合う順位発表画面を見た後だと悪くない。
むしろこれはこれで良い。表情も実に豊かに作られている。
こんなわけのわからないコンセプトなのに意外にも丁寧な作り。
キャリアモードはCPUがアイテムでガンガン攻めて来るので慣れるまで結構苦戦するが、
ペナルティ無しで同じレースを何回でもやり直せるし
何回かレースして総合成績で優勝が決まるので、
最初の数レースで好成績を取れば後は捨てても勝てたりと、
意外とユルいとこもあったりで遊んでいくと安定して勝てるようになっていくバランスだぜ。
大きな欠点はあんまり無いんだが、
やっぱ
「マリオカートっぽいレースゲー」の域を出ていないとこだねえ。
ボリュームは申し分無いしぶっ飛んだコースや多数のルールは楽しいんだけど、
このゲームならではの魅力ってのは乏しいし、ドリフトが存在しないのも物足りなさが。
マリオカートがベースと言ってもいいレベルのゲームなので、
ドリフトが無いのが個性というよりマイナス点に感じられてしまう。
えっ?「F1だからドリフトが無いのは当然だ」だって?
うん……多分それで正しいと思うんだけど……思うんだけどさ……!
ゲーム内容を考えると色んな意味で釈然としない考え方なんですよねそれ!
オンラインが無いのも残念。
まあ、あったとしても人はいないだろうからそこはあんまり突っ込まない。
ローカライズだとありがちだがメニュー画面の文字が小さくて見辛いのは気になった。
7140円払う価値があるかと言われるとなかなか難しいしオススメとまでは行かないが、
ただのマリオカートもどきと一蹴は出来ない作り。
なかなか楽しめたし、色んな意味で侮れない一品だったぜ。