IRONFALL -Invasion- アイアンフォール インべ―ションアイアンフォール インベーションのレビュー行くぜ!
本作は2015年10月28日にアガツマ・エンタテイメントから1500円で配信された3DS DLソフト。
ローカライズタイトルで3DSでは珍しい本格的なTPS。
最大6人でのオンライン対戦にも対応した内容で海外では30万ダウンロード突破のヒット作品だ。
海外では体験版的な無料ソフトをダウンロードして
そこからキャンペーンモードとオンラインマルチプレイを追加購入する形式だったようだが、
日本版では最初から全部入り1500円での販売となっている。

キャンペーンモードは人類最強の部隊であるアイアンフォールと
侵略宇宙人ダイキサイドの戦いを描いた内容。
主人公のジム・ウォーパーを操作して様々なステージでエイリアン共のどてっ腹に風穴を開けていくのだ。

アサルトライフルにグレネード、ショットガンやロケットランチャーなどの武器を駆使して、
出てくる敵を倒して進んでいく。
物陰に隠れて敵の攻撃を避け、スキを見て素早く攻撃に転じられるカバーアクションも搭載。
ダメージを受けたら一定時間敵の攻撃を受けずにいると少しずつ回復していくタイプ。
照準は下画面をタッチペンでスライドして狙いを付けるか、
拡張スティックorNEW3DSのCスティックで行う形式だ。
やはり右手の親指でスティック操作したいユーザーが多そうだけど、
個人的にはオプションで感度を最高にしてタッチペンでやった方が格段に快適だったぜ。
タッチペン操作にすると弾薬を拾ったり壁に隠れたりもタッチパネルのボタンで行うのは好き嫌い分かれそうだが、
これはこれでやりやすかった。

PVの時点でも凄さがバリバリに伝わってくるグラフィックはやはり凄かった。
立体視オフなら60FPS、立体視アリでも安定した30FPSで動作。
3DSでPS3や360のゲームみたいなTPSをここまで動かせてる!という感動があったぜ。
3DSでグラフィックが綺麗なゲームは沢山あるんだけど、
このアイアンフォールはかなり広さのフィールドで複数の敵が入り乱れる作りだからね。
ロード時間もステージ突入時にしか挟まらないのが凄い。
ボリュームもなかなかのもので工場にホテル、洞窟、山岳地帯、基地とステージの種類もしっかりある。

立体視をONにすると遠くから狙ってくるスナイパーのレーザーサイトや
地下に降りていくシーンでの臨場感が実にイイぜ。これこそ3DSのTPSだな。

で、肝心のゲームとしてどうかという話になるとこれがかなり微妙。
出てくる敵を淡々と倒していく場面が延々と続くので非常に単調だ。
ドアが開かないからスイッチを探そう!みたいなシーンがめっちゃ多いのでその度にうんざり。
カバーアクション要素もあんまり生かされている感じがせず、
しっかり隠れてるのに背中がはみ出してそこを撃たれてしまう場面も多いね。
出てくる敵がすべてロボ系の敵なので出血表現などは一切無い。
これはこれでグロがなくて安心して遊べるという人もいそうだけどヘッドショットも無いからな……。
固いザコ敵が沢山出てくる割にまとめて倒せる要素が無いので、一体一体倒していくしかない。
よくある、爆発物を打ち抜いて吹っ飛ばすとかそういうのも無い。
武器にグレネードとミサイルランチャーはあるんだけど、
爆発力が低すぎてまとめて敵を倒したりがほとんど出来ない上に、
弾薬が異常なまでに手に入らないのでボス戦用に温存しておくくらいしか使えないぜ。
スナイパーライフルが手に入るのはいいけど細かいズームが出来ないのも不満だった。

ハンドガンしか持ってないヒロインを操作するパートがちょいちょい挟まるのも勘弁して欲しかった。
ほとんど丸腰だからステルスミッションでも始まるのかと思ったら、
ちゃんとハンドガンで敵を全滅させないと先に進めないという。
弱いキャラを強制的に使わされてクリアしないと進めないとか、
アクションゲームで一番イラッとするヤツですよ!

っていうかヒロインの顔凄いなこれ……。

ヘリコプターの操作パートもつらかったわ。
普通こういう場面ならヘリについてる強力な武装が使えそうなものなのにそんなことはなく、
しかも何故かカバーアクションが一切出来ない状態で大量の敵と戦わないといけない。
カバーアクションTPSは何処行った!
他にも配線を繋ぐとか、光るボタンの順番を覚えてタッチするとか、
タッチペンを使ったインスタントなミニゲームも定期的に挟まる。

敵の種類が少なくてボスも実質2種類くらいしかいないってのも物足りなかった。
この射線に入ると体力最大の状態からでも2秒で殺されるロボが何回も出てくる。
ヒット&アウェイでチマチマ削るだけの戦いになるからあんまり面白くない……。
キャンペーンモードはそんな調子でイマイチ。
ストーリーもメインキャラ3人くらいが敵の爆弾を解除したりするのが延々と続き、
使いまわしのボスを倒して俺たちの戦いはこれからだ!展開なので見所は全然無くキャラの魅力も無い。
で、マルチが面白いかというとこれがまた全然ダメ。
オンラインは最大6人。6つのステージで個人戦orチーム戦を行うオーソドックスな作りだが、
「物陰に隠れてもグレネードなどの爆風は貫通する」
「マルチではグレネードの弾がなんかやたら多い」
「一度死ぬと弾薬が全回復する」
という仕様のせいでカバーアクション要素が完全に死んで
出会い頭にグレネードをぶちかますだけのゲームになっている……。
キャンペーンモードで複数のザコ的相手だと使えないけど、
こういう1人を確実に殺す時は凄く使いやすい性能なのよねグレネード。
面白くは無い!

3DSでギアーズオブウォーっぽいTPSを作った!技術デモとしては凄い!
という以外の評価がまったく出来ない1本だった……。
凄くつまらない!ってほどじゃないんだけどとにかく展開が単調で。
せめて「アイアンフォールは他のゲームとここが違うぞ!」というオリジナリティがあればなあ。
シナリオ面でもシステム面でも美術面でもこのゲームならではの独自性が全然無いから
遊んだ後に印象に残るものがない。意気込みとロマンは買うけどどうしても辛い評価になるぜ。
キャンペーンモードのボリュームはかなり頑張っているものの、
TPSとしては2世代前くらいの内容。出オチだったぜ!
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ダイキサイド…ダイ…daiki…!?
>主人公のジム・ウォーパーを操作して様々なステージでエイリアン共のどてっ腹に風穴を開けていくのだ。
このゲームを批判するのはエイリアンを虐殺するから!
このレビューはエイリアンの陰謀!
…まあ冗談はともかくシューター好きな海外での評価がいまいちだったので
なんでかなーと思ってましたが、システムに力入れて内容煮詰められなかった感じなんですね